推しのぬいぐるみを作ろう!〜準備・知識編〜
●はじめに
こんにちは。Neko改め破滅の騎士ねこりんです。今回のnoteは、針や糸、布などを使ったいわゆる「裁縫」によって「好きなキャラクターのぬいぐるみを作ることにハマってしまった」筆者ねこりんの裁縫雑記となります。ぬい作りに使用したもの、使用してみた感想、だいたいの流れ、失敗談など、覚えている限りで適当に書き綴っていきますので、興味のある方はご覧ください!
また、本記事をお読みいただくにあたって以下の点をご注意ください。
・筆者はぬいぐるみ作り、はたまた洋裁部門において、ほぼ知識のない状態から始めた「初心者」です。書店で作り方の本を購入し、それでもわからないところはググッて出てきた情報を元に試行錯誤を重ねる方法で、いまだに理屈を理解せずなんとなくで縫い物をしているため、このnoteはぬい作りの正しい方法や工程を書き記したものではないことをご理解ください。わたしは初心者なりに考えてこうしてみた、というだけの個人的なお話になります。
・このnoteに書かれている全てのことを実行したことにより起こった失敗、事故、損失などに対し、筆者は責任を一切負いません。
それでは、はじめてみたいと思います!
●どうして突然ぬい作りを始めたの?
2022年9月頃のこと。「推しのぬいぐるみ、作るか……」その日は突然やって来ました。何がきっかけということもなく、気づけば筆者は財布を握りしめ手芸店へ足を運んでいました。突然衝動的な何かに襲われたのだと思うけれども、昔からうっすらと夢に見ていた「推しをこの手で具現化したい!」という気持ちはとりあえず手芸店に行ってみるという行動となって表れました。何故なら筆者はものすごくとりあえず形から入るタイプだから。裁縫経験はほぼゼロで、中学生くらいの頃にテイルズオブジアビスの主人公ルーク(短髪)を象った布切れを表から並縫いで繋ぎ合わせ申し訳程度の綿をつめただけのペラペラぬいぐるみを生み出したことはありますが、出来はお察しの通りです(現物は引越しのタイミングで破棄。写真も残念ながら残っていません。記念にとっといても良かった)。
もちろん、手芸店へ行くにあたって「裁縫には何が必要なのか」はある程度下調べをしました。以下、当時裁縫ド素人の筆者が実際に準備した道具を書き記しておきます。メーカーなどによって使い心地は違うと思うのでこだわりたい人はいろいろ使いながら好みのものを探してみるといいかもしれません。
※ちなみにわたしは小学生の頃に教材用として(親が)購入した手芸キットがそのまま残っていたので針や糸などの主要アイテムはそれを使用。「いつかそのうちぬいぐるみを作る」という強い意志が過去の私に手芸キットを処分しない選択肢を与え続けたのである。神か。
⦿絶対に必要なもの
・推しへの愛
必須。金では買えません。自分の心(マインド)に問いかけてください。
・勢いと根気
よくわからなくても失敗してもいいのでとりあえず縫ってみよう、失敗したら原因を考えて再度チャレンジしてみよう、素人の裁縫はこれの繰り返し。推しを思って粘り強く何度もトライしましょう。
・布
何も知らない筆者はぬいぐるみと言えばフェルトだろう!と手芸店初回来店時に推しに必要な色のフェルトを大量に購入しましたが、後からトイクロスなどという毛羽立ちの少ないぬいに適した生地があることを知ります。ぬい用生地は店舗では取り扱いが少なく推しの色を揃えるのが難しいのが難点です。よりこだわりたい場合は手芸店をまわるだけでなく通販も駆使する必要があります。
・手芸用裁ちばさみ(画像上段右から4番目)
作るぬいのサイズにもよるとは思いますが、まずは小さくて小回りのきくものがよいと思われます。筆者が愛用しているのはクロバーのパッチワークはさみ(13cm)。刃先まで切れ味抜群で最高の使い心地です。
・手縫い用針、糸
