見出し画像

高知の八彩帖(ヤイロチョウ)48・「土佐茶」

 かつてとある会社のサイトに連載していたショートエッセイです。高知のあれこれを書いています。

 今回のテーマは「土佐茶」。実は高知は密かなお茶の産地でもあります。有名なのは野草茶。その辺りの草(!?)をお茶にして売られています。私も好きでよく飲みます。そんなお話をどうぞ。

 高知県は知る人ぞ知るお茶の名産地である。有名なのは仁淀川町とか津野町とか。「満天の星大福」なんて、時々無性に食べたくなりますね。日本茶だけではなく、野草茶の種類も豊富なのが嬉しい。

 メジャーなのは、ハブ茶にキシ豆茶かな。あの香ばしさがたまらんのよ♡弟はキシ豆茶を飲んでしみじみと「おばあさん家の芝生を思い出す」なんて呟いておった。香りと記憶は密接に結び付いているのだと実感した一コマ。

 アラフォー過ぎると自分の健康が気になりだすのは、世の中の常なんかね?このワタシも身体のアチコチにガタが来始め、こりゃいかんと思うようになった。

 そこで目をつけたのが、野草茶。ふと覗いた産直市でお茶の袋が山積みになっているのを見て、ひらめいた。お茶は毎日必ず飲むものだ。自然に恵まれた高知県、野草茶も豊かにあるではないか。

 しかも百円玉2個とほんのちょっとで手に入る。とてもリーズナブルでコストパフォーマンスも良い。なにしろ、地元のお婆(だと思う)が丹精込めてせっせと作ったお茶だ。お婆のパワーも入ってそうではないか。

 こうして買ったのが、クワ葉・ビワ葉・ヒトツイモ・イタドリ・ドクダミ・ヨモギの6種類。箱いっぱい買ったけど、たったの1400円也。

 ネットで調べると、高血圧に糖尿病、便秘などに効果があるそうな。香りをかいだだけでも、いかにも効きそうである。こりゃ楽しみですね♪

 ところでペットボトルが一般的になる前のこと。汽車(注:JRです)に乗ってお弁当を買った時に付いてくるお茶の容器、覚えてる人いますかね?

 柔らかいプラスチックの容器に針金みたいな取手がついた、駅でしか買えないお茶。おそらく覚えているのは私たち世代が最後だと思う。お茶を買うという行為自体、一般的では無かったような。

 昭和生まれのワタシはいまだにペットボトルのお茶を買うのに勇気がいるぞ。高知のお婆が作る野草茶を嗜む世代も、私たちが最後になるんだろうか?心に誓う、土佐茶の灯は消さんぞ!

いいなと思ったら応援しよう!