初めてRTAイベントの主催をした時の話(風のクロノア Wahoo Allstar Speedrun 振り返りレポ)②運営に必要なもの編
こんにちは。ねこです。
この記事は連載2回目の記事となります。
まだ前回の記事を読んでいない方は、そちらをご覧いただくことをお勧めします。
(↓前回の記事はコチラ!)
(今回の記事のまとめ)
②運営に必要なもの編
私ねことはるともさんの2人体制で発足したこのイベント。しかし、2人ともRTAイベントの運営経験がなく、手探り状態からのスタートとなってしまいました。
こういう時にやるべき事は1つです。それは、「先駆者に聞くこと」です。つまり、餅は餅屋。RTAイベント運営はRTAイベント運営経験者。
ゲームでも勉強でも何でも当てはまるんですが、上達や技術向上の最大の近道はとにかく詳しい人に教えてもらうことだと私は思っています。手探り状態で色々模索していくのも面白いのですが、最も効率的なのはこれです。
今回のように知りたいことについての文献が少ない場合は特に有効です。
情報がインターネット上にある場合でも、初心者のうちは何から手を付けて良いのか、情報の取捨選択が難しいと思います。こんな時、経験者に聞くことで何も分からない状態からでもある程度の筋道を立てることができるのも大きいです。
後、何かに本気で取り組みたいと思った時は、能動的に動くべきです。
私は昔塾で働いていたことがありましたが、自分で質問をしに来る生徒とそうでない生徒では成績の伸びも違います。何より、自ら聞きに来るその姿勢だけでもその人の本気度を感じることができ、教える方にも力が入ります。
今回は、MMXMSというパク…先例もあり、先述したMMXMSの主催であるzeromodokiさんに直接運営についてのお話をご教授頂くことにしました。
zeromodokiさんはMMXMSだけではなく、Akiba RTA Liveのようなオフイベの開催の他、レイドRTAマラソンの運営などもされている方です。
早速Discordで「イベント運営について教えて欲しいんです!」という旨のDMを送ると、すぐにご快諾頂けました。本当にありがとうございました。
それから別日に時間を取ってもらい、MMXMSの裏話やイベント運営、他愛のない話などをしてました。
(MMXMS裏話については、こちらのアーカイブやnoteを見てみてください。)
細かい話も色々ありましたが、それは適宜後述するとして、今回はイベント運営の基礎についてフォーカスして教えて頂いたことを簡潔に書きます。
zeromodokiさん曰く、イベント運営に最低限必要なものが3つ。イベントのクオリティを上げるために必要なものが3つあるとの事です。
まず、イベント運営に最低限必要もの3つとは、
①走者
②場所
③画面 です。
①走者
当然ながら、走者がいなければRTAイベントは出来ません。Oengus(あんがす)やGoogleフォームなどで走者を公募するか、招待制にして走者を集めるかのどちらかになると思います。
②場所
これは配信場所のことです。
Twitch、Youtube、ニコニコ動画等どの配信サイトを使うか、個人のチャンネル or RTAイベントチャンネルの貸し出しを利用する(例: RTA in Japan、Japanese Restream、OME Speedrun、JAWS Players)かどうかを、イベントの特徴や環境によって判断します。
③画面
いわゆる配信レイアウト等のことです。配信を行う以上は、こうした枠組みは必須です。
レイアウトについては、イベント名・ゲームタイトル・走者名・解説名・タイマー・カテゴリ名辺りは必須になってくるでしょうか。
ゲーム画面については、個人の配信チャンネルをミラーしたり、特定のアプリを使って画面を取り込んだり等、画質や配信遅延、走者への負担等を考慮して判断します。
今挙げた3つは、「これさえあれば最低限イベントとしての体裁は整う」というものです。ここがイベントの土台となるので、開催したいイベントの規模に応じて、そこにふさわしい土台を用意するのが重要です。
しかし、「もっとイベントのクオリティを上げたい!」と考えるなら、さらに以下の3点を加えるようにします。
④プログラム
⑤ビジュアル
⑥解説
④プログラム
いわゆるNodeCGのことです。
NodeCGって何?という人は、ググったりこちらを参照するなどしましょう。
簡単な話、これがあるのと無いのとでは裏方の大変さが段違いであるという事です。
NodeCGならレイアウトやタイマーを一括で管理可能。ワンボタンで現在のゲームタイトルやカテゴリも変更可能。タイマーの制御もできる。さらに急な予定変更にも対応可能、画面上にツイッターから取得したツイートを表示したり、走者のSNS情報などを載せたり等々とにかくやりたいことができます。
