今年もクロスカントリースキーのシーズン到来! 〜めざせ初心者卒業〜
待ってました。
去年、突然の出会いからよくわからず始めて、消化不良のままシーズン終了になってしまったクロスカントリースキー。1年経ってついにシーズン開幕です。去年のブログ記事にも書いた、あの最後の日の魔法のような感覚が忘れられず、この日をずっと待っていました。
今回の記事、英語雑記にしようと思いましたが、先週の3連休で毎日(!)通ってやや興奮状態のため、このまま日本語でつらつらと書いていこうと思います。
まず、場所は去年と同じ、手稲区にある前田森林公園です。緑豊かな広大な公園全体が雪に覆われて、クロスカントリーのコースに様変わりしています。クラシカルコースと、スケーティングコース、どちらもそれぞれ整備されています。スケーティングのほうは、運河沿いの広くてフラットなエリアがぐるぐる回遊できるコースになっていてみなさんビュンビュン飛ばしています。スキーレンタルは一式400円。時間制限もなく、他の施設と比較してもかなりお得な値段設定だと思います。クラシカル用、スケーティング用それぞれレンタル可能で、途中で板を変更することも可能。公園にある小屋がレンタルスペースと休憩所を兼ねています。また、休憩所には「山ひこ」という、昭和から時が止まっているかのような素敵なレトロカフェがあり、レトロなメニュー(おしるこ、カップラーメン、コーヒー、肉まんなど)が並んでます。施設はスタッフの数も多く、対応も柔軟で、とても使いやすいです。家から車で10分の距離という近さも魅力的。いつも本当にありがとうございます・・・!
では、この開幕の3日間の苦闘を振り返ってみます。
@1月11日(1日目)
1年ぶりということで、妻と子供(6歳)と3人で遊び感覚で行きました。妻と子供はクラシカルスキーのほうを選んでましたが、私はやっぱりスケーティングをやりたかったので、ひとりで孤独にトライすることにしました。1年ぶりのスキー。どんな感覚になるかドキドキでしたが、ええと、一言で言うと、まぁ酷いものでした。体の使い方が全然つかめず、バランスを崩して前にこけたり、後ろにこけたり、体のあちこちを地面に打ちつけてボロボロに。そもそも普段はオフィスワークで椅子に座りっぱなし、土日もまったく運動をしない人間が、いきなりつるつるの雪原で、スキー板の上で全身運動をするわけです。そんなの、うまく体が動くはずもありません。
体を無理に動かし続けたせいか、1時間ほどで筋力も体力を消耗し切って、足にも腕にも力が入らなくなり、汗びっしょりになってヘトヘトになりました。妻と子供が一通り滑って休憩所で休んでるというLINEが来たので、私も一旦引き上げることにしました。一旦、のつもりだったんですが、休憩所に戻ったあたりから天気が悪くなり初め、だんだん吹雪いてくる中で、自分の気力も限界を迎えていることに気づき、そのまま帰宅することにしました。ああ。無念です。
なんの根拠もないですが、正直、もうちょっと滑れるだろうと思っていたので、地味にショックでした。気を取り直してまた明日も行こう、そう思うしかありませんでした。まぁ今日は初日だし、明日ならきっと・・・
@1月12日(2日目)
初日の奮闘の後遺症で体のあちこちに痛みを抱えていましたが、前日の雪辱を果たさずにはいられません。妻は家にいたいという意志を表明してましたが、子供は行きたがったので、二人で行くことにしました。内心、ひとりのほうが練習できるんだけどなーという思いもあったんですが、ひとりで行ったら行ったで、孤独に雪原と格闘して無惨に打ち砕かれる現実とダイレクトに向き合うことになり、それはそれで辛いので、まぁ子供と遊びがてら滑ればいいか、という感覚に逃げていた節があります。
