あえてTwitterに飛ばして再訪ルートを確保
ちょっとした改善
マシュマロで改善をした。マシュマロで送られたメッセージに対する過去の回答を、確認しやすくしたのだ。
といっても特別な機能を付けたわけじゃない。ただTwitterに飛ぶリンクを付けただけだ。
マシュマロでは回答Twitter上で行い、回答には "#マシュマロを投げ合おう" というハッシュタグが付く。だからそのハッシュタグと、ツイート主を限定する "from:[Twitterのスクリーンネーム]" でTwitter検索する時のURLに飛ばしてやれば、ユーザーの回答一覧をツイッター上で表示できる。
↓こんな感じ
普通は選択されないやり方
自分のところのコンテンツの一覧をサイトの外部に置くというのは、あまり選択されないやり方だ。もちろん開発コストを抑えるために選ぶというのはよくあるだろうが、マシュマロでは様々な選択肢の中からこれを選んでいる。
普通こういうものはサイト内に置く。そうすることでサイト内の回遊を促進させ、滞在時間やPVが増える。そうなると広告収入が増えるし、外部にPV増をアピールして自分達の評判をより高めることができる。
マシュマロがTwitter上に回答一覧を作った理由
ではなぜこういう選択をしたのかというと、主にこういう理由があるからだ。
・そもそも広告に期待していない
・ストック型ではなくフロー型のコンテンツ
・ユーザーの利便性
・リアクションの最大化
・再訪ルートの確保
そもそも広告に期待していない
マシュマロを運営してわかったのだが、広告と相性があまり良くない。最大限広告を出し、1ユーザーごとのPVを増やせばもっと収益を増やせることはわかっている。だがしかし、マシュマロでそれをやってもすぐ頭打ちになってしまうことが明白なのだ。UXへの悪影響も大きい。だから他の方法で収益を上げる道を模索しており、PVを増やす道は既に捨てている。
そしてマシュマロを運営する弊社は特に取引先があるわけでも出資を受けたりもしていない。なので顔色を伺う相手がいない。だから虚勢のためのPV増を狙う必要がない。今のところはね。
ストック型ではなくフロー型のコンテンツ
マシュマロは一つ一つの回答がきちんしたコンテンツとしてストックされていくような方向は目指していない。あくまでコミュニケーションとしてのコンテンツである。だから常にコンテンツが投稿され、それが一つのフローとして機能することを目指している。
そういう方向性から、長らく回答一覧を置いていなかった。もし安易に置いてしまうと、「〇〇面白かったです!」のようなシンプルなメッセージは重複しがちで、それが目に入れば同様のメッセージを送ろうとした人は躊躇してしまう。たとえ重複しても、ポジティブなメッセージならさほど困らないし、それよりもフローが維持されることのほうが重要だ。したがってメッセージ入力欄の下部のような、一見すると無難そうなところにも回答一覧を置けなかった。
とはいえ過去の回答を簡単に見られないのは利便性を損なっている面もあるので、なんとかしたかった。だからTwitterという選択肢を検討した時、ちょうどいいと思った。サイト外に置くことで多くの人に重複を恐れさせることも少なくなる。また、ストックされた情報として提示しつつも、Twitterならフロー型が強いられる場所なので、「ストックされている感」がかなり弱いのだ。それにより回答する側にも、「サイト上に残ってしまうからきちんとしないと」というフローを停滞させうる意識を持たせにくい。
ユーザーの利便性
サイト内で一覧を表示するにしたって、それなりに利便性がないといけない。その実現は地味につらい。ぶっちゃけ使い慣れたTwitterでばーっと見られるほうがユーザーとしてはありがたい場合が多い。PV増は狙っていないので、たとえサイト外だとしても選択肢から外すことはできない。
リアクションの最大化
マシュマロは人から引き出すポジティブなリアクションを最大化するためのツールだ。ポジティブなリアクションの引き出し効率を上げるため、匿名制にして、ネガティブなメッセージをAIで排除している。
だからユーザーが「ポジティブなリアクションをしたい」と思った時に、ちゃんとリアクションに繋げてもらいたいと思っている。だがマシュマロには回答に対してリアクションする機能はない。そのため、以前から回答に対するリアクションをどう実現するか考えていた。
考えられる妥当なものとしては、回答に対して匿名で押せるいいねボタンだ。しかしマシュマロでは現在、サイト内で回答を表示していない。なので今回はパス。
マシュマロでは基本的に回答をTwitter上でするものなので、回答を確認できる場所はTwitterだ。したがって回答を見たその場でリアクションするとなると、Twitter上でRTやいいねをするということになる。
今まではマシュマロからTwitter上の回答を見てリアクションをするまでの導線は特になかった。だから今回の機能によって導線を作り、より回答へのリアクションを引き出そうと考えた。
再訪ルートの確保
これは機能するか不明だが、狙いとしてはこれがメインだ。いかにしてユーザーに何度も足を運んでもらうかは、多くのサービスにとって重要な問題であり、それはマシュマロでも変わらない。
仮にTwitter上の回答一覧から、回答ツイートに対してリアクションがあったとする。そうすると回答の通知がいく。回答ツイートに対する通知なので、たどるとマシュマロへのリンクがある。つまりマシュマロへのリンクを、ユーザーにネガティブな感情を全く抱かせずに通知しているようなものだ。Twitterの通知に乗っかってそれができるということは、そこそこ美味しい。
そうやって回答にポジティブなりアクションを得られたユーザーは、サイト内に来てくれるかもしれないし、メッセージの募集までしてくれるかもしれない。そうなると募集→メッセージが送られる→回答ツイートというマシュマロ利用の基本サイクルがより速く回り、サイトの活性化に繋がる。
これみんなもやろうぜ
いろいろ考えてみて、コンテンツ一覧をTwitterで済ますというこのやり方はサービスによってはかなり効果的では?と思った。再訪ルートの確保が難しいサービスなら、何かを捨ててでもやる価値があるかもしれない。
いろんなところで採用してくれると、こちらも事例をたくさん見られるので捗る。実装コストもめっちゃ低いので、個人開発者はぜひとも選択肢の一つとして覚えてほしい。
雑感
思ったより書きすぎた。ある程度フォーマットを決め、もっとシンプルに書いていきたい。