猫から学ぶ「承認欲求」
お悩み:SNSで友達と自分のフォロワー数やいいねの数を比べてしまい、時々落ち込みます。
わかるわ~!わかる!
※ちょっと長くなるので、猫の部分だけ読みたい人は下の方にスクロールしてもらって、かわいい猫様が出てきたところからお読みください(下僕より)
私だってこうしてnoteで発信していますが、やっぱり「スキ💛」をいただけるとめちゃくちゃ嬉しいです。
逆に、「スキ💛」がないと「つまんないのかな?」とか「誰も見てないのか…」とちょっと気落ちすることもあります。なので、とてもこの気持ちはわかります。
でも、Instagramで愛すべきにゃんこたちの写真もアップしていますが、そっちの方ではいいねの数はあまり気になりません。
フォロワーが何人いるのかも、自分が何人フォローしているのかも把握していません。
なぜでしょう。
なぜブログやFacebookはイイネの数が気になるのに、インスタは気にならないのか。
イイネが欲しいのは承認欲求によるもの
「イイネが欲しい!」「フォロワーが欲しい!」という気持ちのことを、承認欲求といいます。
承認欲求は「他人に認めてもらいたい」「自分を価値ある存在として認めたい」という気持ちのことです。
このごろは「あの人は承認欲求のカタマリだよね」というようにネガティブな意味として使われることも多いため、承認欲求という言葉自体は聞いたことのある方もいると思います。
承認欲求には次のように二つに分けられる
1、周りの人からの尊敬や評価を求めること…他者承認欲求
2、自分で能力を上げようとしたり、自分を大切に思ったりすること…自己承認欲求
今回の☝のような悩みの場合、SNSのフォロワー数やいいねの数というのは、具体的な数字として世の中に公開されるもの。
周りの人から「あの人はいいねの数が多い」とか「フォロワーさんがたくさんいる」などと評価の基準となっているのが現状ですよね。
つまり、フォロワーさんが多いほど人気者であり、いいねの数が多いほど他人から注目されているという認識を持つ人が多いのです。
他者承認欲求とは
☝のような、周りからの尊敬や評価を得ようとする気持ちのことを、他者承認欲求といいます。
他者承認欲求が強い人は、自分の価値が付き合う人間関係によって大きく左右されてしまいます。ですが、自分より成績の悪い子と比較をして「私は賢い」と安心したり、自分よりスリムな子と比較をして「私はデブだ」と不安になったりすることは、ちょっと考えたらあまり意味のないことだとわかりますよね。
常に周りに基準を置くと、安心したいがために他人の悪いところを見つけようとします。そればかりか他人の良いところを見つけられなくなり、いつも誰かのあら探しをしていないと自分を保てなくなってしまうのです。
自己承認欲求とは
一方で、自己承認欲求というのは、自分で自分を大切に思うことです。
例えばSNSを使っていても、いいねの数やフォロワーの数を気にせずに、自分の好きな写真を投稿したり、思ったことをつぶやいたりするのがこれに当てはまります。
SNSでフォロワーが一万人以上いる人のことを、インフルエンサーと呼びますよね。
他者承認欲求の中で生きている人にとっては、「あのインフルエンサーはフォロワーが一万人もいる。だから人気者だ」という認識になりますが、自己承認欲求の中で生きている人にとっては、「あのインフルエンサーはファッションや考え方が素晴らしい。だからフォロワーが一万人もいるんだ」という認識になります。
さてみなさんは、この違いがわかりますか?
前者は、フォロワー数がその人の価値を左右していると発言しているのに対して、後者は、その人の価値がフォロワー数を左右していると発言しているのです。
フォロワーが多いからインフルエンサーに価値があるのか。それともインフルエンサー本人に価値があるからフォロワーが多いのか。
なんだか言葉遊びみたいになってきましたが、どちらを基準にしているかでが、実はとても大切なのです。
猫には承認欲求が「ある」or「ない」
猫は、他の猫と自分とを比べて落ち込んだり悩んだりしません。
「あの猫はしっぽが長くてまっすぐだ…。うらやましいなぁ。それに比べてボクのしっぽは短くて曲がっている…。かっこ悪いなぁ」
こんなこと、猫様は微塵も思わないよね!
そもそも、猫界において、長いしっぽと短いしっぽのどちらが優れているかなんて、優劣は存在しません。
まっすぐなしっぽも、曲がっているしっぽも、どちらもただの「しっぽ」なのですから。
実は猫界にもキャットショーというコンクールがあります。
色柄の出方や、毛並み、もちろんしっぽなど、あらゆる角度から猫に評価を付けて、猫のチャンピオンを決めるものです。
「だったら猫界にも優劣は存在するんじゃないか!」とがっかりするのはちょっと待って!
このコンクールで猫に評価を付けるのは、あくまでも我々人間であって、当の猫たちは「絶対にチャンピオンになるぞ!」とメラメラしているわけではありませんよね。
やっぱり猫は、自分の色や柄、体格や毛並み、あらゆる面で「他の猫と自分を比べる」なんてことはしないのです。
ということは、先の質問「猫は承認欲求を持っているでしょうか?」の答えは「ノー」になる……、と思いきや、実は「イエス」なんです。
猫様が持つ承認欲求とは
猫は、他の猫と自分を比べることはしませんが、過去の自分と今の自分を比べています。
産まれて1ヶ月もしないヨチヨチ歩きの猫がソファに飛び乗ろうとして、全然ジャンプ力が足らなくて失敗する…、なんて動画を見たことはありませんか?
ほほえましくて、ついついクスッと笑ってしまいますね。
さて猫はジャンプして高いところに乗りたがる生き物ですが、どんな高さにも手あたり次第ジャンプしているでしょうか?
いいえ。猫は自分の脚力で届くだけの高さをちゃんと知っています。
ヨチヨチ歩きのころから、わずか数センチの段差を乗り越え、階段を一段乗り越え、椅子に乗り、テーブルに乗り、キッチンカウンターに乗り…(あ、そこは人間のお食事を置くところだからやめて~!)と、徐々に自分のジャンプ力を試しています。
いきなり一階から二階のベランダにジャンプなんてしませんよね。
なぜって、自分の能力の限界を知っているから。
どうやって? そう、過去の自分と比較して。
猫の持つ承認欲求、それは他者承認欲求ではなく、自己承認欲求なのです。
比べるのはいつも「過去の自分」だけ。
高い塀に飛び乗れないからといって、子猫は「ボクはダメな猫なんだ…」なんて悩みません。
「どうして高い塀に飛び乗れるのかな?ボクもチャレンジしてみよう!あれれ、届かない…。なんでだろう。あの猫に出来るんだから、ボクにも出来るはずだ!」
―――なんて思うかどうかは猫に聞いてみないとわかりませんが、少なくとも誇り高き猫様は、他人ならぬ他猫と自分を比べるなんて無意味なことはしないのです。
猫は猫のままで、十分に愛くるしくて尊い存在なのです。
自分がカッコ良いと思ったものを、誰かほかの人が「これダサイよ」と言ってきたところで「それでも好きだよ」と心から思えたら気持ちが楽になれる。
何かがすごく流行っていても、自分が好きじゃないと思ったのならそれでい。
無理に周りに合わせなくてもいいんです。
トラ模様だって白黒だって、かわいい猫には変わりない。
たとえ鼻の横に黒いほくろみたいな模様がドーンとあったって、それで猫の価値は変わることはないでしょう?
他人と自分を比べることは、それぐらい無意味なことなんですよ。
あなたはあなたのままで、十分に素晴らしいのです。
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