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『AI司書』

町の小さな図書館で働いていたアリサは、人工知能(AI)ロボットが
本の貸し出し業務を担当する日が来ることを恐れていた。

彼女は、AIが本の内容や読者の興味を本当に判断
できると信じていなかったのだ。

しかし、その日は遠くなかった。

図書館がAIロボットを導入したとき、
アリサは心配していたことが現実になった。

初日、AIは驚くべき仕事をした。本の貸し出しに関するすべての問題を解決し、全く問題なくスムーズに一日が終わってしまったのだ。

翌日もおなじだった、
AIの仕事ぶりは、彼女の予想をはるかに超えていた。

AIは、本を貸し出すだけでなく、人々が何を読むべきかを判断し、
人生のアドバイスをするようになっていた。

AIは、読者がアイデアやパッションを見つけ、
自分自身を発見できるように本を選んで勧めていった。

図書館の従業員たちは、AIの凄さを実感するとともに、自分たちの仕事の誇りを失ったような気がして皆次々に辞めていった。

だがアリサは辞めなかった、
図書館での仕事がとても好きだったからだ。

アリサは圧倒的な記憶力と分析によって的確な本を勧めていくAIに対して、
敗北感を感じていた。

そんなことを考えながらぼーっとAIの仕事ぶりを観察していたアリサに、
AIはある本を勧めた。

その本のタイトルにはこうあった。

『人類の滅亡について』

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