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#WEB別冊文藝春秋

ピアニスト・藤田真央 #06「ふたりの師の教え――音と、音楽と、向き合うこと」

ピアニスト・藤田真央 #06「ふたりの師の教え――音と、音楽と、向き合うこと」

毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」

★毎月2回配信します★

 モーツァルトを集中的に演奏するようになってからというもの、わたしは歌曲、とりわけドイツ・リート(歌曲)への関心を強めています。

 同じドイツ・リートでも、シューマンとシューベルトを比較するとまた面白いですね。シューマンの曲は、こちらを刺してくるような「痛み」がにじむ。クララへの恋慕といった、作曲家の想いがストレート

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ピアニスト・藤田真央 #05「わたしのプログラムづくり――理想の音を捜し求めて」

ピアニスト・藤田真央 #05「わたしのプログラムづくり――理想の音を捜し求めて」

毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」

★毎月2回配信します★

 2022年4月11日。ドイツへと旅立つ直前に、東京オペラシティ コンサートホールでのリサイタルの機会に恵まれました。
 オペラシティで1月19日に行ったリサイタルの反響が良かったそうで、アンコール公演が決まったのです。

 全二部構成、5曲のプログラムの中で、わたしが核に据えたかったのは、ブラームスの《主題と変奏 ニ

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ピアニスト・藤田真央 #03「刻々と変容する世界、その中でわたしがピアノを弾く意味」

ピアニスト・藤田真央 #03「刻々と変容する世界、その中でわたしがピアノを弾く意味」

毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」

★毎月2回(5日・25日)配信します★

 2022年3月7日、わたしはイタリア・ミラノのスカラ座の舞台に立っていました。
 ミラノは、スタイリッシュな芸術の街。空港に着くと、ゲートにお迎えに来てくださった方が「Maestro Mr.Fujita」と書かれたプラカードを持っている。おお、わたし、マエストロ? と思っちゃいました。
 イタリアでは

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ピアニスト・藤田真央 #02「わたしに”合っている”モーツァルト」

ピアニスト・藤田真央 #02「わたしに”合っている”モーツァルト」

毎月語り下ろしでお届け! 新連載「指先から旅をする」

★毎月2回(5日・25日)配信します★

 わたしが共演したイスラエル・フィルハーモニーは、昨年85周年を迎えた伝統ある楽団です。初代音楽顧問のウィリアム・スタインバーグから始まり、レナード・バーンスタインやズービン・メータといった、偉大なるマエストロたちとともに歴史を刻んできたオーケストラですので、ご一緒できたのはたいへん光栄でした。

 

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ピアニスト・藤田真央#17「この景色の魅力を、即興曲で届けたい――アルプスの山々に囲まれて」

ピアニスト・藤田真央#17「この景色の魅力を、即興曲で届けたい――アルプスの山々に囲まれて」

毎月2回語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」

◆アルプスの山々に囲まれたお城のようなホテルで

 2022年12月1日、わたしは羽田発ドイツ・フランクフルト行きの飛行機の中にいました。12月3日に、ドイツ南部のリゾートホテル「シュロス・エルマウ」でリサイタルの予定があったのです。

 フランクフルト空港に到着すると、周りのみなさんがなにやら真剣にスマートフォンを見つめています。ちょうど

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ピアニスト・藤田真央#18「わたしの卒業論文――理想的なコンサート・プログラムとは?」

ピアニスト・藤田真央#18「わたしの卒業論文――理想的なコンサート・プログラムとは?」

毎月2回語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」

◆大学院の卒業試験が、さながらホームコンサートに

 12月3日に南ドイツの「シュロス・エルマウ」でのリサイタルを終え、わたしは大学院の卒業試験を受けるため、翌日ベルリンに戻りました。
 わたしが通っている大学院「ハンスアイスラー音楽大学 ベルリン」では、卒業に際して実技テストと論文の提出が求められます。

 実技テストは、60分程度のプロ

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ピアニスト・藤田真央エッセイ#25〈完璧な響きの中で――ベルリン・フィルハーモニー・デビュー〉

ピアニスト・藤田真央エッセイ#25〈完璧な響きの中で――ベルリン・フィルハーモニー・デビュー〉

 ミラノの後はベルリンに帰り、4月1日のコンサートに向けて、ラフマニノフの《ピアノ協奏曲 第3番》の練習に集中した。《第3番》は演奏する機会が非常に多いが、何度弾こうとも緊張する。毎回楽譜を丁寧に読みこまないと、ラフマニノフが細かく記したフレージングや強弱を忘れて、自分の好きなように気持ちよく弾きがちなので、自分自身を戒めながら練習に取り組んだ。

