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【映画レビュー】しっかりド級のパワーアップ!ただこのまま放り出されるのは辛い!『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』の感想
出来るだけ早めに新作を感想書いていきたい。
『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』のざっくりとした感想
『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』を観てきました。
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スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース
制作年:2023年 / 制作国:アメリカ
140分 /ソニー・ピクチャーズ・アニメーション
監督:ホアキン・ドス・サントス、ケンプ・パワーズ、ジャスティン・K・トンプソン
2018年に公開されアメリカのアニメーション映画に一つの流行を生み出した『スパイダーマン:スパイダーバース』に続編が登場。前作のラストにちょこっと登場したスパイダーマン2099など新たな世界のスパイダーマンも登場して、主人公のマイルスがある運命と対峙する前後編の前編(!)。
監督の布陣が前作から変わっていますが、フィル・ロード氏&クリストファー・ミラー氏のコンビは前作に続いて今作でも製作に名を連ねています。
監督は前作から総取っ替えの三人。
それについては先日購読者向けに記事を書いてます。
さて、そんな本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……
すンばらしい傑作映画!でした。
前作にはなかった画作りや演出の連べ打ちに圧倒される至福の140分でした。
ざっくりではなくもっと詳しい踏み込んだ感想を書いていきます。
『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』のもっと踏み込んだ感想
■複数の世界観のキャラクターから世界観そのものが複数へ!
前作の『スパイダーマン:スパイダーバース』という作品が、複数の世界観のキャラクターが一つの画面に一堂に会する映画だとしたら、今回の『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』は世界観そのものがいくつも登場する映画にパワーアップ!
マイルスの世界だけでなく、グウェンの世界や、ミゲルの世界、そして最後に踏み込むあの世界に至るまで、それぞれの世界に“テイスト”があって、観客は物語を進んでいくことでそのいろんな“テイスト”を探検して行くことになるアドベンチャームービーになっております。
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絵のタッチが異なる映像が混在する作品自体は、最近でも短編『語らない思い出(Souvenir Souvenir)』なんかが印象的だったり、キャラクター自体のごった煮ぶりだったら昨年の『チップとデールの大作戦レスキュー・レンジャーズ』みたいな例もありました。
ただ『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』ほどがっつり複数のテイストを跨ぐ作品もなければ、しかもそれが混ざり合うように各世界観のまま混ざり合い、しかもその状態で複数の軸があるストーリーが描かれる…….なんて様子はちょっと観たことがありません。
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もうさ、冒頭のグウェンのバースのシーンから、素敵すぎますよね。
絵画のようなタッチの世界の出身だったのか!と衝撃でしたし、しかもそこにいきなり別バースで古紙のようなバルチャーが乱入してくるとか、楽しくてしょうがない。
Twitterでは #今年一番スゴいアニメの話をしよう なんて大それたハッシュタグを公式が使っているんですが、映像体験としてそう自負するのも納得の、凄まじい映像でした。
前作からパワーアップした凄まじい映像は今年一番級!
■「スパイダーマンとは」という核に迫る内容へ!
『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーマン』が見事なのは映像だけじゃないのが、またスゴいところ。
これでもかと何人ものをスパイダーマンをいたずらに出すだけじゃなく、“そもそもスパイダーマンって何なの?”という話に踏み込んでいくのだから、また面白い。
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この映画ではスパイダーマンとは悲しい宿命が決まっている存在としての側面が描かれており、ある意味メタ的にスパイダーマンを見ている観客であったり、読者が抱く「スパイダーマンらしさ」を定義に持ってきているんですよね。
そんな中で、その宿命に抗って行くのが我らが主人公マイルスくん。
まさに作中でもイレギュラーな存在として扱われ、そもそもマイルスはスパイダーマンなの?どうなの?と、マイルス本人にも、観ているこちらにも改めて問いかけてくる映画となっていました。
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そんなテーマだからこそスパイダーマンのジャンルの網羅ぶりも凄まじく、実写のスパイダーマンの世界や、ゲームのスパイダーマンの世界も今作では混ざってきていて、本気で「スパイダーマンとは?」に迫る覚悟も感んじました。
スパイダーマンにそんなに興味ない人からしたら、「どうでもいい」と思われかねないテーマでもあるんですが、“○○らしさ”といったレッテルとの戦いとも受け取れることができると思っていて、ある意味今日的なテーマな映画だとも思うのですよ。
そんな映像だけでなくテーマでも多層的に描く映画に見えました。
スパイダーマンが扱うテーマとしての面白さや重量感がまた良い
■グウェンの物語としては収まりはいいけれども……
映像もストーリーのテーマも素晴らしい!
じゃあこの映画も素晴らしい!
……なんてシンプルにまとめられたら良かったのですが、本作、個人的には手放しには褒められないやや悩ましくもある映画でした。
まずそもそも全然話が完結してないよなってところ。
前後編になることはあらかじめ知っていたとはいえ、前述の「スパイダーマンとは」みたいな話は全然投げっぱなしのまま終わってしまったし、最後のマイルスくんなんて、またそれとは別の課題と対峙していたり、忙しい。
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一応、グウェンの物語としては一本の映画としての体裁は保たれていたとはいえ、それでも具体的にグウェンが仲間を集めてこれから何をしようとしているのか、みたいな具体的なプランなども見えなかったので、最後の熱い展開も正直熱くなりきれなかった自分がいます。
結局後半ありきの映画になってしまっているよなぁ……というのは、はっきりと残念な部分でした。
マイルスの物語としては後編に投げっぱなしすぎて残念
まとめ
●今年一番と言っても過言ではない映像体験!
●ストーリーやテーマの部分でも映像に負けない重厚感!
●前後編の前だけ見せられたモヤモヤ感が拭えないのが残念
というわけで、現時点ではやっぱり「早く続き観たい」「続きを見れないと結局このテーマの描き方が良かったのか悪かったのかわからない」という悩ましい映画でした。
後編の公開は2024年を予定しているということで、1日も早い続報を期待しています。
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