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地獄の門 制作記録④

みなさん旅はお好きだろうか?
私の場合「好き」と言えるのは、そこに行ってみたいと思いを馳せた瞬間だけである

先日まで北の大地に修行に赴いていた
北の大地は5度目くらいの訪問になるだろう
そこは都市部以外、ちょっと必要な物を買いに行こうとしただけで50kmも移動させられるし、世紀末覇者が支配するかの様な街並みだらけだし、おまけに海産物は東北地方の方が美味いという、名実共に「試される大地」である

そもそも私は観光というものが嫌いだ
あの観光地以外は立ち入り禁止的な空気感も、観光客相手のうすら寒い笑顔も受け付けない
もちろん私はひねくれものだが

ここで本題に入るが、要するに完成イメージと編集作業の苦痛は差があまりにも大きいということだ

きっと最初のうちは完成後の妄想で満たされるだろう
だが1分、1秒と作品に向き合う内に、それはメンテがクズなポッドレーサー同様に粉々になる

世界地図を、想像力と現地視察だけで正確に書き起こさなくてはいけない作業がそれに似ている

そんな作業は存在しないだろうがここにある

ただし、どこの観光地においても地図と要所の案内はあるもので、編集「結果」だけにそれは存在する
BTS(メイキング)としての安心安全なガイドツアーである

以下、ごく個人的かつ「地獄の門 Starring Milk Amanuma 」の音声編集だけに限ったガイドである
何の役にも立たない覚え書きなので、聡明なあなたには、このタブを閉じて別タブに常設してあるSNS旅行に出かけることをおすすめする

では一問一答形式にて制作記録④

Q1:本の読み込みから入るか、芝居の聴き込みからはいるか
A:今作は芝居の衝撃から始まったので、聴き込みから入った

Q2:原作は読まないのか?
A:今制作の原案が芝居であるため、その初見の印象だけを大切にした

Q3:常に意識したことは?
A:初見の衝撃を明確に記憶しておく
声だけのほうが確実に力があるので、映像や効果音は必ず一歩引くこと

Q4:作業手順は?
A1:聴き込み
A2:身振り手振りでサウンドスケッチ
A3:イメージ台本、サウンドマップ作成
A4:芝居と全体像のおおよそのBPMをチェック
A5:イメージにハマるまで音源探し、録音
A6:ベースとなるソフトウェア音源(kontakt 、Krotos 使用)と録音素材をひたすらスクラップ&ビルド
A7:素材がひと通り揃う
A8:素材を並べる(私は素材を切り分けつつ調理するタイプなので、まずはトラックを全て分けて一本に並べる)
A9:取捨選択
A10:イメージ通りになるまでA1〜A9を繰り返す

Q5:繰り返し出てくる「イメージ」って?
A:初見の衝撃、その芝居の与える影響を具現化したもの

以上となる

ここまで読んでしまった方々に申し訳なさすぎて、言い訳を一つ

特にQ4のA9,A10辺りが雑だと感じるだろう
だが、編集とはこれ以上でも以下でもない
誰にも頼れず、独りで未開の地の俯瞰図を偽りなく完成させなければならない
苦行でしかない

届けるまでは


P.S.今回で終わる予定だったが、感想編が入りきらなかったので次回に続く

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