本能寺の変の背景:明智光秀はなぜ織田信長を裏切ったのか?
Youtubeチャンネル公開動画のナレ原第3弾です。
鑑定時期は2022年11月くらいだけど、表題をご覧の通り時期はどうでもいいテーマです。
今回も動画用構成にカード展開画像無しの不親切仕様でお送りします。
タロット自体に興味のない方は、目次の★印の項だけ読んでいただければ内容は掴めるかと思います。
【鑑定方法】
・基本的にスプレッド(配置の決まった展開法)は使用しない。
・カードの正位置、逆位置は無視する。
・カードの属するエレメント(風・地・火・水)からカード同士の相性を読み、好悪を判断する。
・時制、つまり過去・現在・未来の配置もあまり意識しない。
・必要なら追加カードを展開する。
【注意書き】
この占断はあくまでもタロットカードから読み取れるストーリーであり、物証と裏付けのあるものではありません。そのつもりでお読みください。
【前置き】
今回は日本の歴史上の大事件、本能寺の変を起こした明智光秀について占いたいと思います。
彼はなぜ主である織田信長を裏切ったのでしょうか。
織田信長の部下の中でもトップクラスの功績を挙げていた明智光秀が、なぜ信長を裏切ったのか、これは今もって日本史最大のミステリーの一つとされています。
裏切りの理由として、信長からの扱いが悪く不満が爆発した怨恨説、朝廷黒幕説、豊臣秀吉黒幕説、最近では四国の長宗我部討伐阻止説など、さまざまな議論がされていますが、タロットで占ってみたら一体どんな背景が見えてくるのか、興味が湧いたので占断のテーマに選んでみました。
カード展開①『ペンタクルのキング』 『カップ2』 『力』
『ペンタクルのキング/エレメント:地』
(どっしり落ち着いていて安心感がある/経済力があり投資上手/優しさと包容力/伝統を重んじていて保守的)
キングのカードにはリーダー的な意味合いがあり、ペンタクルのキングの場合、具体的には安定した企業の経営者や一家の大黒柱を表します。
今回は、織田家を守りしっかり家臣たちを引っ張っていく頼もしい棟梁、という解釈になりますね。明智光秀には織田信長の姿がそのように見えていました。
時に斬新すぎる行動で周囲に衝撃を与えながら、時代を先駆けて突き進む、というのが一般的な織田信長のイメージではないかと思いますが、どうやらそれとは雰囲気が違っています。
光秀にとっては信長は安心してついていける主だったようです。
『カップの2/エレメント:水』
(1対1のコミュニケーション/付き合い始めは順調/お互いを思い遣っている良い関係 ネガティブには 喧嘩/絶交/誤解)
ある場所で人間関係が上手くいっているか、というよりも、1対1のコミュニケーションについてがわかるものと考えてください。
カップのエレメントは水で、1枚目のペンタクルのキングの地のエレメントとは相性が良いので、光秀は信長と非常に良好な関係を築くことができていたようです。
しかしその関係にやがて暗雲が立ち込めてくることが、次のカードでわかります。
『力/エレメント:火』
(本来は 意志や信念を貫く/挑戦し続ける忍耐力/己の弱さを受け入れる といった精神的な力を意味する。
今回は 逃避/途中放棄/妥協 というネガティブ解釈になる)
力のカードは腕力的な強さではなく、意志や信念を貫ける強さ、あるいは自分の弱さを受け入れた上で立ち向かう強さを意味します。
エレメントは火で、真ん中のカップの2の水とは相性が悪いため、今回の場合は、この強さが発揮できなかったと読むことになります。
光秀は、信長の下で働くうちに、何らかの理由で信長についていくことができない心境、精神状態になったようです。