糸は生地の色となるべく近いものを用意します。顔を刺繍で作る場合は目の色、目の縁取りと眉毛、瞼、口など必要に応じた色の糸も必要。
・手芸用綿
ぬいの命。
・定規
ナメてかかっていましたが裁縫は結構計算との勝負です。無理苦手。誤魔化ししか勝たん✊
・ピンセット
先が尖っていてある程度長さのあるものが良い。埋まった糸を引っ張りたい時や綿をぬいぐるみの奥の方に詰め込む時などに重宝(後で調べたら目打ちという専用アイテムがあるらしい)。
⦿必須ではないが筆者はないと終わるもの
・グルーガン(画像下段右)
死ぬ時は一緒に棺桶に入れてほしいくらい愛しています。実は昔買ったものが家にずっとあったのですが3体目を作り始めるまで存在を忘れており、気がついてからは無双状態です。簡単に言うと熱で溶かした糊をオモチャの銃(オモチャではない)で押し出して布と布をくっつけるために使うのですが、これがマジで本当にすごい。布同士ならかなり頑丈にくっつくし、先が細くて細かいところにもねじ込めるので個人的にはめちゃくちゃ扱いやすい。表に縫い目を出したくない髪の毛の接着や入り組んでいる部分への小さいパーツの接着など、ほぼ全部これです。冷めると固まって硬さが出るのと、はみ出してしまった液体の部分は白くなって目立つので量には注意が必要。
・アイロン(画像中央辺り)
家庭衣類用は大きすぎるのでぬい作りに適さないのと、使いたい時に手軽に出せないのがかなり作業の効率を下げるので手芸用の小さなものを購入しました。布の折りしわを伸ばしたり接着シートをつけるのに使います。
・アイロンマット
すぐどけたりどけなかったりできる大きすぎないものがオススメ。どけている間は飼い猫のオモチャになります(やめて)。
・まち針
合わせた2枚の生地がずれないように仮止めしておくための針。最近知ったけど縫う時に横着してこれを怠ると計画の全てが狂います。
・糸通し(画像中段左から2番目)
神器。何故か銀色の横顔が描いてあるアレ。毛羽立った糸の先や糸を2本以上使用したい際にらくらく針に通せるので大幅な時短とストレス軽減に。
・印つけ用ペン/チャコペン(画像上段中央辺り)
布に印をつける際に。薄い色の生地用に紫などの濃い色と、濃い色の生地用に白を用意します。水に濡らすと消えるタイプや時間が経つと消えるタイプなどがあります。
・アイロン接着シート
筆者はKIYOHARAのアイロン接着シートを愛用しています。生地の広い範囲を両面張りにすることができるので、生地の厚みや強度を補ったりするのに大変重宝しています。端が少し剥がれてきやすいので剥がれを見つけたらグルーガンで補強。
・接着芯
生地に貼り付けてハリや硬さを出すためのもの。帽子の鍔などの硬さが欲しいパーツに。片面接着なので裏側に別途生地を貼り付ける必要があります。
・裁縫用接着剤(画像上段右)
筆者が使っているのは裁ほう上手という種類。乾くと少し硬さが出ます。スティックタイプは生地両面に塗るのですが、たまたまその時塗りすぎたのか本当にすぐになくなる、10cm四方の布をくっつけただけで1本なくなりました(悲しい)。あと色が白いので染み出した時に目立つ。なので付属のヘラで伸ばして使える透明なチューブタイプのほうが気に入っています。塗ったあとの布をアイロンがけするとさらに強力にくっつくらしいです。
⦿できればあるといいもの
・好きな音楽
同じ作業の繰り返しでなかなかに飽きが来るので、自分の好きな音楽を流しておくとさりげなく刺激や変化が得られ精神衛生上とってもよろしい。
・ロータリーカッター(画像下段右から2番目)
刃の部分が丸いローラー状になっているカッター。大きさも何種類かあって替刃もあります。定規を併用すると直線があっという間に裁断できるので便利。慣れたらはさみ無しでロータリーカッターで曲線も切れます。
・カッターマット(画像道具下)
