実習先で祖父と day2
2021/12/21 Tue.
【気持ちの変化】
実習先の大学病院に祖父が、食道癌で入院してきた。
正確に言うと入院したのは1週間前だが、
私がそのことを知り、実習の合間に会いに行くようになったのは、昨日からだ。
今日は自分の気持ちに少し変化があった。
昨日、祖父の部屋に行った時は、病状の悪さから今後のことを想像してしまって終始、涙が溢れそうだった。
今日、また祖父に会いに行った時は
「今すぐ死んでしまうわけでもないもんね...」と思った。
年に1、2回会う程度だった祖父と、2日連続会うことが新鮮だったのもあるが、
昨日に引き続き今日も祖父に会えて、そこに居ることを確認できたから、ちょっとだけほっとした。
進行癌で予後が悪いことは分かっているが、「今すぐ居なくなるわけではないから」って半ば自分に言い聞かせるように頭の中で反芻していた。
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【祖父と祖母の電話】
祖父は私に携帯を借りて祖母に電話していた。
「ななちゃん来てくれて嬉しいやろ?
白衣姿わたしも見たいわ、
どうな?似合ってる?」
と祖母がいつもの元気な声で祖父に聞いているのが、
私にまで聞こえてきた。
祖父は食道癌により発声も難しくなってきているが、
私のことを「天使」だと繰り返し祖母に伝えていた。
祖母も嬉しそうに大爆笑していた。
今、この文章を書いていても、超はずかしいのだが、
祖父母がきゃっきゃと話している様子が凄くかけがえのないものに感じた。
祖父がたどたどしくも、一生懸命に話してくれることを、全部おぼえておきたい。忘れないように書き留めておきたい。
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【お年玉】
祖父は化学放射線療法中でお正月も家に帰れない。
私が携帯を貸すと、祖父は祖母に電話し、私たち孫と、曾孫にお年玉と出産祝いを用意するように伝えていた。
孫の名前をひとりずつ挙げて、それぞれいくら、どんなお年玉袋にいれて、と細かく伝えていた。
0歳と2歳の曾孫にはお年玉いくらにしようか、と少し考えてから、
と長い将来を想像して話していた。
自分の病状の悪さを一旦おいといて、
先のことまで考えていて、見ていて微笑ましかった。
孫や曾孫の存在が、祖父にとって前を向く希望になっていたらいいなと思う。
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【写真】
祖母が電話越しに、「ななちゃんの白衣姿、ばっちゃんも見たいわぁ、じっちゃん、一緒に写真撮っときや」と言っていた。
祖父がベッドの横の手すりを掴んで力をいれようとするも、なかなか体が起き上がらない。
介助してやっと座ることができた。
わたしも並んでベットに座り一緒に写真を撮った。
と自分の痩せた体をさすりながらも、
すこし緊張した様子でカメラを見てくれた。
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今日のお昼休憩は2時間あったから、沢山お話出来た。
実習はまわる科や、先生方の都合によって隙間時間ができたり、お昼休憩が30分のときもあれば、2時間のときもある。
毎日こんなに沢山お話出来る訳では無いけれど、できるだけ時間ができたら、来ようと思う。
と言いながら帰ると、カーテン越しに
と見送ってくれる。
また明日、がずっと続けばいいのにな、と思った。