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14歳
2024年5月◯日
久しぶりに電車に乗って出掛ける用事があった。せっかくだからどこかに寄り道したいなと思っていたとき、友人から聞いた映画を思い出した。
「14歳の栞」
実在する14歳、35人に密着した映画。
最近は、人々のありのままの日常に興味があって、"実在する中学生に密着"というリアルさに魅かれて観に行くことにした。
上映している劇場の中で、一番寄り道しやすい池袋シネマ・ロサへ。
小学生のとき、お母さんと「のだめカンタービレ」を観に行った以来だった。当時は大きな映画観に憧れていたのか、まだ背が小さく後ろの席で見づらかったのか、「大きな映画館の方が好きだな~体育館みたいだね。」って話した記憶がある。
けれど、年を重ね、だんだんと趣ある古き良き文化を好むタイプへとなり、小劇場に興味が出てきた。
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池袋の西口はとても久しぶり。池袋は昔から馴染みのある土地だけど、もっぱらいくのは東口エリア。西口は昔から治安が悪い、飲み屋が多いイメージが強くて足が遠のいていた。
西口の記憶といえば、高校の友人と打ち上げでもんじゃを食べに行ったこと、就活用の写真を撮りに行ったこと、お花のカレーを食べに行ったこと。そういや、あの就活の写真お蔵入りしたいくらい気に入っていない。
池袋は再開発で新時代っぽい空気もあればディープな昔ながらの空気も入り混じる、相変わらず混沌とした街だな。散々通ってきた池袋にも、初めて歩く場所、全然あるな。
そして映画の上映。
よかった。リアルだった。14歳のみんな、自分の感情を言葉にできること、素直に素晴らしいなと思った。
14歳の私、当時何を考えていたのだろう。
ちょっと大人向けの映画を教えてくれる数学の先生。
スクールランチを注文する機械に並ぶ時間。
バレンタインのそわそわした空気。
小さなメモ用紙での手紙交換。
いろんな恋愛模様。
部活前の狭い更衣室での着替え。
部活が外練の日、雨だと階段ダッシュになって憂鬱だったな。
プールの授業は嫌いだったけど、授業後に窓の開いた教室で感じる生あたたかい風は嫌いじゃなかったな。
比較的真面目な少女時代だったと思う。
それは今もかも。ハメははずさない感じ。でも、最近になって、バカなこととかくだらない遊びとか、全力でやりたいって思いはじめた。
自分はできる、っていう自信はいつもあったな。
楽しい思い出もあるけど、苦い思い出もあるし、戻りたいとは思わない。というか、どの過去の時代にも大切な思い出はあるけど、戻りたくはない。
学校というものは嫌いではなかった。けど、今思えば、クラスメイトが固定され、限られた人と時間を過ごすということに息苦しさを感じてた時期もあったと思う。部活や家庭でバランスを取り、どうにか過ごしていた。
大学生、社会人になって、「私、学校やクラスという環境が全てではない感覚に居心地の良さを感じている」ってたしか思ったんだよね。
主に所属するところはありつつ、他の場所でも活動したり、いろんな頼れる場がある、そんな過ごし方の方が好きだな。私はどこか一つの環境に縛られるということがあまり得意ではないのかもしれない。
苦しかったこともたくさんあっただろうし、それが積み重なって今の自分になっている。難なく過ごしてきたような気もするけれど、それぞれの時代で、いろんな壁にぶつかって乗り越えて、今の自分になっているんだな。ここまでやってこれたのも奇跡かもしれない。みんないろんな事情を抱えて、大人になっていく。それって当たり前じゃない奇跡なのかもしれない。
そもそも私は大人なのか?もしそうだとしたらいつから大人になったんだ?いや、もはやずっと子どもなのではないか。どちらにせよ、今の私は、今の私。
どの時代の自分のことも抱きしめたい。
もちろん、今の自分も。
そう強く思った。
映画を観た日は、14歳の時に通っていた中学校を通って家へ帰った。