ロータリーカッターを使う際これがないと机が傷つくので一緒に用意しましょう。目盛りが付いているものもあるので場合によっては定規代わりになるかも。あと作業台がそれっぽく見えるので何もわからず形から入りたい筆者タイプの人にはオススメ(?)。
・メジャー
直線ではなく立体を測りたい時に。帽子パーツを作る時は出来上がった頭パーツの円周が必要だったので使用しました。
・あて布
余った歯切れで十分。アイロンがけをする際に生地のテカリなどのダメージを防ぐ為に必要。
⦿使ってみたら超感動したもの
・チャコ消しペンマーカー
消えないチャコペンを消すためのペン(語彙力の終わり)。これについては次の制作過程の記事で詳細を書きます。
・ミシン
筆者はジャノメのNP400というコンピューターミシンを使用しています(3万円くらい)。2体目のぬいぐるみを作っている最中くらいに購入し、茶色の帽子はミシンで縫いました。良さですが、圧倒的時短。だいたいですが、例えば体の前後を縫い合わせる作業だと、手縫いで40分〜50分かかるところをミシンだと5分で終わります(本当に)。さすがに顔の刺繍はミシンではできないので頑張って手縫いをするのですが、それ以外のパーツで、立体になってしまう前の工程であればミシンを使用することができるので、綿詰め前の顔の刺繍以外はほぼミシンで解決します。時短が第一の目的ですが強度も手縫いより圧倒的に増します。値段が決して安くはないのと、知識がないと取っ掛かりにくいのが難点ですが、継続的にぬい作りをしたい!という方はあったほうがいいです。世界が変わります。
●用語・行程ごとの初心者視点の感想
ここからは筆者がぬいぐるみを作っていく中で特に知らなかった、躓いたなどで知識の習得や工夫が必要だった項目について用語ごとに取り上げていきます。
⦿型紙
材料も揃ったところで早速ぬいぐるみ作りに取り掛かりたい。しかし何からすれば?「ぬいぐるみ 作り方」とかでググる。そうすると「型紙」と呼ばれるパーツごとの分解図のようなものに辿り着きます。顔、首、耳、後頭部、体、などなど……ぬいぐるみを構成するための各パーツが、立体にした時にしっかり繋がるように計算され尽くされていて、この世には個性豊かな型紙を作ってくれている神たちが多数存在します。なのでぬいぐるみを作るには、まず好きな型紙を見つけて、それを紙に印刷し、はさみで形を切り出し、布に描き写す、という作業から始めることになります。
筆者は型紙の印刷が面倒だったので、1、2体目の時はスマホ上に保存した型紙の全長を直接定規で測り、布にした時に全長15cmになるように換算しながらおおよそのサイズを出して直接布にマーキングしました(頭から首までがスマホだとだいたい何センチだから布だと何センチくらい、首から足の長さはだいたい割合的にこのくらいという具合に)。丁寧な人が見たら失神するレベルのだいたい具合ですね。左右が対象なら布は繋がるし型紙から1mmズレたからといって出来栄えが悪くはならないはずなのでとにかく細かいことは気にしないという気持ちで臨みました(今だから己に説教を垂れるが1mm違えば出来に関わるのでちゃんとしろ)。この時測ってできた布を予備でもう1枚作っておいて型紙代わりにしているので2体目の時は結構楽でした。
3体目以降は印刷せずにどうしたかと言うと、本に原寸大の型紙が載っているので、いらないノートをちぎって本の型紙をボールペンで写し、それを切って型紙として使用しました。ズボラ星人。決して正確ではないので良い子のみんなはちゃんと型紙を印刷しましょう。
⦿縫い代
裁縫の時に重要なのが「縫い代」の存在です。裁断した布の外側(裁ち目)から数ミリ内側の部分(仕上がり線)までの間の部分を指します。
