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嘘付き。うそつき。ウソツキ。


今 考えたらありえない男だった。

友達にはこう言われた。



「趣味悪」

「どこがいいの?」

「B専?笑」

でも 高校生のわたしには、この人しかいなかった。


高1の頃 とにかくクラスに馴染めなかった

アニオタグループ

目立つギャルグループ

全国大会目指してる女子バスケグループ


女子はこの3つにグループが分かれてた。

どこにも、属せない。

目立つギャルグループに入って、放課後に遊びに行ったこともある。

その子たちは校則違反のスカート
ラルフのカーディガン・茶髪にギャルメイクでファミレスで大きな声で騒ぐ。


スタンダード女子高生を装う、隠キャな私。


うう、馴染めない…

バスケ部の子達は、同じ目標に向かってるから、バスケや先輩の話ばかりしてて…

アニオタの子達は、アニメの男に恋してるし…

休み時間はひとり、廊下でふらふらしてた。


廊下でよく喋ってる2人の女の子と仲良くなった。

2人はナチュラル女子高生。
そこそこ話も合った。


でも癖があった。

3人でいるときは仲良くしてても、2人になると1人の陰口を言う。 

クラスの子の悪口も言う。

でも、会えばニコニコして妙に仲良くする。

THE女って感じ。

わたしは小・中学校には半分くらいしか行けてないから、高校でも人との距離感がわからないままだった。

下手なこと言ったら、わたしも陰口言われる。わかってたのはそれだけ。

愛想笑いして、合わせて、ご機嫌取りして、その場をやり過ごしてた。



学校で1人でいるのは怖い。



でも本当は…



そんな嘘つきな友達も
自分に嘘ついている自分も
心底気持ち悪くて、大嫌いだった。


そんな中で「究極に嘘つかない人」に出会った。



「え?嘘つかないよ。
俺。全部言ってる。
めんどくさいから。」


衝撃だった。

わたしのこと、どーでもよかったから嘘つく必要がなかっただけ。

それでも会いに来るアホな女子高生を、キープしたかっただけ。

大切になんかされてない。

わかってたけど わからないフリをしてた。



その時のわたしは

ぜんぶ正直に言ってくれる方が心地よかった

たとえ泣くことがあっても

嘘の方が悲しくて

弱い部分を無理にでも埋めてくれる人がよかった。

今はもう泣くのも 傷付けるのもいやだ。


大人になって嘘にも種類があるって学んだし

優しい嘘を突き通した方がいい時もあるし

嘘に気づいても知らないフリをする方が  お互いのためになることもあるの

知ってるから



ただ あったかいのがいい

お互い思いやりもって

弱さを見せても

寄り添える関係がいいな


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