宇宙人日記16日目

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これは、なぜか地球に生まれてきてしまった宇宙人・ぴーちゃんが綴る、日々の地球観察日記。
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この間、ぴーちゃんの「宇宙人日記」を読んだというひとから、「泣いてしまった」と伝えられた。

ぴーちゃんは宇宙人なので、意味がよくわからなくて、「え？なんで？」と思ってしまった。
でもぴーちゃんは地球に住んで長いので、「！」と「読んでくれてありがとうございます」を付け足し、「えー！読んでくれてありがとうございます。なんでー？」と答えた。

するとそのひとは、「自分以外にも、宇宙人がいるとは思わなくて」と言った。

ぴーちゃんは目を丸くして、言葉を失った。

「私もそうなんです」とそのひとは言葉を続ける。「きっと私たちは、違う星から来たんだけど、2人とも宇宙人なんだと思う」とそのひとは言った。

ぴーちゃんは……

嬉しいのやら、戸惑うのやらで、上手く答えられなかった。
地球に住んで長いけれど、こんなことを言われたのは初めてだ。
宇宙人に突然そんなことを言わないでほしい。ついうっかり宇宙語を話しそうになってしまうから。

ぴーちゃんは……

「あっ」とか「うっ」とか意味のない音をいくらか発しつつ、どうにかこうにか、よくわからない定型文のような地球語をなんとか発した、と思う。
いかんせん驚いたので、あんまり記憶がないのだ。
宇宙人は、驚きに弱い。

あのとき、もっとちゃんと答えられていたらよかったなぁ。
そう思いつつ、ぴーちゃんはタバコなんかをふかす。
地球には案外、宇宙人がうようよいるのかもしれないな。