『神様』
男はビルの屋上のへりに立っていた。
もう死のう。
男は長年付き合っていた彼女に振られ、
先ほど会社からもクビを言い渡されたところだった。
その時、ふと空に光が現れ,神様がおりてきた。
「お前の願いを一つかなえてやろう」
男は驚きながらも考えた。
「ありがたい、前よりももっと美人の彼女をもらうか、
全く、あの女ときたら私と仕事どっちかを選べなんて
無茶なことを言いやがって。」
「では、その願いを。。。」
「いやいや、ちょっと待ってくれ、バカだった。
俺をクビにしたあの上司をひどい目に合わせてやるのもありだな。
俺に難しい判断ばかりさせようとしやがって。」
しんぼう強く聞いていた神様もあまりの優柔不断さに
イライラし始めた。
「お前に必要な願いは分かった。ほれ、これでどうじゃ?」
ぶつぶつと考えていた男は、ふと顔を上げ
「ありがとうございます。頭の中のもやもやが全て消えて、
晴れ渡ったようです‼」
そう言うと、男は一歩を踏み出した。