【映画レビュー】『バッド・キャット』の感想!コンペノミネート作品だけどぶっちゃけ結構がっかり映画!
※この記事は過去にアメーバブログで投稿した記事の再編集版として無料公開としております。
https://ameblo.jp/nejimakikoibumi/entry-12283744877.html
2021年11月3日にディスクリリースを果たすということで、2017年の東京アニメアワードフェスティバルで上映された時の感想を掘り返してきましたよ。
バッドキャット
制作年:2016年 / 制作国:トルコ
監督:メフメット・クトゥルス
東京アニメアワードフェスティバル(以下TAAF)、長編コンペノミネート作品ということで、貴重な日本での劇場公開の機会に体験してきました。猫の映画と思って油断するなかれ。普通に下品でグロ有りのR15+映画です。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと
かなりイマイチ
なビミョーな作品でした。
もうちょっと詳しい感想を書いていきます。
これがTAAFコンペに選出されるとは......
A|TAAFのコンペ作品といえばある程度のグレードが保証されていると思っていたものの、ちょっとその期待を裏切られたなぁと感じる本作。
なにが問題かといえば、まずストーリーになんにも没入できなかったところは結構致命的と思っております。
バッドキャットことシェロがある事件をきっかけに飼い主に追い出されたり、自分の子供にであったり、雌猫に惚れたりといった物語が一本にまとめられた映画なんですが、このストーリー自体は結構よくあるエピソード。「下品だし、やることなすことクズなやつ。だけど実は・・・」みたいなアプローチって腐るほどいろんな作品やキャラクターでやられているので、今更やられても特に新鮮味がないどころか、古臭いぐらいに感じられました。
今更こういう作品がTAAF長編コンペで挙がってくるのはちょっと理由が見えませんでした。
解説付きの回ではノミネート理由が語られたと思うのですが、ちょっとモチベーションが上がらなかったし他の上映作に時間をあてたくなるほど再度の鑑賞意欲がなかったので、そっちの回は避けました。すみません。
シェロは命を尊ぶ気持ちのない、こち亀の両さんって感じ。ガチクズ。
バイオレンス描写もエロ描写もやたらちょっと中途半端
実は序盤ではそこまでガッカリしていなかったのです。
序盤、あるシーンで過剰なぐらいのグロ・バイオレンス描写があるので、あ、こういうアプローチで、なんでもアリな見せ方で攻めてくる作品なのかな?と思わせられたぐらいのときは期待感はあったのですよ。
がそういったグロ・バイオレンス描写はまさかのその序盤がピーク。
以降はそういったラインを超えるようなものはないという展開でした。「えっじゃあなんであそこでそんな過激なことやったの?」という不思議なバランス。しかもこのバランスも前述のストーリーとの食い合わせが悪く、スタートダッシュこそ凶悪なラッシュをかけたくせに、締めこそなんかいい話っぽく持っていこうとするので不誠実できまりが悪いのです。
今回登場するヒロインの雌猫もやたら身体のラインがセクシーになっていたり、こういう部分も“大人向け”の期待を煽るんですが、なんかエンドロールでむちゃくちゃ交尾しまくる描写を誤魔化し程度でぶち込むぐらいで、映像的な一線を超えるような一目置くほどの描写はありませんでした。
キャラクター造形は結構好きなんだけどね。
大人向けの尖り方でも評価できないので、なおのこと、なんか誰に向けて何をしたかった作品なのかが見えてこないのですよね。アニメと大人向け表現の挑戦のバランスで言ったら近作の『ソーセージパーティー』の方が圧倒的なバランス感を見せてくれていた、のもあって尚更。相対的に見劣りが激しいです。
元の漫画もゲスネタありのコミックらしいので、それをアニメ化するうえでなんかバランス感どうしたらいいんだろうか......と悩んだ結果なんでしょうか?まとまりはお世辞にも良いとは思えないし、ホントよくTAAFの長編コンペ通過しましたよ......。
CGのルックは質感も独特でディフォルメされてるのに妙にリアルな感じが好きなだけに惜しい作品ではありました。さすがに日本公開は厳しいと思っていただけに今回のディスクリリースにはビックリです。良かったな、『バッドキャット』。
ゲテモノアニメ好きな人はぜひ観てみてくださいませ。
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