【注目】『スクービー・ドゥー』2022年最新作『トリックオアトリート スクービー・ドゥー!』でベルマのレズビアン描写がついに登場した件
スクービー・ドゥー新作であるシーンが話題!
先日HBOmaxで大量の企画がキャンセルされている話をしましたが、サービス自体はまだまだ続ける意向はありまして、アニメーションでも新作が製作されています。
そんな作品の一つが、『Trick or Treat Scooby-Doo!』です。
おなじみ(日本じゃ言うほどおなじみじゃないけど)『スクービー・ドゥー』シリーズのハロウィンスペシャル的な最新作。
本作は10月4日にデジタル先行配信を実施し、14日にはカートゥーン・ネットワーク、そして15日からはHBOmaxで配信を開始する予定の、TVスペシャル的な立ち位置の作品です。なのでアニメ映画……ではないのですが、一応長編作です。
そんな本作、作品自体というより、“作品のあるシーン”が話題になっています。
スクービー・ドゥーシリーズではおなじみのレギュラーメンバーであるミステリー社のメガネがトレードマークのメンバー・ベルマ(メガコ)。彼女が、ファッションデザイナーのココ・ディアブロというキャラクターに好意を抱くシーンが登場しました。
このシーンが、スクービー・ドゥー作品史上画期的なシーンとなりました。
実はベルマは長年にわたって同性愛者であることが、アニメーションで描かれることはなかったキャラクターだからです。
密かに知られていたベルマの同性愛設定
『スクービー・ドゥー』が1969年スタートなので、半世紀近く『スクービー・ドゥー』シリーズはいろんな作品が作られてきました。ベルマはそれらのいくつものシリーズで異性愛者として描かれてきて、シャギーに好意を抱いているキャラクターという認識を持っている人も多いでしょう。
一方で、『スクービー・ドゥー』に携わってきた複数のクリエイターがベルマを同性愛者として描こうとする動きもありました。
2002年にラジャ・ゴスネル監督、ジェームズ・ガン脚本という体制で作られた実写映画『スクービー・ドゥー』では、当初、同性愛者として描こうとしていたことがジェームズ・ガン監督自身のTwitterで明かされています(現在は削除)。しかし、ワーナー・ブラザースからはストップがかかり、それらの描写は採用されず、なんなら続編ではベルマにボーイフレンドができるという顛末を描かれてしまいます。
2010年より3年間制作された『Scooby-Doo! Mystery Incorporated』ではベルマをバイセクシャルキャラクターとして描いており、製作に名を連ねるトニー・セルボンさんがInstagramで、すべてのベルマを代表している訳ではないが、許される限りはっきりと同性愛者として描くつもりであったことを明言しています。
そんな20年近くの流れを経て、今回は本編で決定的な同性愛者のキャラクターとして描かれたという訳で、満を持してといった感じがします。
かつては、ワーナーによって止められた表現が20年をかけて実現したのは、時代の流れでもあるのかもしれません。
Googleが粋な演出を追加
そんなベルマの表現をお祝いしてなのか、なんとGoogleでVelmaと検索すると、プログレス・プライド・フラッグ(LGBTQシンボル)とレズビアンフラッグ(レズビアンシンボル)が紙吹雪と共に降ってくる演出が追加。
カタカナで“ベルマ”と打っても降ってこないのでちゃんと英語で検索しましょう。
……と思ったら日本名のメガコでは降ってくるんですよね。
細かい。
カートゥーンネットワークで観てた勢なので、平成以降の人にとってはベルマの名前の方がピンと来るんじゃないかと思いますが。
ベルマの波が来ている!?
そんなベルマですが、実はHBOmaxで新たなアニメーションシリーズの主人公として登場することが発表されています。タイトルはそのまま『Velma』!
今作のベルマはなんとインド人として描かれるそうで、トレーラーで明らかになっているような従来の子供向け作品よりも上の年齢層を意識したシリーズとなるそうです。
同性愛者になれたかと思ったら、今度はインド人になろうとしていたりと、忙しいベルマ。これだけいろんなバージョンが作られるなら、『スパイダーバース』ならぬ“ベルマバース”もいつか実現するかもしれないですね。
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