見出し画像

【2022年発表】第25回文化庁メディア芸術祭受賞アニメーション作一覧!

アワード系のまとめが全然追いついてないて申し訳ないのですが、今年は忘れずに文化庁メディア芸術祭についても言及しておきますよ。

文化庁メディア芸術祭とは
1997年よりスタートした、高い芸術性と創造性をもつ優れたメディア芸術作品を取り上げるメディア芸術の総合フェスティバル。毎年「アート」「エンターテインメント」「アニメーション」「マンガ」の4部門で優秀な作品を表彰してくれるのですが、有識者の方が審査に携わってくれているおかげで、ことアニメーションを表彰する日本の賞では、かなり信頼に足る賞だと思っています。

このnoteでは例によってアニメーション部門に絞って結果を紹介していきますよ。他の部門は、公式サイトをチェックしてくださいませ。

文化庁メディア芸術祭公式サイト:https://j-mediaarts.jp/

ちなみに今年のアニメーション部門の選考メンバーは以下の通りです。

審査委員
大山 慶(プロデューサー/株式会社カーフ代表取締役)
権藤 俊司(アニメーション史研究者/東京工芸大学准教授)
須川 亜紀子(横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院都市文化系教授)
藤津 亮太(アニメ評論家)
水﨑 淳平(アニメーションディレクター/神風動画代表取締役)
選考委員

青柳 美帆子(ライター)
植草航(イラストレーター/アニメーション作家)
小野ハナ(短編アニメーション作家/画家/UchuPeople合同会社)
高瀬康司(アニメーション研究/批評家)
タニグチリウイチ(ライター/書評家)
荻原由加里(帝京大学文学部日本文化学科講師)

https://j-mediaarts.jp/contest/jury_members/

ではざっと受賞作追ってまいります。

第25回文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門結果

★大賞:『The Fourth Wall』(短編)

今年の大賞はイランのMahboobeh KALAEE氏の短編アニメーションが受賞。
アヌシーやザグレブ、さらには新千歳空港国際アニメーション映画祭でも名前が上がってきている作品ということで、すでに高い評価を獲得してきていた作品でしたが、並み居るライバルを抑えて文化庁メディア芸術祭の大賞をかっさらっていきましたね。

■優秀賞:『幾多の北』(長編)

『頭山』などを手がけた日本が誇る山村浩二監督の初の長編アニメーション映画が、優秀賞の一角入り。かなり攻めに攻めた癖の強い一本。現状イベント的な上映しか実施されていないですが、全国上映はまだなのかな。

私の感想はこちら(↓)

■優秀賞:『漁港の肉子ちゃん』(長編)

企画・プロデュースに明石家さんまさん、監督には『海獣の子供』の渡辺歩監督という布陣で制作された話題作。国内外の賞レースでの評価も高く、文化庁メディア芸術祭でもしっかり結果を残しました。

私の感想はこちら(↓)

■優秀賞:『Letter to a Pig』(短編)

https://www.talkantor.com/letter-to-a-pig

存在すら知らなかったイスラエルのTal KANTOR氏の短編アニメーション。ホロコーストの生き残りである年老いた男性の辛い記憶と、それを聞いた少女の内なる旅の様子を描いた作品……ですと。ドキュメンタリー系の作品です。気になる。

■優秀賞:『Sonyy Boy』(TVアニメ)

TVアニメで最も高い評価を獲得したのは、監督・脚本を夏目真悟氏、キャラクター原案を江口寿史氏、制作マッドハウスの布陣で制作された異色の“漂流教室”の『Sonny Boy』。昨年末に物語る亀さんとこのアニなら年間ベスト回で、ノミネート作品に上がっていた縁もあり、珍しくすでに全話完走しているのですが、これがまぁめちゃ面白かったので、受賞も納得です。

▲新人賞:『オッドタクシー』(TVアニメ)

映画が上映されたばかりの2021年の話題のTVアニメが、新人賞へ。
アニメ外で活躍していた此元和津也さんが脚本、監督しては初登板となる木下麦さんという布陣でのヒットということで新人賞にふさわしいTVアニメです。

▲新人賞:『骨噛み』(短編)

オタワ国際アニメーション映画祭の短編部門でもグランプリを受賞した他、多くのアニメーション賞で取り上げられている矢野ほなみさんの『骨噛み』がこちらでも受賞。点描が印象的な短編作品です。

▲新人賞:『Yallah!』(短編)

こちらも今回の受賞で初めて存在を知ったフランスの短編アニメーション。
“1982年、レバノンの首都ベイルートを舞台とする本作は、内戦を逃れるため故郷の町を離れようとするニコラスと、スイミングプールに行くことを固く決心したむこうみずなティーンエイジャー、ナジの交流を描く。”作品なんですと。

◆ソーシャル・インパクト賞:『PUI PUI モルカー』

話題賞的な立ち位置であろうソーシャル・インパクト賞には、見里朝希監督によるストップモーションアニメーション『PUIPUIモルカー』。受賞も納得の昨年の話題作でした。

●審査委員会推薦作品

雑多に優秀作品が詰め込まれる審査委員会推薦作品はまとめて並べときます。

新しい街 ヴィル・ヌーヴ(長編)
カラミティ(長編)
機動戦士ガンダム閃光のハサウェイ(長編)
劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(長編)
劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト(長編)
サイダーのように言葉が湧き上がる(長編)
ジョゼと虎と魚たち(長編)
魔女見習いをさがして(長編)
明るいほうへ(長編※ただしオムニバス形式)

高野交差点(短編)
不安な体(短編)
プックラポッタと森の時間(短編)
ホッキョクグマすっごくひま(短編)
マンガガールズ(短編)
Have a Nice Dog!(短編)
I'm Late(短編)
KEMUKUJARA(短編)
Les larmes de la Seine(短編)
Lifeblood(短編)
Life’s a Bitch(短編)
Loop(短編)
Snails’ Breakfast(短編)
Steakhouse(短編)
The Wind Whistles(短編)
Wayback(短編)
The Flood(短編)
45Rオフィシャルサイトアニメーション(短編)

別冊オリンピア・キュクロス(TVアニメ)

暗く黒く(MV)
Rabbit Hole(MV)
Restless Lovers(MV)

https://j-mediaarts.jp/award/animation/

『鬼滅』をはじめとした昨年の有力長編アニメーション映画たちはこちらのラインナップに勢ぞろい。短編にもしっかりすでに海外でも高い評価を獲得している作品が並んでいます。

受賞作品展は2022年9月16日〜日本科学未来館にて開催予定とのこと。
これらの作品に加えて、他の部門の受賞作も集まるので、オススメのイベントとなっています。


noteはほぼ毎日更新実施中!
更新情報が届くので、ぜひフォローよろしくお願いします。

コアな内容をお届けする月額480円の購読マガジンもやってます。
購読者増加中!ありがとうございます。

<記事購読メリット>
・よりディープなアニメーション映画の世界を紹介
・購入月の記事の有料範囲も読み放題
・単品購入よりも圧倒的にお得!

過去のアーカイブも月間ベースでご購入いただけます。
買い切りの方で買ってくれても嬉しいです。

お仕事も引き続き募集中ですので、お気軽にご連絡くださいませ。

nejimura@gmail.com

ここから先は

0字

月20回以上更新(多分)。一記事あたり25円以下でお楽しみいただける計算となっています。クレカ決済だと初月無料です。

アニメ映画に関する最新情報、イベントレポート、古今東西のアニメ映画作品レコメンド、海外アニメ映画事情、Tipsなどなど…アニメ映画に関する…

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?