つまり本能寺の変は、元々は明智光秀の野心から起こした謀反ではなく、信長に失望したかその方向性に共感できなくなった結果が、謀反という行動になったということです。
★3枚のざっくり解釈 『ペンタクルのキング』 『カップ2』 『力』
織田信長の家臣となった明智光秀には、信長への信頼感から生まれる強い忠誠心があり、とても良い関係を築いていました。
しかし何かのきっかけがあって、信長を慕い続けることができなくなったようです。
そして忠誠心も自分の立場も放り出し、主である信長に敵対する行動を起こすことになります。
今回の配置では、野望を抱き信念を持って謀反を起こしたという雰囲気ではなく、逃避や妥協の結果踏み出した道だったと読み取れるので、明智光秀本人としても下剋上がベストな選択だと思っていたわけではなかったのかもしれません。
カード展開② 追加カード
★『ペンタクルのキング』の追加カード:『ワンド4/エレメント:火』
(計画の成就/調和と繁栄/安らげる場所
最終的な安住の地に着いた、大団円、というほどではないものの、上手くいっていて幸福感に包まれている感じ)
明智光秀にとっては、織田信長の下は一種安住の地だったようです。
ワンドの4は安らげる場所を得た幸福感を表します。
最終的な目的を叶えたハッピーエンド、というものとは違いますが、生きていく中で掴んだ幸福や成果があることを教えてくれるカードです。
おそらく信長の家臣となるまでにさまざまな苦労を経験していて、それを経て辿り着いた場所に光秀は安らぎと愛着を覚えていました。
★『カップ2』の追加カード①:『カップ3/エレメント:水』
(自分と相手だけでなく、周りも含めた良い関係/チームワークが良い/和気藹々)
カップの2は1対1の付き合いを意味しますが、カップの3はそこから一歩進んで複数人の人間関係を象徴するカードです。
信長の下に集まった家臣たちとも良い関係を築き、チームとしてよく機能していたようです。
家臣同士ライバル意識を抱いてギスギスしていたような雰囲気は見えません。
少なくとも光秀はそうした空気を感じてはいなかったようです。
★『カップ2』の追加カード②:『法王/エレメント:地』
(伝統や慣例を大切にする/精神的な助言/新たな哲学の吸収
指導者的な性格と、保守的・伝統的な性格を持つカード)
法王は精神的な部分での助言を与え導く性格をもったカードです。
明智光秀が信長の下にいる時に出会った人物の中に、光秀に精神的な助言をしたり、新たな視点を与えるような話を説く人物がいたようです。
光秀が謀反を起こす決断をした理由には、この人物が関わっていると見て良いでしょう。
といってもカードの配置や相性から見ると、光秀がこの人物に信長への批判を吹き込まれたとか唆されたとかいうことではなさそうです。
★『力』の追加カード①:『ソード10/エレメント:風』
(破滅/決定的な敗北/計画の失敗/強制的な終わり/意に沿わない変化)
ソードの10は、私の個人的な考えではタロットカードの中で最悪のカードです。
どう頑張っても打破できない失敗や破滅、そしてそれに大きなダメージを受けることを表していて、状況によっては人の死を示しているケースもあります。
ここでは、信長から気持ちが離れた光秀が謀反から破滅へと向かうこと、そして信長が本能寺で敗北し最期を迎えることを暗示していると考えられるのですが、実はもう一つ、別の人物の破滅も読み取れます。
ソードのエレメントは風で、下に重なる力のカードは火のエレメント。
風と火は相性良好とされるのですが、それは、風が火を煽って大きくするためです。
これを考慮して改めて解釈すると、「ソードの10が誰かの破滅=死?を示唆していて、そのできごとが明智光秀の信長への謀反心を煽った(生んだ)」と読むことができるのです。
それでは一体誰が死んでしまったのか?
