【直撃】「What is NJPW?」(2)元新日本プロレス執行役員・武田有弘氏編「初のPPV! 長州力×大仁田厚戦」
いわゆる暗黒期を脱し、独走中といわれる新日本プロレス。その新日本プロレスにおいて、最近まで執行役員を務めていたのが武田有弘氏である。一世を風靡したnWoブーム、長州力×大仁田厚戦、武藤敬司らの全日本移籍、桜庭和志参戦……、これらの影には、実は武田氏の存在が不可欠だった。果たして、新日本プロレスとは何か? その謎を解くための鍵を探すべく、話を訊いてみた――。(聞き手◉“Show”大谷泰顕/2016年11月24日、都内カフェにて収録)
(⬆︎武田氏が深く関わったnWoも、DVDマガジン『燃えろ! 新日本プロレス』に収録されている)
《【連載】What is NJPW? の記事一覧》
▪︎例の小川直也×橋本真也戦
――以前から蝶野正洋さんの遅刻癖はよく聞いていたんですけど、逆に2時間遅らせて約束してくれればよかったのになあ。
武田 難しいのは、嘘の取材時間を伝えて、もし早く来られたら、それはそれで困るじゃないですか。
――そうなんですけどね(笑)。
武田 朝にしようが夕方にしようが、遅れるんですよね(笑)。
――時間は何時でも、結果は一緒なんですよね(笑)。
武田 今はお子さんもいるし朝方になっているだろうけど、あの当時はひと晩中考えながら起きていて、それで遅れちゃうんじゃないかなあ。
――例えば、なかにはこの仕事は遅れるとマズいですっていう仕事があるじゃないですか。
武田 はいはい。
――その場合でも遅れて来るんですか?
武田 なんかね、そこは何となくチョイスがあるのかわかんないけど、CM撮影とかテレビ収録とか、第3者的な共演者がいる場合は、意外と遅れないんです。
――ちゃんと来ると。
武田 いや、ちゃんとは来ないけど(笑)。
――それでもちゃんとは来ない(笑)。まあ、多少遅れる程度で済むと。
武田 そう。自分一人、ピンの取材だと大幅に遅れますよね。
――その頃の蝶野さんは困った方でしたね。
武田 その点、武藤さんは時間に正確ですね。
――あ、そうだったんですね!
武田 あの人が遅れたのは見たことがないですねえ。
――それは凄いというか、当たり前なんですけどね(笑)。
武田 スーパースターなのにその辺はキッチリ。経営云々を抜きにしても、社長になろうとしたことはありますよね。実際になったわけだけど。
――目指す目線によって変わるんですね。
武田 武藤さんは一般人に近い日常生活を送っていますよね。
――少し話がハズれますけど、武藤&蝶野と近い関係だった武田さんは、例の小川×橋本戦(99年1月4日、東京ドーム)はどう思っていたんですか?
武田 俺はあの試合は蝶野さんとダッグアウトで観ていたんですよ。
――ダッグアウトで。
武田 僕はさっきも言ったようにnWoのマネジャーをやっていたから、やっぱり武藤・蝶野側寄りの考え方でしたよ。
――というと?
武田 あまり面白く思ってはいなかったでしょうね。ただ、テレビの視聴率を取ったり、一般的な話題はそっちのほうがあったじゃないですか。
――そうでしたね。
武田 だけどチケットを買って来る人は、あんまりそういうのを求めていなかったみたいだけど、テレビ局とかマスコミの需要はそっちのほうがあったから、そのさじ加減というか、バランスが悪かったんでしょうね。
(⬆︎長州力オフィシャルブログにタイガー服部氏と一緒に登場した武田氏)
以下、その内容を一部紹介
▪︎初のPPVだった、長州力×大仁田厚戦
▪︎なぜ武藤敬司は新日本を辞めたのか
▪︎猪木問答
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