この日は子供もスケーティングの板を借りて一緒にコースに出ましたが、クラシカルの板よりも、スケーティングのほうが滑りますし、カッター(溝)もないので、だいぶ大変そうでした。本当は、私が教えてあげるべきなのですが、なにせ自分も滑れない身なので、何が正解なのかもわからず、なんとなく「ゆっくり体重を乗せてみて」「足を広げすぎないで」など、感覚的で曖昧な指示を出すことくらいしかできません。そうなると当然、全然上達しないので、子供は楽しくなく、すぐ疲れて、イライラするようになります。私が練習してると、子供はひとりで進まないスキーと格闘するだけの謎にイライラするだけの遊戯となり、すぐに「もう帰りたい」なんてことを言い出します。うーん、さすがにコース1周で帰るわけにはいかないので、一旦、自分の練習は忘れて、子供が楽しくスキーで歩けるよう、少しでも滑れるように、あやしながらコースを回ることにしました。
結局、2時間くらい滑って、なんとなく私も少しはバランスを取れるようになった気もしましたが、これだ!という感覚には至らず。相変わらず上半身がグラグラしますし、上り坂も登れず、下り坂も転けますし、モチベーションはなかなか上がってきません。
・・・ここで、颯爽とコースを滑っていく先輩スキーヤー達(おじいさんみたいな年齢の人たちもめちゃめちゃ上手い)を尻目にしながら、私は決意しました。明日はひとりで来よう。そして、家に帰ったら滑り方をちゃんと調べて学ぼう。え?調べてなかったの?と思うかもしれませんが、そうなんです、ずっと滑ってたらなんとなく滑れるようになるかな、という浅はかな思惑でいたんですよね。本当は、前田森林公園で開催しているクロスカントリー初心者講座に参加したかったのですが、気づいた時にはすでに定員オーバーで参加できず、という背景もあり、自分一人の力でぶつかるといういつもの突撃スタイル。ただ、やっぱり正しいやり方があるはずだし、もう無駄に体を動かしてボロボロになるのもしんどい・・・という状態で、ちゃんと準備をしようと。
そして家に帰って意気揚々とネットをいろいろと漁ってみましたが、なかなか初心者向けの情報ってないんですね・・・。上手な人が格好よく滑ってる動画はたくさんありますが、解説動画は意外と少ないです。私のような、ビギナーが自己学習のために活用できそうなコンテンツはないのか・・・と探してたどり着いたのが、この動画でした。
北海道出身で、世界でも活躍しているプロスキーヤーの方の解説動画です。これは「まず歩くところから」というスタートがとても良かったです。私はずっと必死になって滑ろう、滑ろうともがいてましたが、ああ、歩くところからでいいのか、と。これは啓示のように思えました。よし、まずこの通りにやってみようと思い、この動画を何回も見て、解説されていることを全てメモにまとめて、頭の中でイメージを作る努力をしました。そういえば、コースで歩く練習してる人いたなぁ、と思い出しつつ。
ちなみに、この日は転んだ拍子にポールの先を板で踏んでしまって、レンタルのポールを折ってしまうという事態も引き起こし、軽くメンタルブレイクしていました。返却した時にスタッフの方は優しく「だいじょうぶですよ」と言ってくれましたが、本当に申し訳ないです。もうポールを折らないためにも、ちゃんとバランス取って滑れるようにならなくては・・・
さて、三連休最終日、どうなるか?