今回キーマンとなっているのは、先ほど解説した法王のカードです。
恐らく光秀に助言し精神的に導いていた人物が、斃れてしまったのではないでしょうか。
つまり、『法王』の死には織田信長が関わっていて、法王と親交の深かった明智光秀はこの件で信長を慕う気持ちを失い、謀反心を抱いた。
これがおそらく本能寺の変が起きるまでの背景なのだと思われます。
★『力』の追加カード①:『月/エレメント:水』
(不安や恐怖心に支配され立ち止まる/変化を予期できない/希望を信じきれない/不誠実な嘘/嘘の犠牲になる/自分に嘘を吐く)
月のカードには、『法王』を失い、信長を信頼してついていくこともできなくなって寄る辺を無くした光秀の不安感が表れています。
本能寺でことを起こすまで、当然ながら明智光秀も悩んだのでしょう。
信長への信頼感が薄れながらそれでも織田家で立場がある自分に、どうにか折り合いをつけようともしたかもしれません。
信長を信頼できなくなった光秀は、織田家の中で自分の内心を見抜かれることを警戒し、恐怖と不安を抱えていたはずです。
一心に仕えていたころには無視できていた信長に関する悪い話も耳に入るようになり、信長の言動や内心に関して虚実の判断もつかなくなっていったのではないでしょうか。
そうして最後には忠誠心を捨て去り、信長を騙し討ちする形で下剋上を起こすことになったのです。
カード展開③ 追加カードおかわり
さらに最終的な結論として、2枚を展開してみます。
★『ペンタクル10/エレメント:地』
(家族の繁栄/一段上へのステップアップ/大企業や官公庁/【伝統が始まる/遺産を得る)
ペンタクルの10 は、家族や企業などの繁栄や伝統的な繋がりを象徴します。
意外ですが、明智光秀の中には織田信長の遺志を継ぐ意識があり、織田家という組織への帰属意識も失われていなかったと読み取れます。
元々野望があったわけでもないのに、ただ信長の下を去るのではなく謀反を選んだのはなぜか?それは『法王』の仇をとるためではなく、歪んでいるようですが、信長の遺志を叶えたい想いと織田家への帰属意識が理由だったのかもしれません。
★『ワンド3/エレメント:火』
(成長/良いチームワーク/行動の成果が出るとき/まだまだこれからの発展がある)
ワンド3は目標に向けて道半ば、結果を少しずつ出しながら最終的な目的を達成していこう、というカードです。
こちらにも、光秀が信長の遺志を継いで天下統一を志そうとしていることが表れているのですが、もう一つ別の解釈もできます。
追加カードの1枚目、ペンタクルのキングに重ねて出たワンド4を覚えているでしょうか?
織田家という場所が、さまざまな苦労を経て辿り着いた光秀にとっての安住の地であることを示すカードでした。
ここで出ているのは、そのワンド4から一つ後退したワンド3です。
光秀は君主である信長も織田の家臣も裏切り、安住の地を自らの手で壊してしまいました。
しかしそれでもなお、信長の天下を信じ他の家臣たちと邁進していたあの頃が懐かしく大切で、仲間を裏切った後も取り戻したいと思っていたのではないでしょうか?
「裏切った」という事実からだけでは推し量ることのできない、明智光秀の複雑な想いが、このカードには表れているように感じられます。
占断ここまで。
★本能寺の変の背景まとめ
明智光秀は、織田信長を主として心から信頼して家臣としての役目を果たしていました。
信長の下で他の家臣とともに働く日々は、本当に充実していたようです。
しかし光秀が慕う他の人物が、恐らく信長のせいで死んだか失脚したかしてしまい、それをきっかけに信長への信頼を抱き続けることができなくなります。
それからは悩みながらも、信長への謀反心を徐々に育てるようになっていきました。
最終的に本能寺の変を起こし、信長を裏切った光秀。
ですが実は今回の展開では、光秀の怒りを表すようなカードがほぼ出ていません。
このことから、信長のせいで死んでしまった人物の仇を取るため、というのが謀反の直接的な動機ではなかったと考えられます。
心から信頼していた主を信じられなくなった悲しみや、自分の立場への不安感をどうにかしようとしてやむなく至った結論だった、というのがカードからできる解釈です。
大切にしていたものを自分の手で壊してしまった光秀ですが、不思議と天下を望んだ信長の遺志を継ぎたいという想い、織田家家臣としての帰属意識は持ち続けていたようです。
裏切り者となってもなお、敬愛する主の下で天下のために邁進した日々の喜びは、忘れられなかったのかもしれません。
以上、タロットカードから読み取れる、物証と裏付けのないストーリーでした。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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