見出し画像

初めてRTAイベントの主催をした時の話(風のクロノア Wahoo Allstar Speedrun 振り返りレポ)①立ち上げ編

こんにちは。ねこです

 執筆時点でもう2ヶ月も前の話になりますが、私の好きなゲームシリーズ「風のクロノア」の全8作品を集めたRTAイベント、「風のクロノア Wahoo Allstar Speedrun」を7/19(日)に開催しました!
 私自身、RTAイベントへの参加やボランティア経験はあったものの、運営経験はゼロからのスタートでした。そこから色々な苦労があったものの、多くの方々の力をお借りして、イベントは無事盛況で終えることが出来ました!
 今回のレポでは、どんな準備をしてきたかを記すことによって、今後「RTAイベントを開催してみたい!」と思っている方の参考になればと思って書いています。
 単純に読み物としても面白いと思うので、裏でどんなことをしていたのか、興味のある方はぜひお読みください!

 アーカイブはこちら!

 大体1〜2週間に1回のペースで書いて行ければと思います!

 また、本レポとほぼ同内容になりますが、私ねこの個人チャンネルで反省会を行っております。興味のある方や本レポの更新が待てない方は、こちらを見て頂けるとざっくりとしたことが分かると思います。

 (今回の記事のまとめ)

・ロックマンXオンリーRTAイベントを見てクロノアでも同じことをやりたいと考えた。
・クロノアリメイク発売が発表されたのをきっかけに、様々な問題点があったものの、出来ることからやろう!と開催に踏み切ることにした。
・同じクロノアRTA走者のはるともさんと2人体制で運営をしていくことにした。

①立ち上げ編

   このRTAイベントをふんわりと思いついたのは、2021年冬に行われた、「MEGA MAN X MAX Speedrun」(以下:MMXMS)を観ている時でした。

 このイベントは、Japanese Restreamさん(海外のRTAイベントを中心に、日本語で楽しめる場所を作るためのチャンネル)のチャンネルの初のチャンネル貸出イベントであり、ロックマンXの1〜8RTAを連続で行っていくイベントでした。
 走者は皆、各タイトルのトップクラス記録を持つスタープレイヤー!TikiさんやLuizさんと言った海外では有名なプレイヤーや日本からはjyakoさん、hachimituさん、nonnonさんと本当に豪華なメンバーでした。
 解説は主催でもありご自身でもX2のRTA走者で有名なzeromodokiさんと、RTA界隈では解説として有名なすないぬさんとアジーンさんとこちらも豪華メンバー。こんなん絶対観てしまうやろ!

 そんな豪華イベントを見ていて思ったんです。
「あれ、これ風のクロノアシリーズでも似たようなイベントが出来るんじゃね…?」と。


----------(ここで筆者紹介も兼ねて補足説明)----------
「風のクロノア」とは、1997年にPS版で発売されて以降、シリーズ展開の続く2Dアクションゲームです。筆者の私ねこは4年ほど前から「風のクロノア:Door to Phantomile」「風のクロノア2 〜世界が望んだ忘れ物〜」のRTAを走っており、Door to Phantomileの方ではRTAの記録集積サイトSpeedrun.com上でメイン2カテゴリで世界記録、2の方では世界3位の記録を持っています。
DiscordのKlonoa Speedrunサーバー(英語メインのサーバーです)では、モデレーターも務めています。
要はこのゲームめっちゃ好きなんです。
普段はTwitchで風のクロノアシリーズのRTAを中心に配信しており、RTAを通して自分の好きなゲームをもっと多くの人に遊んでもらったり、魅力を共有出来ればと思い活動しています。

-------------------------------------------------------------

 
 なぜ同じことが出来そうと思ったか、理由は単純で、風のクロノアシリーズもロックマンXと同じく全8作品かつ通しでやって10時間ぐらいであったからです。これなら同じぐらいのスケールで出来そう…と。
 さらに、クロノアスピードランコミュニティ全体を巻き込んだイベントをやってみたい!と思っていたからです。(これまで全然そういうイベントが無かった)
 しかし、気軽にやってみたいと思ったものの、この時点色々な問題点思い浮かんでいました(これについては後述します)。
 これにより、「流石にハードルが高くて無理だな…そもそもイベント運営経験自体がゼロだし…」とこの時はイベントをする事を諦めてしまいました

 そして話は約3ヶ月後の2022年2月10日へ。

 実はこの日は、ニンテンドーダイレクトの配信日でした。私はいつもリアタイしているので、放送時間は朝からと早かったのですが、頑張って起きようと思っていました。

 そして、人生で初めてニンダイを寝坊により見逃しました。敗因はスマホ目覚ましのかけ忘れ。

 その日は普通に仕事だったので、仕方ないからゆっくり会社の昼休みにてもアーカイブ観るか…と思ってスマホを開いてみると、すごい数のTwitterからの通知が
 「寝坊しました…」ととりあえずツイートしたところ、「今すぐにTLを見ずにアーカイブを観ろ」「最も寝坊してはいけないタイミングで寝坊をする男」「おめでとうございます」などなど多くのリプライが。
 パネルでポン(筆者が好きなパズルゲーム)の新作か移植でも来たか?と思いつつ出社まで時間があったので急いで観ることに。

そして…

お…?

おお…!?????????

