全12作品!アヌシー国際アニメーション映画祭2024の長編コンペティションノミネート作品一覧!
2024年6月9日〜15日にかけて、世界的にも特に大きなアニメーションの祭典、アヌシー国際アニメーション映画祭が開催されます。今年もこの季節がやってきましたね。
ということで例によって、私のnoteでは長編コンペティションのノミネート作品をまとめていきます。
アヌシーの公式サイトはこちらね(↓)
そして、去年の記事はこちら(↓)。
というわけで例によって、地域別に紹介していきます。
きみの色
『映画聲の形』『リズと青い鳥』など京都アニメーションで制作をしてきた山田尚子監督が『平家物語』でタッグを組んだサイエンスSARUとともに新作長編を制作。日本では2024年8月30日の夏休みラストに公開します。
化け猫あんずちゃん
『カラオケ行こ!』『1秒先の彼』の山下敦弘監督と『花とアリス殺人事件』でロトスコープアニメーションディレクターを務めた久野遥子監督がタッグを組み、いましろたかし先生の同名コミックをアニメーション映画化。
制作にはMIYUプロダクションが名を連ねているので日仏合作作品となっています。日本公開は2024年7月。
窓ぎわのトットちゃん
黒柳徹子さんの世界的ベストセラー「窓ぎわのトットちゃん」を『映画ドラえもんのび太の月面探査記』の八鍬新之介監督がアニメーション映画化。昨年末に日本公開を果たし、日本映画批評家大賞のアニメーション作品賞や、日本アカデミー賞の優秀アニメーション作品賞(非最優秀)などに選ばれ、国内での評価は上々です。
屋根裏のラジャー
『メアリと魔女の花』のスタジオポノックが『二ノ国』の百瀬義行監督と共に小説「ぼくが消えないうちに(The Imaginary)」をアニメーション映画化。日本興行こそ3億に届かず爆発力はなかったのですが、2024年7月5日からはNetflix配信も始まり海外に向けて展開が広がっていきます。、
以上、今年は日本から4作品が長編コンペティションにノミネートされました。
続いて、開催地のアヌシーとも近いヨーロッパ圏の作品。
Angelo dans la forêt mystérieuse
『ペルセポリス』のバンサン・パロノー監督と『Zombillenium』のアレクシス・デュコード監督の二人がタッグを組んでヴィンシュルス氏のグラフィックコミック『Angelo dans la forêt mystérieuse』をアニメーション映画化。実はこのヴィンシュルスさんこそバンサン・パロノー監督の漫画家の顔。漫画家が自身の作品を映像化したまた一つの例としても注目です。
Flow
たった一人で手がけた作品としてアヌシーのコントルシャン部門でグランプリを受賞した『AWAY』のギンツ監督が、今度はチーム制作で挑む新作映画。自身の過去の短編を長編作品に昇華し、水に覆われた世界のとある猫の物語が描かれます。
The Most Precious of Cargoes
アウシュビッツ行きの列車から父によって投げ出され、ある木こりの家族に発見された少女を描いたジャン・クロード・グランバーグさんの小説をアニメーション映画化。監督を務めるのは『アーティスト』や『キャメラを止めるな』のミシェル・アザナヴィシウス監督です。
Rock Bottom
70年代初頭を舞台にボブとアリフの2人のアーティストのラブストーリーを描いた作品。作中の曲やタイトルは元ソフト・マシーンのドラマーであるロバート・ワイアットさんの2枚目のソロアルバムから引用。
監督のマリア・トレナーさんは短編『Con qué la lavaré?』(04)などを制作した方。長編作品の監督は今作が初。
Sauvages
『ぼくの名前はズッキーニ』のクロード・バラス監督が新作映画を制作。ボルネオ島の熱帯林を舞台にケリアといとこのセライ、そしてオランウータンのオシが森林伐採に立ち向かうお話となるそうです。農家で育ち、自身の親の世代で近代化を経た自身の体験も踏まえ、森林破壊や地球温暖化に臨む現代に対して思うところがあるようです。
Slocum et moi
タイトルを直訳すると“スローカムと私”……ということで1895年に小型ヨットでの単独世界一周に臨んだ実在の人物、ジョシュア・スローカムが題材。出発の遥か前の1950年に彼の船であるスプレー号のレプリカの建設に臨んだ親子の物語が描かれるようです。
監督を務めるのは『絵の中の小さな人々』や『浜辺のルイーズ』を手がけて、数々の賞レースを受賞してきたジャン=フランソワ・ラギオニ氏。
残るは他の地域。
ストーム
『DAHUFA -守護者と謎の豆人間-』の不思凡監督の新作映画が中国から唯一ノミネート。大龍湾に沈没されたとされる巨大な船が出現し、そこには財宝が眠っているとされ、主人公の饅頭は父を追ってこの船に乗り込むことになるのですが、そこで様々な者たちと遭遇するというお話。
東京アニメアワードフェスティバル2024で先行して日本上陸を果たしています。
Memoir of a Snail
オーストラリアから唯一の選出となったのが『メアリー&マックス』のアダム・エリオット監督新作『Memoir of a Snail』。1970年のオーストラリアを舞台に、立ち続けに親を失ってしまう双子の兄妹の物語が描かれるストップモーションアニメーションです。個人的に『メアリー&マックス』がオールタイムベスト級に好きなので実は割と贔屓めに応援してます。あわよくば日本公開されないかな。
以上、12作品!
今年は長編コンペティションだけでも日本作品が4作品も並ぶという事態。
日本のアニメーション映画の海外展開が以前よりも充実してきた今、国際的な映画祭のコンペティションに出品することの意味が大きくなってきた証拠でしょうか……。
一方でライバル作品たちも賞レースですでに結果を残してきた名監督たちの新作が今年もずらりと並んで、アニメーションの天下一武道会のようなラインナップとなりました。
果たしてどの作品が受賞することになるのでしょうか。
といういつものテンプレートな締め方でこの記事を終えます。
作品個別にもうちょっと詳しい情報なんかを今後も記事にしていこうと思いますので、無理に購読までしてとは言いませんが、フォローしてくれたら嬉しいな。
そして、例によってアヌシー長編の部はこれで終わりではない!
コントルシャン部門という部門で、さらにもう11本の長編アニメーション映画が選出されています。
……例によって体力をゴリゴリ削られるので、また改めて別でまとめます。
※2024年5月19日追記
コントルシャン部門もまとめました。
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