『時間を止める能力』
ある日、男は自分が時間を止める能力を手に入れたことを知った。
最初は驚きと戸惑いでいっぱいだったが、
やがてその力を使いこなす方法を探し始めた。
最初の頃は、時間を止めて友達のいたずらをするなど、ちょっとした悪戯に興じることが多かったが、やがて彼はその能力をより大きな目的に活用することを考えた。
彼は夜な夜な街を巡り、危険な状況にある人々を救い、
犯罪者を逮捕する活動を始めた。
しかし、時間を止めることで得られる利便性と力に夢中になっていく
うちに、男は少しずつ自分の時間の進みが遅くなっていることに気付いた。
他人の時間を止めることで得られる恩恵と引き換えに、
彼自身の時間は進まなくなっていったのです。
次第に男は、自分がいかに孤独であるかに気付いた。
友人や家族との交流がなくなり、時間が止まることで人々との絆が希薄になっていった。
彼は街の公園で演奏するストリートミュージシャンになりました。
時間が止まっている間に美しい音楽を奏でます。
通行人たちは彼の演奏に知らず知らずのうちに魅了され、
心の中に希望と幸せを感じるのです。
男は、止まった時間の中で今日も音楽を奏で続けています。