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姪っ子たちがやって来た!ヤア!ヤア!ヤア!

 来た。東京から弟家族がやって来た。6歳の「M子(仮名)」と、3歳の「K子(仮名)」を連れて。

 普段70前の母と中年女の私の二人で静かに暮らしている家に、大嵐が来たのである。静寂は破られ、姪二人が足を踏み入れた途端に惨劇が始まった。

 「ばあばー!!」「バアバー!!」M子が叫べば、K子も負けじと声を張り上げる。「おみせやさんごっこしよう!!」「オミセヤサンデスヨー」「あー!K子ちゃんがわたしのおみせとった〜!!おみせどろぼうー!!」「M子チャンガK子ヲイジメルノー」etc…

 なぜ子どもはいちいち最後にびっくりマークをつけて大声をあげるのか?言っておくが、私は元来子ども好きである。大学の専攻も「子ども文化」だった。「おもちゃインストラクター」の資格も持っている。ただ、子育ての経験は無い。

 姪たちは伯母である私のことを「おねえ」「オネエ」と呼ぶ。周りがみんな「お姉」と呼んでいたからだ。どうも彼女らは私のことを自分と同列またはそれ以下だと思っているらしい。

 「けいさつごっこしよう!たいほせよ!!たいほせよ!!」「タイホセヨ!!」とまくしたてながら、私を転がして手を後ろに回し、新聞紙で作った手錠をかける。「ここはけいさつだ。おまえははんにんだ」「ハンニンダ」

 なぜか警察ごっこがだんだん「プリンセスと魔女ごっこ」に変わり、「おまえはわるいかいじゅうだ」「ヤッツケロー」とポカスカ。二人にやられ、たまったものでは無い。

 部屋中におもちゃが散乱し、まっさらのコピー紙は次々に使われ、机にペンの跡が付き、シールが床に貼られ、ダイニングチェアはリビングに引きずられて、ソファは解体される。片付けても片付けても追いつかない。

 食事の時間になったかと思うと、席に着くや好きなものを手づかみで食べ始める。「これ、きらーい」「キライキライ」好きなものしか食べず、食事中も立ち歩いて落ち着かない。かぼちゃスープは、K子が「コノカボチャジュース、スッパクナイオ」と口ひげをつけながら飲んでいたのがおかしかった。

 朝、私が身支度をしていると。「おねえ、なにやってるのー?」「お化粧してるんだよ」「なんでおけしょうするのー?」「綺麗になるためだよ」「えー、きれいじゃなーい。おねえはもとからへん〜」「キレイジャナイヨ」と、周りでわあわあ騒ぐから、眉毛を鼻に書きそうになる始末。

 シートマスクをしたら「おばけだー!!」「オバケー!!」と、お化けごっこが始まる。「かいぶつをたおせー!!」「タオセー!!」落ち着いてセルフケアができないせいか、吹き出物が治らない。

 子どもとは、

・奇声を発する
・騒ぎまくる
・ケンカする
・すねる
・泣く
・すぐ服を脱ぐ
・吐く

↑大体こんな要素で出来ているようだ(白目)

 弟夫婦は遅くに子どもを授かったため、姪たちを大切に大切に育てている。子どもたちが自分で考え、工夫し、想像して答えを見つけるまで、気長に待っている。子育てをするお父さんお母さんには、本当に頭が下がる。

 私の彼こと「珍友D」も、子守と称して公園に連れて行かれ、鬼ごっこの鬼をやらされている。「やーいDちゃん、あっかんべー」「ヤーイヤーイ」と二人の子どもにはやされたのがたたったのか、Dちゃんはその日寝込んだらしい。まことに子育ては大変だ。

 今M子は弟夫婦に見守られながら、宿題をべそをかきかきやっている。K子はソファで寝入ってしまった。ひと時の休息だ。

 それにしても、大切な私の姪。「おねえはせかいいちのぷりんせすだよ!」「オネエダーイスキ!」そんな姪たちの成長が、楽しみでならない。

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