【映画レビュー】20周年記念作は大きなお友達に向けた攻めた作品!?『映画プリキュアオールスターズF』の感想
今年もプリキュア映画の季節がやって参りました。
『映画プリキュアオールスターズF』のざっくりとした感想
『映画プリキュア オールスターズF』を観てきました。
年一本体制に戻ってからは初めてとなる劇場版となったプリキュア劇場版シリーズ最新作。20周年を記念して、歴代プリキュアが集結するオールスターシリーズが復活。現行シリーズの『ひろがるスカイ!プリキュア』が映画デビューを果たすほか、久しぶりに応援アイテムの来場者特典“ミラクルライト“を復活させた点でも注目作です。
監督を『映画スター☆トゥインクルプリキュア星のうたに想いをこめて』や『映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!』の田中裕太氏が久しぶりに務めます。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと
「そんな話やるの!?」というハード展開と「そういえばそういうのやってなかったな!」という手で、TVシリーズをあまり追っていない私もその歴史にグッと来る20周年記念作でした。
若干ネタバレも含むもっと作品の内容に踏み込んだ感想を書いていきます。
『映画プリキュアオールスターズF』のもっと踏み込んだ感想
■内容はややハードめ?大きなお友達の見応えに応える一本!
今回のプリキュア映画、「よくぞ73分という枠におさえられたな!」とびっくりするほどの密度でした。
冒頭、意味深な映像が流れたと思ったら、急に異世界に飛ばされる主人公達……そこで出会う数々の別のプリキュア達とその世界が秘めた違和感……実はこの映画には“前日譚”があり、プリキュア達は一度負けていて、地球は崩壊していた──
という、女児向けコンテンツにしてはなかなかに攻めた悲劇性を秘めた内容になっていました。
正直この“プリキュア達が負けてしまっていた”という事実が結構、私にはショックでした。プリキュアぐらいせめて作中の中だけでもいざという時には勝てる夢のある存在であって欲しい、という思いから少し嫌な気持ちにもなったのは確かなのですが……
しっかりリベンジマッチも成立させて、しかもその一度崩壊した世界から元の世界へと戻っていく過程で歴代プリキュアの名シーン(だと思う)が思い出として連続して流れていく演出から、各プリキュア達が合流する展開は、この20周年をずっと追ってきていない自分ですら胸熱……!
しかも、この名シーンを導き出すために必要なのが、今回から復活したミラクルライト。
このミラクルライトを振るシーンでは、歴代のキャラクターからオールスターには含まれにくいマニアックなプリキュア(映画限定のキュアエコーなど)に至るまで細かいところまで拾ってくれる配慮。
今回、キッズを楽しませるよりも、歴代のプリキュアファン達をしっかり楽しませるということに比重を置いているんだな…..ということには賛否あるかもしれませんが、少なくともハンドルを切った以上、向かう道に対する責任は全うした映画になっていました。
■キッズ向け映画として成立しているのかはやや心配
こうもプリキュアファンムービーになっていると、こういう年こそキッズの反応が気になるのですが。
19時とはいえ土曜なら.....と遅めの上映回に行ったら、ほとんどキッズのいない9割大人の箱に紛れ込んでしまってびっくり。やっぱり休日と言えど夜はダメでしたね。
むしろ大人ファンがこれだけ居るんだ……と実感できたのは大きかったですが、キッズの生の反応を体験できなかったので、悲劇的な内容ややや複雑な内容と構成の本作が受け入れられたのかは心配です。
ミラクルライトを振ることについてのガイドもなかったし、従来の映画よりも“不親切”に思えてしまったのも確かでして。ある意味、スマートな作品にはなっていたので大人としては嬉しいけど、やっぱり少し心配でした。
キッズの反応については、TwitterことXなどで報告を漁ります。
やっぱりプリキュアは、キッズファーストのものであって欲しいと思っているのですが、「オトナプリキュア」も始まるし、その節目という意味もあったのかな?
自身は大きなお友達として然るべき回に行って、キッズをあまり怖がらせずに済んだのなら、ある意味良かったよ。
■『ひろがるスカイ!プリキュア』がまたしっかり面白そう
また、毎回映画シリーズで初めて現行のプリキュアシリーズのキャラクター達を体験するのですが、『ひろがるスカイ!プリキュア』がしっかり面白そうですね。
ヒーローに憧れる真面目そうなキュアスカイことソラと、優しそうな母性見溢れるキュアプリズムことましろのコンビという、珍しい青系統色センターぶりも意外。
噂に聞いていた男児プリキュアのキュアウィングことツバサや、18歳のお姉さんプリキュアであるキュアバタフライことあげはにもしっかり出番が設けられていて、このメンバーがどんな物語を展開しているのかは気になりました。
どうしてもオールスターシリーズだと主役としての色が薄れかねないのですが、ベースのキャラクターが濃い分、現行シリーズも面白そうだな、というポジティブな印象が得られました。
ゲストキャラのキュアシュプリームがフツーに嫌な奴な分、際立ってしっかりみんな良い子だということも伝わったし、しっかり既存プリキュアと差別化できていて見事でした。
まとめ
というわけで、今回のプリキュア映画もしっかり良かったし、しっかり泣かされてしまいました。
私の推しであるハートキャッチプリキュアの出番はあまりなかったけど、結構前の作品だししょうがないです。
ハートキャッチプリキュアが好きすぎるせいの幻覚だったら申し訳ないけど、サブリミナル的にキュアマリンが挟まれていたような気がするのは気のせいかな。
あとどう考えても薄着すぎるのに雪山で全然寒そうにしてなかったのは妖精と宇宙人だから?
年に一、二回の映画での知識しかほぼないので各プリキュアの設定を思い出すのが大変でした。トロッコにダッシュで並走するのも地味に笑えましたが、それは意地悪な見方なのでしょうね。
私は心が汚れてしまっているんだ。
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