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写真がつなぐもの

 私(@neko_ptx)は今年7月にPENTAXの一眼レフを手にして以来、写真撮影を趣味にしているが、元々は写真を撮る習慣がなかった。進学を期に実家を出て以降、時々母から写真を撮って送れと催促され、渋々スマートフォンで写真を撮影して送る程度であった。写真に対し、母、父、姉、時には祖母からコメントがつき、それに私が返信していた。

大学に入学したころに撮った、野原に咲くムラサキツメクサ。一人暮らしを始めたころは、こんな写真を撮って送っていた


 母が私に写真を送るように促した理由は「生存確認」のためであった。大学に入り、一人関東で生活を始めた息子は元気にしているのか。電話も手紙もよこさず、メールやLINEの返信もボチボチという親不孝者のことを気にかけてくれていたのだ。後ほど母に聞いたところ、放っておけば糸の切れた凧のようにフラフラ飛んでいってしまうのではないかと心配だったという。大変反省している。

大学を卒業する頃に撮った雪と紅葉。友達と撮った写真が無い。そもそも友達がいなかったのではないかって?ハハッ

 やがて、結婚して関西に行った姉に娘が生まれ、日々の写真をクラウドストレージにアップロードし、私や実家と共有してくれるようになった。遠い地から、姪の日々の成長を写真で見ることができるのは、案外嬉しいものだった。私も時々コメントを入れた。

姪の写真の代わりに、昔実家で飼っていたジャンガリアンハムスターの写真を載せておく。この子はよく噛むので軍手が必須だった

 私も家庭を持ち、猫を飼い、そして今年息子が生まれた。一眼レフにドはまりした私は、毎日写真を撮り姉に習って写真を共有している。そして、実家や姉夫婦とコメントをやり取りしながら、遠い地にいる家族の暮らしを想っている。

息子の写真の代わりに、飼い猫の写真を載せておく。実家からは、猫の写真ばかり撮っていないで孫の写真を撮れ!とよく言われている

 新型コロナウイルスが流行して以来、様々な理由から実家に帰省することができておらず、姉とも会えていない。もう丸三年顔を合わせていないことになるだろうか。それでも、家族をどこか身近に感じ続けている。きっと、写真を通じて交流が続いていることが、絆を繋ぎ止める一助になっているのだと思う。

 そういえば、私たち家族の中でもっとも長く写真撮影を続けているのは父である。彼はNikonの一眼レフを手に、高山植物の写真を撮り続けている。ずいぶん昔に写真を見せてもらったことがあるのだが、可憐なカタクリの花を画面いっぱいに美しくとらえた画に息をのんだ覚えがある。明日、大晦日に久々に全員でWeb会議をするので、山や実家の写真を共有してくれるように頼んでみようか。父や母の普段の姿を知り、もっと話をしたいと、今はそう思っている。