基本的に生地は裏側から仕上がり線上を縫い合わせて最後にひっくり返して表にするので、縫い代がないと生地同士がくっつかないことになります。筆者は大雑把なのでこれに甘え「どうせひっくり返すんだし多少ズレても平気っしょ」の精神でザクザクと縫いました(意外となんとかなったけど本当はもっとちゃんと丁寧にやるべき)。また型紙やパーツによっては仕上がり線上ではなく縫い代上を縫う場合もあるので間違えないように作り方をよく確認しましょう。
⦿玉結び、玉留め
通した糸が布から抜けないように、また縫い終わった糸が抜けないように縫い始めには玉結び、縫い終わりには玉留めが必要です。何も知らない素人は玉留めの作り方など知るわけもなく、とりあえずググり画像と格闘すること15分。こういう「おかしい……できない……」と悩んでいる時間が一番疲れますね。ちなみに玉結び自体は本当に簡単で慣れれば5秒でできます。これこそ経験が自分を強くした瞬間。積み重ねれば最強になれるという事だよ(誰)。縫い終わりの玉留めにはある程度糸の長さが必要なので、余裕を持って5cmくらいは糸を残しておきたいところです。
以下、筆者にだけ伝わる玉結びのやり方です。
玉留めをする時は布の玉留めを作りたい部分に針を添えて、同じように糸を巻き付けておさえながら針を引き抜くだけです。玉結び、玉留めのどちらも、終わりの結びは絶対にほどけるんじゃねぇぞという強い意志を持って引っ張って固く結んでください(糸をちぎらないようにね)。
⦿刺繍
生地と生地を縫い合わせる目的ではなく、顔や服の模様などの形を糸を使って表現することがあります。ぬいぐるみの命である目と眉、口などはこの刺繍によって表現されています(プリントシールやワッペンなどの場合もある)。刺繍での顔の表現は上級者向けのようですが、筆者の中には当時より既に刺繍以外の選択肢はありませんでした。何故なら顔が良い推しの顔をより良い顔に再現したかったから(この人は何を言っているんだろう)。当時ぬい作り初心者の筆者がまず何をしたかというと、手元に適当なぬいぐるみの目元の拡大画像を用意し、糸の流れを観察しました。どうやら瞼や眉などの横に長い形は縦方向にひたすら細く糸を通し続けることで成り立っているっぽいですね。
瞳など色を塗りつぶしたい場合は糸を長く平行に渡していくのを繰り返します(サテンステッチと言うらしい)。
ここで先程玉結びと玉留めの話の時に触れた、糸の「1本取り」「2本取り」というものが出てきます。とは言っても名前の通り、糸を1本で使用するか2本で使用するかの違いだけです。パーツとパーツを手縫いで縫い合わせる時には1本取りで十分ですが、刺繍のように糸の色で形を表現したい場合は2本取りでないと生地に糸が埋もれてしまい難しくなってくるのです。ちなみに3本でもやってみましたがそうすると糸が太すぎて細かい表現ができないのでこちらも不向きであるという印象でした。結論、刺繍の糸は2本取りがオススメです。
手縫いの糸を購入すると、だいたい束になっていて、末端を探して引っ張り出してみると合計6本からなっていることがわかります。使う時はこの中から2本取って引っ張り出すのですが、勢いよく引っ張ると絡まって大変なことになるので、ゆっくり、使わない方の糸をおさえながら引っ張りましょう(この糸が絡まるというアクシデントが個人的にはぬい作り中に頻繁に起こるかつめちゃくちゃムカつく事象No.1です。刺繍糸を取り出す時もそうだし、手縫いの最中に糸を引く時もおさえながらゆっくり引くように気をつけないとすぐに絡まります)。
ほんの0.5mmずれるだけで線が仕上がりの線がガタガタになってしまうのでここは手を抜かずに慎重に作業していきます。ぬい作りにおいて一番時間のかかる工程ですが、お顔が可愛くできると完成した時の達成感もひとしおです。
ちなみに刺繍枠という布を挟んでピンと張っておけるアイテムがあり、筆者も購入しましたがまだ使ったことはなく、裁断したあとの顔パーツをなでくり回し手汗で消えるマーキングと戦いながら刺繍をしています(何故)。刺繍をしていると布を持っている方の利き手と逆の手がめちゃくちゃ痛くなるのですが、その現象も少しは解消されるでしょうか?次は試しに使ってみたいと思います。どちらにせよ、生地をピンと張った状態で刺繍をしていかないと仕上がりがヨレヨレになってしまうので気をつけましょう。
