実習先で祖父と Day11
2022/01/18 Tue.
昨夜は友達と長電話した。
祖父のことがあってから、あまり眠れなくて、寝不足が続いていた。
冬休みの寝正月で回復していたが、冬休みが明けて一週間ほどでもうエネルギー切れになってきていた。
友達には、祖父のことは話していないが、何気ない会話を夜な夜なしてくれたことで、夜のなんとなくこわい感じを和らげてくれた。
睡眠時間は3時間くらいだったが、いつもよりよく眠れた。
治療中断
夕方のカンファレンスまで、30分時間ができた。
祖父の部屋にいくと、放射線はこれ以上できないと思う、ということを聞かされた。
治療中断について話している祖父は、私と目を合わさず、遠くを見ていた。
そんなことを言っていた。
「望まん」という祖父は死に向かっていくことを覚悟しているようだった。
その姿が、印象的すぎて、一言一句覚えていないことが悔しい。祖父の想いをもっと聞きたかった。でも、聞けなかった。
「でも転院したら、会えやんくなるやん。ここで、出来るだけリハビリさせてもらえたらいいのになぁ」
「癌は進むけど、筋力つけて、もうちょっと自分で動けるようになったら、だいぶ生活しやすいと思うよ。ベットの上でも、できるだけ足動かしてみてよ」
そんな私の希望をつぶやくことしかできなかった。食事も重湯と味噌汁を3割ほど食べるので精一杯、自分で起き上がることもできない、そんな現状に筋力を、など理想論だけど。
転院すると、たぶん、もう次に会える時は、もう、、、と考えてしまった。
食道癌StageⅣ-bで抗癌剤の副作用でFN(発熱性好中球減少症)、肝障害、と全身状態悪化しており、治療が限界となると、
いやでも今後、悪い方向にしか行かないと分かってしまう。
カンファレンスの時間が迫っていたので、「実習もどるわ」と言うと、
と聞いてきた。いつもは、実習の邪魔したらあかん、と気を遣って呼び止めたりしない祖父が、また来るか?と聞いてくるのは珍しい。
カンファレンスが終わり、18:00過ぎにもう一度、会いに行った。
私が来ることが、少しでも、祖父の気分転換になればと思う。
実習ながいわ~と雑談していると、晩御飯が運ばれてきた。
ベッドを起こして、食事のセッティングをし、
「しっかり食べてよ~また明日!」と言いながら部屋を出た。