別にNodeCGじゃなくても代用手段とかあるだろ!突っ込まれるかもしれませんが、その話はまたこれについての記事を書くときにでも。
⑤ビジュアル
これは要するに1枚絵・ロゴなどのデザイン全般のことです。
イベントについての1枚絵やイベントを象徴するような格好良いロゴがあると、それだけで目を惹くことができます。
Twitter等で宣伝する際も、イラストやロゴがあれば目を留めてもらいやすくなります。絵はイメージとして記憶にも残りやすいので、視聴者の印象にも残りやすいです。
⑥解説
走られるゲームの解説者のことです。
基本的には、イベント視聴者の中で走っているゲームの事を知っている人、ひいてはそのゲームのRTAをしたことがある人は99.9%もいません。そのゲームについてとても詳しい方や、喋りが上手な方を置くことで、視聴者にとっても見やすく、分かりやすいものになります。
これら3つは、無くてもイベントとして成立するものですが、あるとクオリティアップに繋がります。
以上、教えて頂いたことを自分なりに簡潔にまとめてみました。
もちろん、自分の中でも「何が必要になるのか」というものは経験上分かってはいたのですが、こうしてシンプルにまとめられていると、行動指針として非常に分かりやすいものになり、大変ありがたかったです。
こうして、教えて頂いたことを元にはるともさんと運営会議を行っていくのですが…そのお話はまた今度。
ここからは時系列が飛び飛びになっていきます。
というのも、まずトピックごと(先ほどの①~⑥の要素)について詳しく何をしたのかをお話してから、最後に大筋のスケジュールはどのように動いていったのか+運営の動きについてを話した方が分かりやすいと思ったからです。
という訳で、ここからはzeromodokiさんとお話してから1か月後のお話。
実は、このタイミングでもう1人イベント運営経験者にお話を聞いていました。というのも、①立ち上げ編でもお話した不安要素があまりにも多く、「自分がやっていることは本当に大丈夫なんだろうか…。」と不安になってしまったからです。
この頃は4月の頭で、まだ誰にもイベントを開催することは公言していない状況でした。そんな中、水面下で準備を進めていたのですが自分がトップである以上相談できる相手が誰もおらず…メンタルに来てました。正直ただ話を聞いてほしかっただけでした。
そういうことで、もう一人相談したお相手がポンズさんです。
ポンズさんは、不思議のダンジョンRTAフェスというローグライク要素を持ったゲームを集めたRTAイベントを主催している方です。私もローグライクのゲームが好きで、2021年にあった第2回不思議RTAフェスでイベントの存在を初めて知りました。イベントの作り込みがとても入念なことに感動した私は、2022年2月に開催された第3回不思議RTAフェスでボランティアとして参加。そこがお話するようになったきっかけでした。
本当に不思議RTAフェスの準備の入念さは素晴らしく、ボランティアをやってきてあそこまで分かりやすく丁寧なマニュアルは初めて見ましたし私も参考にしました。この経験から、「ポンズさんにお話してみよう!」と思ってお声がけをしました。
また、ポンズさんがnoteでまとめてあるイベント準備についての記事も今回の参考として穴が開くほど読んでいたのも理由の一つです。ぜひ皆さんも読んでみてください。
なお、そこから色々あり、現在ではポンズさんにスカウトされて不思議RTAフェスのSuperStaffを務めています。感謝。
肝心の話の内容ですが、恥ずかしい話「今こんな計画してて~→どう思います?」みたいな感じの連発だったので特に書けるようなものは無いです…。
ただ、自分が思っていたよりも、「ねこさんめっちゃ計画的に出来てるからこれなら上手く行けますよ!」とたくさん言って頂けたのがありがたかったし嬉しかった。自分ちゃんと出来てんだな…と。本当にこれで安心して準備を進めることができました。感謝…。
後は、いくつか細かいところでのアドバイス等をいただいて解散。しかし、このお話をしたことで今後の動きをより具体的に想像できるようになりました。本当にありがとうございました。
こうして、具体的な行動指針を得た我々は、準備に取り掛かっていくのだった。
②運営に必要なもの編 おわり
(次回予告)
まず、最初に集めるべきなのは走者だ。しかし、走者候補の半分以上は海外走者。さらにはSpeedrun.comのアクティブ走者が少なすぎる!?言語の壁と時差もある中、どうやって取りまとめて行ったのか。
次回 ③走者編へつづく
(今後は、走者編→配信場所編→レイアウト・NodeCG編→デザイン編→解説編→準備編と続く予定です。)