⦿ダーツ
型紙を見ると顔などの丸いパーツにはV字の切り込みが数箇所存在しますが、これをダーツと言います。これを裏側から縫い合わせることで立体を形成することができます。ダーツ自体は小さな切り込みなので6〜7針くらいでひとつ3分〜5分もあれば縫い終わります(ミシンがある場合はミシンを使えば10秒で縫い終わるのでミシンは積極的に使った方がいい。手縫いはそれほどに手間と時間がかかる)。
⦿中表に合わせる
本によく出てくる単語です。生地の表面同士を内側にくっつけるという意味で、そうすることで生地の裏側から縫うことができるのですが、毎回めちゃくちゃ裏表を間違えるので要注意!!各パーツごとに、必ず、表面同士が内側になっているか、今から縫う場所は裏面なのかを確認しましょう!!顔のようなわかりやすいパーツならまだしも、首と体の接続や、後頭部などの構造が複雑だったりひと目で見て形がわかりにくいパーツは、とにかく間違えます‼️裏側を縫っている時は自分が今どのパーツのどの部分を縫っているのかだんだんわけがわからなくなってくるので、型紙に振られている合番や合印と呼ばれる目印が合っているかどうかも確認が必要です。
●よくやる失敗一覧
何を隠そう、筆者は非常にドジの為、同じ過ちを永遠に繰り返しながらぬいぐるみを作っています。代表的なものをここに公開いたします。
⦿顔の刺繍が雑
まずこれです。手縫い最大のメリットは、「ひと針単位でやり直しがきく」ことです。それなのに、時間がかかるから、疲れたからという理由でズレを許容し次に進んでしまうのです。その結果せっかく描いた下書きからかけ離れた刺繍をしていることが非常に多いです。戻れよ。思ったところと違うところから糸出てきたな……と思ったら、その時点で戻ってやり直しましょうね。推しはいつまででも我々を待っていてくれますから。
⦿生地の裏表を間違える
ちょうどついさっき出てきた内容ですね。冗談抜きで、何回も間違えて、縫った後に違うことに気がついて、糸を切ってやり直して、という行為をひたすら繰り返しています。2枚の布をアイロン接着シートや接着剤で貼り合わせる時もそうです。何度でも、平気で間違えるのです。なんで?
⦿薄い生地を貼り合わせず1枚で使う
ナイレックスなどの薄手の生地は、そのまま1枚で使うと強度が足りずテロテロすぎたり、色が透けてしまうことで裏側の接着剤が見えてしまったりなどという問題が発生します。なので基本的にアイロン接着シートなどで2枚を1枚に貼り合わせて使います。この作業を怠って後から後悔することがよくあります。なんで?最初からやろうね。
⦿生地を2枚貼りにする前に裁断してしまう
これもよくやります。上記の工程の際、基本は裁断する前の生地にアイロン接着シートを貼り付けて2枚貼りにしてから、型紙の形に切り出すのですが、2枚貼りにするのを忘れて先に型紙の通りに生地を裁断してしまい、あとからアイロン接着シートを型紙の形に合わせて無理矢理貼ることになります。そうするとどうなるかと言うと、生地の端まで接着シートが行き渡らず生地端は接着できない、ということになります。どうせ接着されないのは縫い代部分なんだし裏返したら見えなくなるんだから良いじゃん‼️とも思いますが、裏返さずそのままグルーガンで接着するパーツだったり、アイロン接着シートを型紙ギリギリに切り出すのがめんどくさかったりということがあるので事前に貼り合わせるに越したことはありません。以下、本来のアイロン接着シートの使い方です。
⦿アイロンを使う時に下にアイロンマットがあることを確認しない
