高知の八彩帖(ヤイロチョウ)67・べふ峡
約1年ぶりの掲載となる高知あれこれエッセイ「高知の八彩帖(ヤイロチョウ)」。今回のテーマは「べふ峡」です。
さて、今年の秋は相当短かった。半袖で「おおの暑い(土佐弁訳:おお暑い)」と言っていたと思いきや、もう「おおの冷やい(土佐弁訳:おお寒い)」である。ちなみに「おおの」というのは「OH NO」と同じ意味で使われており、古くから土佐弁が英語と交わりがあったことの証拠である(注:大ウソです)。
さて、母と二人。女二人旅と称して、高知県は香美市物部町にある「べふ峡」に行って来た。ここは高知県内でも有数の紅葉スポットである。高知市から車で2時間と遠方だが(徳島県境にあるのだ)、紅葉狩りをしに訪れる人は多い。
お昼ご飯のために近くのフジグランにあるパン屋さんで、パンを購入。コーヒーも用意し、ドライブ出発!
途中「道の駅美良布(びらふ)」に寄る。アンパンマンミュージアムの麓にあり、なかなか面白いものが置いてある。手作りの石けんにカヤの木のアロマスプレー、一口大のきゅうり(どうやって食べるんだろう)や、変わった形のかぼちゃなど。「カツオ人間」の木像まで売っていた(3万円だった)。
さて、来年春からの朝ドラは、かのアンパンマンの原作者、やなせたかし先生の奥さんをモデルにした「あんぱん」である。ドラマに向けて、地元の香美市香北町は盛り上がっている。アンパンマンミュージアムは来春まで改装中。今は閉館しているのでご注意を。
昔はべふ峡なんていうと、一日がかりで行ったものだ。今は道が良くなり、そんなに遠く感じない。ちなみに徳島県境にある「四ツ足トンネル」は心霊スポットとして有名で、「車のボンネットに手形が付いていた」などという話を聞いたことがある。今はもうオバケなんて居なさそうだけど。
山道をくねくね行くと、休業中の「べふ峡温泉」が見えてくる。幸いトイレは使えたのでここで休憩。昔はキャンプ場なんかもあったけど、廃れたのかねぇ?
べふ峡温泉からべふ峡までは目と鼻の先。途中車が渋滞していた。どうやら駐車場待ちらしい。みんなこんな山奥に来るなんてもの好きだねぇ。最近新聞やテレビでべふ峡の紅葉がニュースになったから、娯楽の無い高知県民はこのような所へ押し寄せるのだ。
手元の温度計は9℃。風が冷たくて、鼻水を垂らしながら歩いた。けれども自然の空気は心地良くて、母も喜んでいた。やはり人間山や川が必要なのですよ。特に私ら高知県民は周りに自然しかないから、自然と戯れるのが得意である。どんな秘境でも人がいるという不思議。
無事に紅葉狩りを終え、今ジンジャーシロップのお湯割を飲みながらこれを書いている。これから「高知の八彩帖」、不定期に書いていこうと思うので、どうぞよろしくお願いします♪