嫌われる勇気から、3つ
少し前に読み切った「嫌われる勇気」だけど、
折に触れてその内容は思い出すようにしている。
最も、タイトルからは人付き合いのイロハやコツみたいなものが書いてありそうなものだが、実際の内容はアドラー心理学の真髄であり、ライフスタイルをごっそり変えてくれるモノである。
その中でも私が最も印象に残しているのは、目的論・他者の期待に答える必要はない・過去も未来も存在しない、の3つだ。
目的論とは全ての行為、感情も含めて自分がこしらえた目的を果たすための道具に過ぎないというものであり、これを思い出す事で本当に自分が考えていることや目的を考える事ができる。そうする事で、自分の言動がどのような衝動に駆られているのか少し理解できるように感じる。それだけでも、後悔する事が減ったり何か行動するきっかけにもなる。
他者の期待に応えない、に関しては本編にもある「自分が自分のために生きていないのであれば、いったい誰が自分のために生きてくれるだろうか。」という一説と共に強く覚えている。承認欲求や他者からの評価を得るためだけの行動は、他者がこうして欲しいという期待の上で生きている。それが自分の目的に適い、主体的に選択している行動は別として、ただ期待に応えるために生きることはやめにしよう。いつでも自分が自分の人生に生きているのであることを意識するだけで、日常の細かい事でも善い選択ができていく。
極論、今この瞬間にしか生きているだけで、人生は点の連続で過去と繋がった線でできているのではない。こう考えるだけで環境や育ちに関わらず、自分が次に何処へ点を打つか次第で変わるんだと。
過去と現在を繋げてしまうと、過去は変えられないのだから現在も変わらない、そしてなんとなく未来がみえてしまう。それが計画的な人生には必要なのかもしれないが、そもそも計画的な人生というのは必要・不必要の前に不可能だというのは間違いない。過去にどんなことがあったのかなんて「いま、ここ」には全く関係ないということ、そしていつまでも次に点を打つ場所は自由に決められることは忘れずに生きていきたい。
他にも「全ての悩みは対人関係」などのパンチラインがアドラー心理学の哲人から悩める青年にどんどん放たれていく。
一度読んだ事がある人ももう一度読み返す事で心に残る場面が前回とは違ったりするだろう。
そんな事も考える間も無く「いま、ここに強烈なスポットライトを当て、全力でダンスする」ことが最もアドラーに対して示したい態度なのかもしれないが。