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僕は友人のユニコーンであり厄介オタクだった。
みなさんはユニコーンという概念を知っているだろうか?ユニコーンとは、主に女性アイドルや女性vtuberなど推しに対して処女性、純血性を求めるオタクを揶揄する概念である。神話に登場するユニコーンは処女にのみ懐き、非処女・非童貞に対しては獰猛になることから、この概念が生まれた。
そしてユニコーンが悪化すると推しに対して反転アンチとなり、やがては厄介オタクになるのだ。
最近気づいたのだが、僕はリアルな友人に対して強烈にユニコーンなのである。もうユニコーンすぎて厄介オタクになりかけているまである。
どういうことか?
例えば友人と一緒に街を歩いているとき、友人が見知らぬ女性を見て「今の子かわいいな」と言ったとする。もうこの時点で僕の頭からユニコーンの角が生え始めるのである。
好きなAV女優の話とか絶対したくない。要は友人のセクシュアルな部分を見たくないのだ。
友人が交際相手の話をしたときなんて、もう角が最後まで伸び切って完全にユニコーンになってしまう。◯◯(友人の名前)はそんなこと言わない!◯◯はそんなこと言わない!!◯◯はそんなこと言わない!!!
僕の中では友人という存在は、しょーもない馬鹿話をしたり、ハマっている趣味の話をしたりする存在なのである。だから友人が交際相手の話をするのは解釈違いなのだ。そして友人のユニコーンをやっていて辛いことは、リアルタイムで解釈違い情報を浴びせられることである。
例えば推しのアイドルが男との関係を匂わせたとする。するとファンのユニコーンたちはダメージを受ける。しかし、推しのアイドルとファンの間にには一定の物理的距離が存在し、新たな匂わせ情報が出現したとしても、その新情報がファンに届くまで時間がかかる。
しかし友人の場合リアルタイムで次から次へと匂わせというか、ダイレクトに交際相手の話が飛んでくるのである。なんとか必死に解釈を合わせようとしてる僕の脳に、解釈違い情報がとめどなく押し寄せた結果、僕の脳は完全にショートしてしまうのでした。深刻なErrorが発生しました…。深刻なErrorが発生しました…。
ここまで読んだ方は、単なる非モテのひがみと思うかもしれない。もちろん僕は非モテなのだが、現在パートナーはいるのである。
というか自分がパートナーいるのに、友人にパートナーがいるのを嫌がるとかワガママすぎるだろ!
念の為言っておくと、僕は友人に対して自身のパートナーの話をあまりしない。なぜなら友人と話している自分がその話をしてしまうと、自分に対して解釈違いが発生するからだ。
なぜこのようなことになってしまったのか?
おそらく思春期の環境に問題があったのだろうと僕は考えている。
僕は友人が少なく、さらに学生時代において友人全員が交際相手がいなかったのである。
またオタク系の友人ばかりだったので、好きなアニメキャラや声優の話はするけれども、クラスの誰が好き?などの話は一切しなかった。その結果、自分の中で友人とは「異性の話は一切せず、馬鹿話やオタク話をするだけの存在」としてカテゴライズされてしまったのだ。
もし僕に出会った当初から交際相手持ちの友人がいれば、恋愛話をする普通の人間になっていただろう。でもそうはならなかった。ならなかったんだよ、ロック…。
ああ、God knows…を聞いてアニソンの完成度に身を震わせ、らんらんるーで共に笑っていた頃に戻しておくれよ。式の日程の話とか、両家の顔合わせが大変とか、そんな現実的な話はやめにしないか。そもそも長門が俺の嫁だったじゃないか…。長門を放りだして君はどうしたんだい?
この世は無常だ。この瞬間、瞬間、常に変化を続けている。だから君も変わっていくのだろう。頭ではわかっているが、心がついていかないのだ。どうかいかないで…。
とまあこんな風にヘラり散らかしていたのですが、最近ようやっとユニコーンが治まってきました。友人にガンガン交際相手の話をされた結果、「この友人は交際相手がいるのだ」と脳内情報が強引に書き換えられたのでしょう。まあ、まだ僕の頭には少しだけユニコーンの角が生えているのですけれども…。
持病のユニコーンが悪化して厄介オタクにならないように気をつけながら日々を生きていこうと思います。
🦄おわり🦄