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マシュマロにまつわるアレコレ

報酬も契約もなく、ただの「協力」として受けた取材の内容なら公開に制限はないので、どんどん公開していこうと思う。

2月頃に対応し、その後音沙汰がなくボツになったであろう取材がある。もったいないので以下に公開。

サービスの概要

「マシュマロ」は、匿名のメッセージを受け付けるサービスです。AIを駆使することでネガティブなメッセージが削除され、ポジティブなものだけが届くのが特徴です。

匿名という荒れやすい要素を持ちながらもポジティブな空気を作り出していることと、ユーザーの声を聞きながらサービスを改善していく姿勢が評価されています。

サービスの開始時期

11月27日です。

現在のユーザー数や、開始からのユーザー数の変遷

2月下旬現在、登録ユーザーはあと少しで10万人になるところです。1日1000人のペースで増えていますが、増加ペースにはかなり波があります。

まず、サービス開始直後の12月4日に最初の波が来ました。一気にユーザー数が増えたのですが、その直後にマシュマロがTwitterから凍結され、マシュマロを使うことが出来なくなってしまいました。

Twitterアカウントでログインして使うサービスだったので、ユーザー増加数は一瞬で0になりました。すぐにメールアドレスでログインして使えるように仕様変更しましたが、Twitterの機能と密接に結びついているサービスなので使い勝手が悪く、ユーザー数はあまり伸びませんでした。

凍結された正確な理由をTwitterに問い合わせたところ、「DMを送りつけるのをやめろ、スパム報告が大量に来ている」と返されました。ですがマシュマロにはそもそもDMを送る機能なんてないので、まったく理不尽な話です(笑)

凍結は1月まで続きました。

いつまで経っても凍結が解除されないので何度も問い合わせていたら、ある時、いきなり凍結が解除されました。1月半ばごろでした。

凍結された正確な理由はわからず、未だにわかりません。解除された理由すらわかりません(笑)

凍結が解除されると、すぐに2回目の波が来ました。Twitterのトレンド1位になるくらいの大きな波でした。今いる多くのユーザーが、このタイミングでマシュマロを使い始めています。波は1月末まで続きました。

2月になって少し落ち着きてきて、だいたい1日1000人のペースに収束しています。

(※5月現在では登録ユーザー数18万人、増加ペースは1日1300~3000人)

ユーザー層

ユーザーは若い女性が多いです。

ユーザーの属性としては、アニメ、ゲーム、アイドル、コスメあたりに興味を持っている人が多いです。

(※5月現在ではVTuberブームにより、VTuber界隈の利用者がかなり増えてなんかもうカオス)

どのような使われ方をされているか、質問や回答内容の傾向など

最も多いのが、人に対する好意を伝える手段としての使われ方です。

先ほど挙げたユーザーの属性で言うと、注目を集める人は二次創作のイラストや小説を公開している人で、そういう人達に対する称賛のメッセージがかなり多いです。

その他、ユーザーからの反応で多いものや、意外だったもの

もともと質問でも一方的なメッセージでもなんでもOKな仕様でしたが、質問よりも好意を伝えるメッセージが多いというのは意外でした。

また、そういった質問ではないメッセージに対し、多くの人が丁寧に返事を書き、一方的なメッセージで終わらせないのも意外でした。

他には、マシュマロのロゴに対する反応が多かったのも意外でした。
デザイン経験もないままよくわからずiPadで数時間で作ったものですが、「かわいい」と言ってくれる人がたくさんいて嬉しいです(笑)

あと最も意外だったのが、利用規約が評価されて「利用規約が良かったから登録した」とまで言われたことです。

最初に用意した利用規約は「公序良俗に反しないように」くらいのことしか言っていない雑なものでしたが、1月にユーザーが増えたので、ちゃんとした利用規約への改定に取り組みました。

そうして利用規約を考える際に、大きな問題に気づきました。普通なら投稿した文章の知的財産権は投稿者にあるものとします。

でもそれだと質問に回答した人が、質問と回答をまとめてブログなんかに載せようとした時、質問を投稿した人にいちいち許可を取る必要が出てしまうんですよね。しかも質問は匿名で送られているので、許可を取る相手を知る術はありません(笑)

つまり、厳密に法を守りながら質問と回答を外部に載せるのは事実上不可能になっちゃうんです。

投稿した文章の知的財産権を運営が持つようにするとそれよりは問題になりませんが、それでも運営の許可なく質問と回答を外部に載せたら、権利侵害になってしまいます。

そこでメッセージの知的財産権はメッセージ受信者が持つという、少し変わった利用規約にしました。普通は質問と回答を外部サービスに載せたいのは回答者なので、回答者が権利を持つようにしたんです。

そうすることでユーザーが質問と回答を自由に使えるようにしました。

また、その旨を簡潔にまとめて利用規約の最上部に「利用規約のまとめ」として置いてみました。ちゃんと考えて作った利用規約ですが、「利用規約全文を読んで正確に理解しろ」というのは無茶振りですからね。

