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フィナージュ平原

 フィナージュ街中心部にある冒険者ギルド。
 ギルドに登録した人は冒険者という扱いとなり、依頼を受諾できるようになる。冒険者ギルドの掲示板は常に大量の依頼で埋め尽くされており、もちろん冒険者たちで賑わっている。私も例に漏れず、掲示板の一端を眺めては依頼を見定めていたところだ。
 簡単な依頼の代表格は『民家の雑草抜き』だ。ギルドに依頼することではないと思われるが、日中仕事に明け暮れる家主にとって家周辺の掃除はやはり面倒なようでよく掲載されている。しかし、報酬は安い。20マルク。安宿に泊まるにはこの依頼を5件こなさなければいけない。
 割の良い依頼といえばモンスター討伐。腕に自信ありなら受けても損はない。フィナージュ街は城壁で囲まれてるためモンスターが侵入することは稀だが、外はやはり未開の地だ。人の往来の多い道ですら、よく商隊がモンスターに襲われている。多くの冒険者がモンスター討伐に出向いているが安全に旅をするには心細い。

 1枚の依頼書に目が留まった。『フィナージュ街周辺のモンスター掃討』だ。討伐数は10。証拠としてモンスターの体の一部を剥ぎ取ることを達成条件としている。報酬は200マルクと悪くない。私はさっそくフィナージュ街東門から出てフィナージュ平原へ向かった。
 フィナージュ平原は膝が隠れる程の草地がどこまでも続く。ここを開墾して田畑でも作ればと誰もが思うのだが、少し離れた森からおびただしい数のモンスターが現れるのが珠に傷だ。ちょうどこの草の背丈に隠れるようなモンスターが押し寄せる……おっと、噂していたら現れたようだ。
 赤いトサカをもつ鶏「コケケ」と、猪突猛進に走り回る小型犬「ガウガウ」だ。冒険者から見ればどうってことないが、食べ物が入った袋に群がるコケケは商隊にとって厄介だった。
 私はロングソードを構え、順次襲いかかるモンスターと対峙した。

【 Battle Start 】
冒険者 前衛 HP120/120
コケケ 前衛 HP12/12
ガウガウ 前衛 HP14/14
【 Turn1 】
◆冒険者の薙ぎ払い!
→コケケ!17ダメージ!倒れた!
→ガウガウ!12ダメージ!
◆ガウガウの突進!
→冒険者!8ダメージ!
【 Turn2 】
◆冒険者の唐竹割り!
→ガウガウ!19ダメージ!倒れた!
【 Win !! 】
トサカを手に入れた。
鶏肉を手に入れた。
犬肉を手に入れた。

 私は特に苦労することもなく、向かってくるモンスターをバッサバッサと退治した。とっくに討伐数は10を超えていたが終わりのないモンスターの群れに辟易し始めると、そのとき。後続の討伐隊が私に加勢し、森へと向かって討伐しながら歩みを進めて行った。
 静かになった平原に一人残された私はモンスター討伐証明の剥ぎ取りを行う。今夜は鶏料理かな? 宿の女将さんに作ってもらうか。そんな幻想を抱いて平原を後にした。

続く?