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高知の八彩帖(ヤイロチョウ)44・「百貨店」
かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。
今回のテーマは「百貨店」。全国的にも少なくなりましたね。高知に「西武」があった頃が懐かしいです。こちらは高知大丸がリニューアルした頃に書かれたものです。それではどうぞ。
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高知大丸が今月25日にリニューアルオープンする。なんとタイムリー、先日数年ぶり(!)に大丸を訪れた。…あれ、大丸ってこんな感じだったっけ?
入ってからの第一印象はそれ。どうも百貨店、デパートっぽくない。私の知ってる大丸は、もっとこうキラキラしてたような。今の大丸は、なんだかグッと庶民的な気がする。
全身ユ◯クロの私が全く違和感ないんだが。さすがにDiorのカウンターには寄りにくいけど、前はもっと敷居が高かったでねぇ⁉︎
昔、と言っても私が高校生くらいの頃だから、25年くらい前のこと。まだイオンは無く、お街に大丸と西武ふたつの百貨店があった時のお話。
学校帰りに西武にあった無印良品でお菓子を買うのが楽しみだった。「ムジラー」と言って、何でも無印で揃える人が現れたのもこの頃だったかな。
お菓子の話になるけれど、大丸の地下食品街にあった「回るお菓子売り場」、あれは子どもの頃ものすごく憧れた。多分現代っ子は知らないでしょうね。
大人になったら思う存分買うんだと夢見ていたけれど、いざ大人になると回るお菓子より特売の洗剤なんかの方がよっぽど魅力的だ。なんか夢のない人間になっちまったなぁ。
参観日の帰りは、母と大丸のレストラン街に行くのが恒例だった。制服姿で百貨店のレストランに入るなんて、普段は出来ないこと。大人の仲間入りをしたような気がして、少しこうべりながら食事をした。
ちなみにいつも食べるのはうどんセットとかだった気がする。こうべる場所を間違えているぞ。
そういえば、遠い親戚に芦屋の大丸でポーターをしていた人がいるらしい。荷物を運ぶだけという職業が実在するんですね。
一体どんなお金持ちを相手にしてるんだろ。外商が来るのは当然か?我が家なんて来るのは押し売りくらいなんだが。世界が違う人のことを想像するのは難しいもんだ。
百貨店にはやっぱり、普段とは違う特別感を醸し出していて欲しい。新しくなる大丸に期待して。