でも全文読んでくれる人もいるでしょうから、ついでにそういう人のために少し茶目っ気も混ぜてみました。AIを使っているので、「AIの知性が人類を超えても我々は関知しない」というSFチックな免責事項を入れてみたんです。汎用的なAIが人間を超えることとマシュマロ運営は全く関係ないので当たり前のことですけどね(笑)

このように「権利の整理」「要旨の提示」「茶目っ気」という3点を考えて作ったものですが、あくまで「トラブルを避けるためのもの」として書きました。だからそれがユーザー獲得に繋がるなんて全く想像していませんでした。

「利用規約が良かったから登録した」なんてフレーズ、今まで聞いたことありませんよ(笑)

「ネガティブな言葉」をどう定義しているか

マシュマロでは、人を傷つける目的で発せられた言葉、性的な言葉、スパム的な無意味な言葉の羅列等をネガティブな言葉として定義しています。

下ネタや下品な表現は受け取った人にはポジティブな内容かもしれませんが、テキスト解析でそれを判断するのは難しいので、とりあえずネガティブな内容としています。

ですが、今後の改善でそのあたりもうまく調整していきたいです。

ネガティブな言葉を排除するAIの仕組み

サービス開始直後はネガティブとポジティブを判断するデータが無いので、ほとんど手動でやってました。データ収集のために悪口や淫語の募集もしていました(笑)

現在はある程度のデータが溜まり、悪意ある投稿を繰り返すユーザーの投稿や人間の判断が必要そうなもの以外は、すべてAIが自動で判別しています。

AIのチェックをすり抜ける悪口を送る方法の手がかりになってしまうので、AIの具体的な仕様は公開できません。

AIの精度がもっと上がって「やれるもんならやってみろ」と言えるくらいになったら公開できるかもしれません。言ってみたいものです(笑)

類似のサービスと同じ点、違う点

マシュマロは「Sarahah」や「Peing」からインスパイアされたサービスです。

「Sarahah」は匿名でメッセージを募集し、回答は外部のSNSで答えるというサービスです。その仕様は非常に強い拡散力を持っているので流行しましたが、匿名故に悪口が横行するという問題も抱えていました。

「Peing」も匿名でメッセージを募集し、回答は外部のSNSで答えるという「Sarahah」の仕様を引き継いだサービスで、よりTwitterに特化したものです。ですが匿名だと悪口が横行するという問題を解決するものでありませんでした。

そこで、Twitterに特化しつつ、その問題を解決するものとして作られたのがマシュマロです。

AIを駆使して「匿名なのに悪口が来ない」という状態を作れたら、既存のものとは全く違うユーザー体験を提供できるかもしれないと考えました。

その「悪口が来ない」というのが類似サービスとの一番の相違点で、今後もそうであり続けたいと思っています。

その他の相違点としては、マシュマロは不特定多数に宛てた質問に答える機能があります。

匿名でメッセージを受け付けても、実際にはメッセージが来ない人もいるんですよね。そういう人も楽しめるようにしたいと思って実装した機能です。

あとは先ほど挙げた利用規約も大きな相違点ですね。質問と回答を外部サービスで使ったり出版したいと考えている人が、自由にそれをやって誰の権利も侵害せずにいられるのはマシュマロだけではないでしょうか。

アプリローンチやTwitter以外のSNS対応など、今後の展望について

マシュマロはユーザーの声を聞いて開発を進めていくスタイルなので、需要が明らかならば基本的になんでもかんでも実装したいと思っています。スマホアプリ版やTwitter以外のSNSへの対応も要望もあるので、適切な形を見極めてそのうち提供できたらと考えています。

ただ、新規ユーザー獲得のための施策はそこまで重視しません。現在使ってくれているユーザーの体験を良くするような施策が最優先です。

マシュマロはポジティブなメッセージを届けてユーザーを幸せにするサービスですから、今いるユーザーの幸福度に注力しなきゃやる意味がありません。

今後はさらにAIの精度を高め、悪意のフィルタリングといえば「マシュマロ」と言われるようなポジションを取っていきたいです。これは今だと小さなポジションですが、今後はどうなるかわかりません。

たとえば昔なら、言うことを聞かない生徒を先生がひっぱたくなんていうのは当たり前でしたし、普通は止めません。

でも今の時代ならそんな暴力、ただの野蛮な行為です。するべきではないし、しているのを見過ごすのも許されません。

それと同じように、「匿名のメッセージを集めるのに悪口を許す仕様になっているのは野蛮だ」と感じられる未来だってありえます。

実際はどうなるかわかりませんが、人が傷付くのを見過ごさない社会になるべきであり、そうなる未来に賭けていくことが大事だと思っています。もしそんな社会になったら、今は小さなマシュマロも、人々を守る大きな盾になっているかもしれません。

そんなことを夢見て開発を進めています。

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