全10作品!アヌシー国際アニメーション映画祭2022の長編コンペティションノミネート作品一覧!
今年もアヌシーの季節がやってまいります。
2022年6月13日〜18日にかけて、世界的にも特に大きなアニメーションの祭典、アヌシー国際アニメーション映画祭が開催されます。
ということで例によって、私のnoteでは長編コンペティションのノミネート作品をまとめていきます。
アヌシーの公式サイトはこちらね(↓)
そして、去年の記事はこちら(↓)。
今年も日本作品から紹介していきますね。
グッバイ、ドン・グリーズ!
TVアニメ『宇宙よりも遠い場所』のいしづかあつこ氏を始め、同作に近い布陣を揃えて劇場オリジナル長編に挑んだ作品。夏休みに山火事の犯人と誤解された3人の高校生が無実の証拠を探しに旅立つロードムービー。
日本興行こそ目立った結果を残せなかった分、ここで高い評価を獲得して凱旋したいですね。
岬のマヨイガ
『のんのんびより』の監督・川面真也さん、脚本・吉田玲子さんのタッグで描く、柏葉幸子さんの同名原作作品をアニメーション映画化。“ずっとおうえん。プロジェクト”の一環で制作された作品でもあり、第76回毎日映画コンクールのアニメーション映画賞を受賞した作品でもあります。
作中の昔話パートが、ポスターのルックからは想像もできないアニメーションになっていて見応えがあります。あと“ふしぎっと”ってなんだよ、って話を擦り続けていきたい。
以上、今年は日本から2作品が長編コンペティションにノミネートされました。
続いて、ヨーロッパ圏中心の作品。
Saules aveugles, femme endormie
村上春樹の短編小説である「めくらやなぎと眠る女」(Blind Willow, Sleeping Woman)を、フランスのMiyu プロダクションがアニメーション映画化。監督・脚本を、ピエール・フォルデスさん。彼のお父さんは著名なアニメーターであるピーター・フォルデスさんでもあります。
製作に日本が関わっていないということで、海外映画でおなじみの日本に限りなく似ているけど日本ではない“謎の国JAPAN”描写が飛んでくるかもしれない。
Interdit aux chiens et aux Italiens
20世紀初頭のイタリアのピエモンテの村で生まれた祖先が、生活に苦しみ、より良い生活を夢見て海外へ出るという、家族の移民の歴史を描いた作品。監督は今作が初の長編作となるアラン・ウゲットさん。今年の長編コンペでは唯一のストップモーションアニメーションです。
タイトルを和訳すると“犬とイタリア人は禁止”という意味なのですが、当時フランス人がイタリア移民を差別して、カフェのドアにぶら下げていたというフレーズなんだそう。
The Island
『マロナの幻想的な物語り』のアンカ・ダミアン監督が、またもや変なビジュアルのアニメーションで帰ってきた!昨年の釜山国際映画祭でワールドプレミアを果たした『The Island』がアヌシーにも殴り込みです。
ロビンソン・クルーソーの物語をポストモダンに再解釈した映画らしいけど、「なに言ってんだ」ぶりが逆に楽しみでしょうがない映画です。
Charlotte
ドイツ系ユダヤ人のシャルロッテ・サロモン(Charlotte Salomon)さんが、画家を志すも反ユダヤ政策によって夢も阻まれて……という、アウシュビッツにてガス殺されたという、実在の人物を題材にした作品です。恥ずかしながら、彼女の存在すら知らなかったもので、ぜひ、今作で学びたいところです。
監督を『フェリシーと夢のトウシューズ』のエリック・ワリンさんと、『アングリーバード クレイジー・サマーキャンプ』シリーズのタヒル・ラナさんが務めます。
Le Petit Nicolas - Qu'est-ce qu'on attend pour être heureux ?
作家のルネ・ゴシニ氏と漫画家のジャン=ジャック・サンペによって制作されたフランスの絵本シリーズ“プチ・ニコラ(Le Petit Nicolas)”を水彩調にアニメーション化するという企画……らしいのですが、今回のノミネート発表時点でも、まだその映像はお披露目されてない模様。代わりに2010年に日本でも公開を果たした、実写映画のトレーラー貼っとくわ。
今回の映画では、監督を『パリ猫ディノの夜』でアニメーターとして参加していたアマンディンさんと、『失くした体』で編集を務めたベンジャミンさんがタッグで挑みます。
Unicorn Wars
『サイコノータス忘れられたこどもたち』のアルベルト・バスケス監督最新作!『地獄の黙示録』と『バンビ』、そして聖書にインスピレーションを得て書き上げられたという時点でどうかしてそうな、かわいいクマちゃんとユニコーンたちの文明戦争映画。個人的に私の大本命なので、楽しみにしています。
そして、残る2作品は、一応ヨーロッパ勢も噛んでるけど、メインはそこ以外の国になってる作品。
Nayola
アンゴラでの数十年にも及ぶ内戦に、レレナ(祖母)、ナヨラ(娘)、ヤラ(孫娘)の三世代の女性が翻弄される内容を、過去と現在を織り交ぜながら描く作品。
ポルトガルのアニメーション作家として活躍するジョゼ・ミゲル・リベイロ監督が、初めて60分越えの長編作に挑みます。
My Love Affair with Marriage
背景にストップモーションアニメーションを用いたり、作中でミュージカル要素を取り入れたりと、多くの手法を取り入れながら、少女・ゼルマが恋愛や結婚、愛とは何かを考えていくという作品。
『ロックス・イン・マイ・ポケッツ』のシグネ・バウマネ監督の最新作で、実際に自身も二度結婚をしていることから、その経験に基づいた作品となっているそう。ちなみにシグネ監督はラトビア出身だけど、現在はニューヨーク在住。
以上、10作品!
今年も例によって公開前の作品が多く、情報の少ない映画も多いので、ざっと並べるだけでも大変だったりします。これも、お披露目の場としてアヌシーが活躍している証拠かもしれません。
この中から、最高賞であるクリスタル賞を受賞する作品が選ばれます。果たしてどの作品が受賞することになるのでしょうか!?
というテンプレートな締め方でこの記事を終えます。
作品個別にもうちょっと詳しい情報なんかを今後も記事にしていこうと思いますので、無理に購読までしてとは言いませんが、せめてフォローしてくれたら嬉しいです。
そして、例によってアヌシー長編の部はこれで終わりではない!
コントルシャン部門という部門で、さらにもう10本の長編アニメーション映画が選出されています。
……例によって体力をゴリゴリ削られるので、また改めて別でまとめます。
(※ 2022年5月9日追記)
書きました。
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一昨年のノミネート一覧(↓)
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