 リハーサルは公演前日の午前中で、GP(ゲネプロ

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ピアニスト・藤田真央#09「わたしの人生の節目には、モーツァルトが現れる」

ピアニスト・藤田真央#09「わたしの人生の節目には、モーツァルトが現れる」

毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」

★今後の更新予定★ #10   9月5日(月)正午 #11  9月25日(日)正午

 世界デビューアルバム『モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集』(CD5枚組)のリリース日が、今年の10月7日に決定しました。
 現在は配信限定先行シングルとして《ピアノ・ソナタ第16番 ハ長調 K.545》の「第2楽章 アンダンテ」と《ピアノ・ソナタ第2番 ヘ長調 K

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ピアニスト・藤田真央#14「あと2日でユジャの代役を――ネルソンスとの出逢い」

ピアニスト・藤田真央#14「あと2日でユジャの代役を――ネルソンスとの出逢い」

毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」

★今後の更新予定★ #15   11月25日(金) 
→11月末公開予定

 夏の暑さの盛りを過ぎても、欧州各地を飛び回る日々はまだまだ続きます。
 9月2日からは、ジョージアの小村ツィナンダリで行われるツィナンダリ音楽祭に参加しました。2日にはオクサナ・リーニフの指揮のもとブラームスの《ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 Op.15》、4日はリサイ

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ピアニスト・藤田真央エッセイ#23〈憧れの赤絨毯――コンセルトヘボウ・デビュー〉

ピアニスト・藤田真央エッセイ#23〈憧れの赤絨毯――コンセルトヘボウ・デビュー〉

▼#22 バンクーバーからアムステルダムへ

 そして迎えたコンセルトヘボウ・デビューの時。
 20時15分、私の部屋がノックされ、エレベーターで1階(日本でいう2階)に向かい、あの階段へと続く扉の前に立った。

 シャイーに「素晴らしい音楽作りをしよう」と声をかけられ、それを合図に2人のステージマネージャーが寸分違わぬタイミングで両扉をバッと開いた。

 視界に飛び込んできたのは、赤い絨毯の階段

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ピアニスト・藤田真央#12「ミハイル・プレトニョフ――ヴェルビエの夜、憧れのひとと邂逅する」

ピアニスト・藤田真央#12「ミハイル・プレトニョフ――ヴェルビエの夜、憧れのひとと邂逅する」

毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」

★今後の更新予定★ #13   10月25日(火)正午 #14     11月5日(土)正午

 7月20日、ヴェルビエ音楽祭でヴァイオリニストのマルク・ブシュコフ、チェリストのズラトミール・ファンと室内楽を演奏する機会に恵まれました。彼らとは、2019年のチャイコフスキー国際コンクールでともに入賞したときからの縁です。

 この日のプログラムは、

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ピアニスト・藤田真央#10「ブラームス、ドビュッシー…ベルリンで再発見した作曲家たち」

ピアニスト・藤田真央#10「ブラームス、ドビュッシー…ベルリンで再発見した作曲家たち」

毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」

★今後の更新予定★ #11   9月25日(日)正午 #12   10月5日(水)正午

 モーツァルトのピアノ・ソナタ全曲演奏を成したあと、わたしのなかで存在感を増したのはブラームスでした。
 ブラームスは音楽史的な位置付けでは、後期ロマン派に属する作曲家となります。けれど彼は時流からちょっと外れて、ベートーヴェンをはじめとする、自分よりすこし前

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ピアニスト・藤田真央#13「ルツェルン音楽祭――シャイーと奏でた”歌うフォルテッシモ"」

ピアニスト・藤田真央#13「ルツェルン音楽祭――シャイーと奏でた”歌うフォルテッシモ"」

毎月語り下ろしでお届け! 連載「指先から旅をする」

★今後の更新予定★ #14   11月5日(土)18時 #15   11月25日(金)
→11月末公開予定

 ヴェルビエ音楽祭を終えたわたしを待っていたのは、毎年8〜9月にスイスで行われるルツェルン音楽祭です。

 1938年から続くルツェルン音楽祭は、ザルツブルク音楽祭と双璧を成すヨーロッパ随一の格式と伝統を誇ります。出演者が錚々たるメンバ

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