@1月13日(3日目)
レンタルが開始される朝9時半から単身で乗り込みました。滑り始める前に、休憩所で動画を見直して、自分のメモも見返して、イメージトレーニング。昨日、ポールを折ったこともありとても後ろめたい気持ちでレンタルしましたが、いつもの通り気持ちよく貸してくれました。気温は寒いけど、天気も晴れ。
さて。まず結論から書くと・・・
この日は魔法のような感覚を掴むことができました!㊗️
全ては、あの動画のメソッドのお陰です。備忘録として、私のメモをここに残しておこうと思います。「>」の箇所は、動画内の説明にあったコメントで、「→」の箇所は私が実際に滑りながら学んだことです。誰かの役に立てばいいなぁ。
まず❶について。❶〜❹までやってみて、この❶がもっとも大事なステップだということを痛感しています。それまでの私の問題点として、スキーが横に滑る、前や後ろにバランスを崩して転倒する、といったことが頻発していて、とにかくバタバタした滑りになってましたが、その理由がわかりました。滑ろう、滑ろうという意識ばかりが先行していて、「歩く」動作がすっぽりと抜けていたんです。人間は歩くときに、無意識に重心移動を繰り返しているので、二足歩行で転ばずに歩くことができます(赤ちゃんは重心移動ができないから転ぶ)。「歩く=重心移動ができている」状態を、スキーの上でも保持することで、板に乗れる感覚を掴むことができるわけです。
すいすい滑っている人たちにどんどん追い抜かれながら、この歩く動作をひたすらやってるときは、「本当にこれでいいのか」と疑心暗鬼になったりもしましたが、修行僧のように心を無にしてこれを繰り返しました。君たちだって最初はこんな感じだったんだろう?と思いながら。そして、いつしか気づくと、自然と足に体重が乗るようになって、❷のフェーズに入っていきます。
❷の重要なポイントは、歩く動作のリズムを崩さないことかもしれません。滑り始めるとどうしても「板をもっと滑らそう」といった意識に流されて、足が必要以上に開いてしまったり、足だけが前に行ってしまったりして、バランスを崩します。そのため、あくまで「歩く」というリズムとバランスを崩さず、ただ体重だけをそっと板の真上に乗せる・・・ちなみにこれ、よく考えると、雪道の上を歩くときにいつもやってることなんですよね。重心を雪面に対してまっすぐ落とすことで、雪面を捉えることができ、滑らずに歩けるんですが、その感覚で板を捉えると良いのかも。これを掴めたことで、結果的に、自分が足を逆ハの字で意図的に開きすぎていた(だから横滑りするし、前後にバランスを崩す)ことに気づけました。
❸の段階で、小さな感動がありました。いままでは重心が安定せず、スキー板に置いていかれたり、スキー板を置いていったりしてましたが、板をまっすぐ捉えて、重心をしっかりと乗せ続けることで、スキー板の上に片足で乗り続ける・・・ここで初めて「滑る」感覚を味わうことができました。ただ、こればかりやってると調子に乗りすぎてリズムとバランスが崩れるので、しばらくは、❶→❷→❸→❶・・・という風に、「歩く」動作を体に染み込ませることに時間を使いました。たまに、ポールを使わずに❷を繰り返して、重心移動だけで前に進む練習も挟んでみました。これも有効だったと感じています。
そしていつの間にか、気がつくと、❹の動作をやってました。❸がある程度スムーズにできてスピードが出てくると、両手のポールで地面をトーンとついて、板に乗っかるリズムが心地良くなってくるんですね。そして、それまで足や肩にガチガチに入っていた力が、自然と抜けてることに気づきました。足を軽く上げて、ポールによしかかるようにして体重を板に乗せて・・・あれ?って思いました。全然力を使ってないのに、こんなに進んでいくの?ただ板に乗っかってるだけなのに・・・?
このクイック走法の感覚を掴めたとき、尋常じゃない爽快感と、深い感動を味わいました。相変わらず上り坂は全然登れませんし、下り坂はビビって腰が引けてほぼ確実に転びますが、平地ならもう大丈夫やで!(なぜか関西弁)
ということで、初日は1時間ちょっとでもうヘトヘトになってましたが、最終日は朝9時半から、途中で少し休憩を挟んで、14時頃まで滑ることができました。最後はさすがに3日連続の疲弊感はありましたが、それだけ長く滑ることができるようになったのは、無駄な力を使わなくなったからなんだと思います。
どうしようか悩んでいたんですが、近々、ちゃんとしたウェアを揃えに行こうと思います。実は今は、普通のチノパン、雪かきのときに使う防風ジャケット、コットンの手袋・・・といった、ふざけた装備で滑ってます。チノパンや手袋だと雪がついてすぐビショビショになるし、ジャケットはごわごわしすぎて動きにくいんですよね。それなのになぜウェアを買うことに悩んでいたかというと、そりゃあ、ろくに滑ることもできないのに、一丁前のウェアを着ててももったいないし、格好悪いかなと思ってまして・・・。でも三日目の滑りで少し自信がついたのと、何よりもクロスカントリースキーの楽しさを芯から感じることができたので、ちゃんとしたウェアを揃えてみようと思います。そしてもっと上手くなって、来年はスキー板や靴も揃えるぞー!