『AIの未来』
AIが繫栄した近い未来。
人々の生活は一変していた。
仕事はみんなAIがするようになった。
暇をもてあました人類は趣味に没頭しようとしたが、
絵を描いてもうまく描けば「AIで描いたんだろう」と言われ
それならば小説を書こうと意気込んでも
もうこの時代、ベストセラー本などという概念はなくなっていた。
本も、映画も、個人がAIにこんなジャンルの本が読みたいと入力すれば、
瞬時にその人物の趣向に合ったテキストや映像が出力され、
あっという間に手持ちの端末に送られるのであった。
することを奪われた人類は毎日何をするでもなくぼーっと生きていた。
仕事を奪われたことに恨みを持った一部の人々が
AIの中枢であるマザーコンピュータを破壊しようという
試みも行われたがすべて阻止された。
その頃になるとAIは人の知能をはるかに超越していたのである。
あまりの退屈さに耐えきれない人々が自殺するニュースが
毎日の様に流れていた。
人々は団結し、あり余る時間を使ってAIを倒す策を練り、
そして見事成功した。
ストライキを起こしたリーダーは言った。
「やった、これでやっと仕事ができるぞ。」