見出し画像

【映画レビュー】TVシリーズ未見で挑む!『劇場総集編SSSS.DYNAZENON』の感想

4月に入ってますが、3月投稿予定記事だったので、3月分のアーカイブに収めております。

『劇場総集編SSSS.DYNAZENON』のざっくりとした感想

『劇場総集編SSSS.DYNAZENON』を観てきました。
2週間限定上映だったので、上映終了日に慌てて滑り込みで行ってきましたよ。

劇場総集編SSSS.DYNAZENON
制作年:2023年 / 制作国:日本
121分 / TRIGGER制作
総監督:雨宮哲 監督:宮島善博

https://eiga.com/movie/98569/

90年代に制作された特撮「電光超人グリッドマン」を原作とするテレビアニメ「SSSS.GRIDMAN」に続いて制作された2021年放送のシリーズ第2弾「SSSS.DYNAZENON」の劇場総集編。

新作『グリッドマンユニバース』が公開目前ということで予習的な上映となっています。1月に公開された「SSSS.GRIDMAN」があまりにも良かったので、思わず「電光超人グリッドマン」を完走しちゃうほどだったので、今作も楽しみにしてました。

本作を観てきた感想を一言で言うと……

優良作。

満遍なくまとめられていた印象のGRIDMAN総集編に対し、こちらは「この人のドラマは端折られているんだろうな」という瞬間があるザ・総集編。“仲間”というよりも“恋愛”の色が濃かったのが、実はTV版とは違う感触なんじゃないか?と思いつつ、恋愛アニメ好きとしては嫌いになれない一本でした。

もっと踏み込んだ感想を書いていきます。


『劇場総集編SSSS.DYNAZENON』のもっと踏み込んだ感想


■「GRIDMAN」とは違う面白さ!そこを拾うんだ!?

『劇場総集編SSSS.GRIDMAN』の時は、元の特撮もTVアニメシリーズ『SSSS.GRIDMAN』も一切観ていなかったのですが、今回はそれらを観た上でTVアニメシリーズの『SSSS.DYANAZENON』だけを未鑑賞で臨みました。

結構イメージと違ってびっくり。

「ダイナドラゴンが出る」とか「合体ロボット的なアニメ」といったざっくりとしたイメージだけを聞いていましたが、実際に本編を見てみると蓬くんと夢芽ちゃんの恋愛ストーリーの色がかなり強い

(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

世界観などの繋がりから『SSSS.GRIDMAN』とは大枠は近いのに、グリッドマンという具体的なヒーローとなる存在がいなかったり、怪獣の扱いが“非日常”の象徴として展開していったりと全く別の味付けになっていて、しっかり独立した作品として“楽しい”“上手い”が詰まった作品になっていました。

『SSSS.GRIDMAN』と違った角度の楽しく上手い恋愛物語!


■“仲間”として物語が活きてなくない?と思ったら……

こういう恋愛話、大好きなので全然楽しく観れた一方で、全然4人で乗り込むロボットとしてのシナジーが生まれてなくない?とかガウマさんが全然蓬と夢芽の話に絡んでなくない?といった上手くない部分が気になりました。

(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

中でもダイナストライカーを操縦する暦さんなんて、どう考えても割愛されてるだろってぐらい出番が少なめ。総集編を見る限り「居ても居なくても」いいぐらいの扱いになってしまっているのは残念でした。

「これ絶対、総集編でまとめた弊害が出ているよな……」と思って、総集編鑑賞後に一気にTVアニメシリーズを観てみましたが、案の定、蓬と夢芽以外の物語がバッサリカット!総集編でほとんど掘り下げられなかった蓬くんの家庭や、全然割愛されていた夢芽と鳴衣の仲良し描写、ガウマさんが迎えに行かせるように叱るシーン、一緒に花火をするシーンなどなど「え、そこカットするの?」といった部分も多く、全然別の印象を抱く内容になっていました。

今回の総集編映画、やっぱりかなり元のTVシリーズから薄められた味になっていたわけですね……。

(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

『劇場総集編SSSS.GRIDMAN』はその辺り上手くまとめて凝縮していたと感じていたので残念。元が密な内容すぎてカットするのが難しかったのですかね。

総監督が一緒でも監督が違うと、こうも印象が異なる総集編映画が出てくるんですね......。

TVアニメシリーズをあまり上手くまとめているとは言い難いまとめ方。


■怪獣のデザインはこっちの方が好き!?

一方で、『SSSS.GRIDMAN』と比べて、『SSSS.DYANAZENON』の方が好きだったのが怪獣のデザイン。すっごく人工物感のする派手な色合いがお茶目でかなり好みでした。

(C)円谷プロ (C)2023 TRIGGER・雨宮哲/「劇場版グリッドマンユニバース」製作委員会

怪獣といえば、どちらかといえば茶色とか地味めな色の印象が強かったので、今作のようなカラフルな攻め方は新鮮に映りました。

公式サイト(↓)ではちゃんとアニメーションモデルとデザインの2パターンを公開してくれているのも親切で嬉しいですね。

『グリッドマンユニバース』はどっちの路線で来るのか楽しみになってきました。

派手な色合いの怪獣デザインが新鮮で好き。


まとめ

●蓬と夢芽の恋愛ストーリーとしては楽しくて好き!
●二人の物語に注力しすぎてTVアニメを上手くまとめられてない!
●怪獣は好き。

というわけで久しぶりに総集編にしたばかりに薄味になったベタな失敗総集編映画でした。元のTVアニメのポテンシャルが高かった分、大事故にはなってなかったのかもしれないですが、『SSSS.DYANAZENON』自体はとても良くできてる作品なので、履修にはこの総集編はあまりオススメできないです……。

上手い総集編が続いていたので麻痺していたけど、やっぱり総集編映画を作るのは難しいんだなぁ。


関連記事

『SSSS.GRIDMAN』の方のレビューはこちら(↓)


noteはほぼ毎日更新実施中!
更新情報が届くので、ぜひフォローよろしくお願いします。
コアな内容をお届けする月額480円の購読マガジンもやってます。
購読者増加中!ありがとうございます。

過去のアーカイブも月間ベースでご購入いただけます。
買い切りの方で買ってくれても嬉しいです。

お仕事も引き続き募集中ですので、お気軽にご連絡くださいませ。
nejimura@gmail.com

ここから先は

0字

月20回以上更新(多分)。一記事あたり25円以下でお楽しみいただける計算となっています。クレカ決済だと初月無料です。

アニメ映画に関する最新情報、イベントレポート、古今東西のアニメ映画作品レコメンド、海外アニメ映画事情、Tipsなどなど…アニメ映画に関する…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?