南三中 -思考実験ものがたり- あらすじ

南三中は、どこにでもある公立中学校だった。
毎年、周辺地区の2つの小学校から100人に満たない生徒が入学してくる。

少子化が進んでいるらしいが、実際のところよくわからない。 人口が増えようが減ろうが子どもたちは何も感じず、大人でさえ日々の労働に勤しみ、社会への愚痴をアテに酒を飲んでいるだけだ。 彼らは世界を憂い、無関心でありながら誰よりも熱い関心を持っているように装う。凍った枝豆を解凍するのにちょうどいい熱しかないであろう各々の持論は、テーブルの上に鎮座するだけなのだ。

この春、日本初の学科を担任することとなった。

”南三中ー思考科”

私は、今 仁(イマ ジン) 33歳 ニートである。



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