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千枚通しという名

足におっことしました。千枚通しをです。

ラケットのガットを張っているときに、足に。
落ちていくのを見送った自分がいました。
ああ、落ちたな、みたいなことを思っていました。あの危険物を、見送ったのです。

幸いにして、斜めに落ちたもので、右足のちょっとに刺さりました。ほんの少し、例えるならサッカーのミトマ選手の何ミリだかわかりませんがあれみたいなもんです。どうも例えが下手です。クリスチャンになれば、例え話も上手くなるかしらん。

千枚通しというやつ、実に出来ている。
ものを貫くことしか出来ないのである。
武器ならば、刀の下位互換。突けども斬れずである。まあ軽いのは、利点か。
貫く以外糞の役にも立たない金属棒。
置いておくにも、落としゃ足がバーベキューの肉みたいになっちまいまして倫理上良くない。カニバリズムです。

そういえば不思議なくらい、うちの高校にはカニバリズムという言葉が浸透していました。教師が人でも喰ってたんでしょうか。生徒を食いものにする教師でしたらいましたが、それは性的な意味だった気がします。おっと、触れてはいけないパンドラの匣。私は、知りません。裁判所が知ってます。

生きるのなら、不器用がいいです。
千枚通しは、実に理想です。
貫く以外の解法を知らぬ、突き抜けた人間。
器用でなくていい、苦手なことも、人もあっていいから、ただ。
自分の目的だけは、艱難辛苦あろうと透徹する金剛石の千枚通しでありたいのです。
専門という言葉が、私の心を掴んで離しません。

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