最初なんて酷いもので、アイロンを買ったのにアイロンマットを買わずに、カッターマットの上に布を置いてそこでアイロンをかけていました。するとどうなるでしょう、熱でカッターマットがヨレヨレの刺繍顔(※↑の方に出てきた画像)のようになってしまうのです(当たり前体操)。アイロンを使う場合は耐熱のアイロンマットは必ず用意しましょう。
あと、筆者はまだ幸い経験がありませんが、ロータリーカッターを使う際は、必ずカッターマットを敷いた上で、切りたい布の下に切りたくないものが敷いてないかどうかを必ず確認しましょうね。作りかけのお顔とか、ね…………(ホラー)。
⦿脳内の記憶を頼りに資料を見ない
特に版権のキャラクターを作る際に。筆者が作った4体目のぬいぐるみは実は間違った場所にパーツをグルーガンで接着してしまったことに接着後にすぐに気が付き、めちゃくちゃ誤魔化して修正してあるので、間違えた部分にグルーガンを剥がした小さな傷が付いています。ぬいぐるみは等身の小さいデフォルメなので複雑な衣装などは間違えてしまうことがあり、手段によっては後戻りできないパターンもあるので注意しましょう。
⦿まち針をチョビっとしか使わない
これが、特にミシンを使って縫う際に良くなくて、ミシンの押し出す力に負けて、あっという間に上下の生地がズレていき、想定と全く違う場所が縫われてしまいます。カーブを描くところなどは特にズレやすいので、かなり細かくまち針で固定しておいたほうが良いです(減るもんじゃないし)。
⦿生地に遠慮してしまう
意味がわからないと思いますが、つまり何が言いたいかというと、裏側から縫えたものを表に返したい時、またはある程度縫っていって立体になりかけているパーツにさらにミシンをかけたい時に、「綿詰め口が狭くて上手に裏返らないよ〜」とか、「立体が邪魔をしてミシンの押さえに縫いたい部分がうまく入らないよ〜」という場面が出てきます。その時に、生地を握り潰して押し出すなりミシンの押さえに引っ張ってねじ込むなどする必要があるのです。それを遠慮して、「せっかく綺麗に縫えたのに……」「生地もとい推しがかわいそう……」などと躊躇してしまうと、次の工程に進むことはできません。一度縫った場所は、ミシンでも手縫いでも、余程のことがなければほどけてしまうことはありません。また、生地は「布」なので、種類によるものの、シワになってしまってもそこまで圧がかかっていなければだいたいは自然と元に戻りますし、アイロンをかければ元通りになります。つまり、時には心を鬼にして生地を握り潰す覚悟が必要ということになります。これが思い切ってできるようになってから、作業がとてもやりやすくなったような気がします。筆者は非力なので大丈夫でしたが、読者様の中には生地を摘んだだけで引き裂くことの出来るハイパー怪力体質の方もいらっしゃるかもしれないので、生地が傷まない程度に力加減は調整してくださいね。
⦿ミシンに生地を巻き込んでしまう
小さいパーツを縫っている時に、恐らく布端がミシンの穴を塞げないくらいのサイズだったため、降りてきた針に生地が押し出される形で下部の穴に巻き込まれてしまい、ミシンがエラーを起こして止まってしまったことがあります(3回くらい。なぜ学ばない❓)。その際は一度ミシンに付いている針を外して、巻き込まれてしまった生地を慎重に引き抜いてからもう一度針を装着すれば元に戻りましたが、生地がなかなか抜けずにさすがにヒヤッとしました。小さいパーツをミシンで縫う時の対策として、薄い紙を生地の下に敷いて紙ごと縫い、縫い終わったら紙をちぎって取るという方法があるそうなので、次からはそうします。
●おわりに
今回の記事はここまでです。次回は実際に作ったぬいぐるみの工程を、その時に抱いた感想も添えて載せていきたいと思います。それでは良きぬい作りライフを!
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