琴線に触れる時間
中高の部活でやっていた箏曲をまた習い始めた。
"びーん"と指先に伝わる振動
指が勝手に動いて
つられて体が揺れる。
ぐっと弦を押えて、半音あげる
突き、引き、押さえ、
滑らかにトレモロが走る
先生の口三味線に導かれて
少しの間違いなんて、ちっとも気にならない
もう最後まできた。
フェルマータの余韻を感じながら
先生とお互いに拍手する。
この高揚感はなんだろう。
懐かしいような、清々しいような。
あっという間に2時間が過ぎていた。
他のことは何も考えていなかった。
目の前の箏譜を追うことだけに集中していた。
ひとつのことに集中して、他に何も考えられないことが心地よかった。
わたしにとってこの時間はとても大切な気がする。
この心地よい時間を探していたんだと思う。
これからも生活のベースとしてお箏を弾いていきたい。
そしてお箏に限らず、心の琴線に触れる瞬間を見つけていきたい。