 風のクロノア新作!いや正確にはリメイクだけどもう何でもいい!
 実は最後にリメイクが出たのは13年前にwiiでリメイクが出ただけで、そこから一切のシリーズ展開が無く、正直新作は絶望的だと思っていたところにこのニュースです。

 そして、この時に思いました。
 「リメイク発売が決まった今こそ、前に考えたクロノアオンリーRTAイベント開くチャンスなのではないか…!」と。
クロノア新作の発売は新規プレイヤーを増やすチャンスであり、私の「もっと風のクロノアシリーズを色々な人に遊んで欲しい!」のいう活動理念にマッチしています。
 今は2月。発売は7月7日。4、5ヶ月あれば準備するには十分です。

しかし、イベント開催にあたっては不安な点が多すぎました。
以下、理由とともに列挙します。

・イベント運営経験がない
 一応、どんな感じの段取りというのはボランティア経験から何となく分かってはいるが…。細かいところまではちょっと…という感じ。

・海外走者が多い
 言語の問題と時差の問題。筆者の英語力は読み書きは海外discordの議論を読んだりクロノアのランのレビューを英語でやって海外走者に何とか投げつけられる程度。会話については簡単な受け答え程度が出来るぐらいでスムーズな会話にはあまり自信はありません。
 時差については、少し前にクロノアスピードランサーバーで並走会を企画してみた時に、何人かの走者が時差のせいで寝坊や遅刻して、仕方ないのかもしれないけどちょっと悲しくなったことを思い出してしまう(並走自体は初めてにしてはそこそこ上手くいったし楽しかった)

・ランナーが少ないタイトルがある
 筆者の走っているクロノア1や2はメジャーで人も多いタイトルですが、GBA作品は数人しかランナーがおらず、しかもアクティブ走者がほぼいない状態。そしてワンダースワンのタイトルもあるのですが、こちらに至ってはランナーが1人!その人がダメだった時点で全作品を走るのは無理になってしまいます。

・解説をどうするか
 まず、各シリーズの解説が出来そうな知り合いがはるともさん(後に一緒に運営をすることになります)しか思いつきませんでした。
 そのため一緒に解説してもらうか、MMXMSのように解説者の方をお呼びするしかないかな…と思いましたが、クロノアの約半数はGBA等の携帯機の作品です。Steam等でX1〜X8のアニバーサリーコレクションが発売されているロックマンXとは違い、入手難易度が高くなっています。解説にあたって振り返りプレイ or ロケハンすることを考えた時に、ここのハードルが高いと解説のお願いがしづらいな…と考えていました。
 また、誰かRTAの解説で有名な人を解説に呼ぶにしても、こちらは一方的に知っていても気軽に呼べる仲の人がいないと言う理由もありました。人付き合い苦手部…。

・そもそも人が集まるのか
 せっかくRTAイベントをするなら、出来れば多くの人に見て欲しいと思います。
 MMXMSと比較しすぎるのも良くないと思いますが、どうしてもロックマンXと風のクロノアではロックマンXの方が知名度が高いと思います。RTAでもロックマンシリーズは人気タイトルです。果たして知らないゲームのオンリーRTAを見に来たいと思う人が沢山いるでしょうか?私は全く知らないゲームのRTAを見るのも好きですが、大半の人は興味を惹かれないのでは無いかと思います。

・デザイン関連を作れない
 これはレイアウトやイラスト等についての事です。こういった事には疎く、もしやるなら外注は必須だなと考えていました。イラストは何人か心当たりがあったものの、その他については全くアテがありませんでした。
 これも解説と同様ですが、これまで全く絡みのない人にお願いしに行くようにするしか無いのかなと思いました。でも知らない人に初対面でいきなり「お初にお目にかかる!我が名はねこ!今度そなたの知らないゲームのオンリーRTAイベントを開催するが〇〇を手伝ってはくれまいか!」と言う勇気はありません…。実際、ここがいちばん困ってた所ではあります。

 などなど、ざっと書き出しただけでもこれぐらいの不安要素がありました。

 しかし、「タイミングは今しかない。やらない後悔よりやって後悔しよう!」と思い、イベント開催を決意しました。
 できない理由を並べ立てるのは簡単ですが、そうしているといつまで経っても何も出来ません。まずはやれる事からやるのが重要だと思います。

 こうして、覚悟を決めた私はまずKlonoa Speedrunサーバーのモデレーターに提案をしてみることにしました。
 メンバーは、私、クロノアや塊魂シリーズのRTAでお馴染みのはるともさん、クロノアスピードランコミュティを古くからまとめてきたフランス人のBalneorさんの3人です。
 「クロノアシリーズ全作品のRTAを出来れば年代順でやって…走者は各タイトルのトップクラスの人を招待して…出来ればクロノアリメイク発売前に総復習的な感じでやれれば…」等、思いついたことを書いていきました。
 Balneorさんは、「色々とどうするか確定していない部分もあるが、企画自体はとてもいいと思う。これを開催するなら、本当にビッグ・プロジェクトになるだろう」など、アドバイスも同時に頂きました。
 はるともさんも興味を持ってくれ、「自分に出来ることがあれば!」と言うことで運営メンバーに加わって頂くことになりました。
 こうして、「クロノアマラソン(仮)」が始動し始めました。
 しかし、私もはるともさんも、RTAイベントの運営経験はゼロ!問題も山積み!果たして、次にねこが取った行動とは!?

①立ち上げ編 おわり

次回 ②運営に必要なもの編へつづく


この記事が参加している募集