【映画レビュー】2022年も中国アニメ映画はハンパなかった!『新封神演義・楊戩』の感想
年末に観てきた映画のレビューを今しちゃうぞ!
『新封神演義・楊戩』のざっくりとした感想
『新封神演義・楊戩』を観てきました。
電影祭のプログラムの一作としての上映作です。
中国でも2022年に公開された中国映画。封神演義の登場人物としても知られる楊戩を主人公とした作品で、本作の制作は『白蛇:縁起』や『ナタ転生』で知られる追光動画が務めます。中でも『ナタ転生』とは同じ新神榜シリーズとして、同ユニバースを形成している作品となっています。
監督も『白蛇:縁起』、『ナタ転生』に続いて、チャオ・ジー監督が務めます。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……
す、すごい!
楊戩についてはボンヤリ知識なので、元ネタを踏まえては十分に理解できていなかったけど、しっかり映像のパワーでタコ殴りにされる体験!
クライマックスの神様スケールのバトルの華々しさは映画館ならでは。良いもん観せてもらいました、という気持ちになる秀作でした。
ざっくりではなくもっと踏み込んだ感想を書いていきます。
『新封神演義・楊戩』のもっと踏み込んだ感想
■予習は必要?無予習はやや厄介
まずこの『新封神演義・楊戩』の鑑賞の際に、前もって知っておきたいのが、そもそもの元ネタである楊戩(ようせん)に関する登場人物や用語が容赦なく登場すること。
知っていないと楽しめないことはないものの、正直見ている最中に
「誰だよ」「なんだよ」と思うことが頻発するはずです。
その辺りは公式Twitterさんも察してくれているようで、#(ハッシュタグ)楊戩豆知識でいくつかツイートしてくれています。これらを読んでおくのがおすすめです。
かくいう私も、過去にアニギャラ REWさんで紹介記事(↓)を書いておきながら、すっかりどんな話だったかは忘れていたので、鑑賞中に何度も頭にハテナを浮かべていました。
「宝蓮灯」という話がベースにあるので、時間があるひとはぜひこの元ネタについても調べてみるのがオススメです。
ちなみに『宝蓮灯』は中国でそれ自体がアニメーション映画化を果たしている作品でもあったりします。
日本ローカライズされてないので難しいのですが、機会があればこちらも観てみると、良いかもです。主人公は手前の少年の沈香(!)です。
■独自の世界観はやっぱり見応えあり
ただ“知っていないと楽しめないこともない”と言ったのにも理由があり、この『新封神演義・楊戩』は、その世界観や美術だけでもしっかり惹きつける力があるからこそ。
中国神話+スチームパンク+SFといった感じの、ちょっと観たことないような世界観となっており、『ナタ転生』ともまた少し違った雰囲気の映画となっています。
そして、この雰囲気で楊戩が鳴らすハーモニカがいい感じにハマるんですよね。もうその時点で、目も耳も楽しいから、元ネタを詳しく知らなくてもいいか……という気にはなります。
町の仕組みとか、飛行艇のデザインとか細か設定やデザインも逐一、新鮮味があるのでしっかり見応えがあります。
■神様スケールのクライマックスバトルは必見!
そしてきわめつけはラストバトル!
これがすっごく良い!!
神様レベルの戦いってこんなことになっちゃうのか、という迫力で圧倒してきます。そのスケール感はさすが中国映画。見事にスクリーン映えします。
すごいパワーに、さらにその上のパワーをぶつけていくところは、単純かもしれないのですが、「もうここはビジュアルで押していく」という製作者側の気持ちを勝手に受け取って、存分に頭よりも目で楽しませていただきました。
正直、このクライマックスのビジュアルがあまりにも『ドクター・ストレンジ』すぎるというのは、ある意味欠点かもしれないのですが、それもある意味、中国映画の「良いものをどんどん取り込んでいこう」という姿勢そのもの。
MCUから中国映画が何を学んでいるのか、というのが本作を観るとわかるのではないでしょうか。
まとめ
という感じで、かなり大満足の映画でした。
「予習必要」と言われると、敷居の高さは感じてしまうかもしれませんが、画だけでも十分楽しめるので、最悪無予習でも全然行っていいと思います。
ちなみにおまけシーンには『ナタ転生』の面々もゲスト出演しています。
『ドクター・ストレンジ』まんますぎる演出にはギョッとしたけど、しっかりそこからの墨絵の使い方など、独自性があってアガりますね。“新神榜”シリーズのドクター・ストレンジ枠で楊戩さんには頑張って欲しいです。
額に眼ェついてるとこは、似てるしな。
2023年1月からは拡大上映がスタートだ!
そして、電影祭自体はひと段落してしまったわけですが、実は『新封神演義・楊戩』が2023年1月より拡大上映されることが決定しています。
1週間限定にはなってしまうのですが、単日上映のみだったこれまでに比べれば全然行ける行ける!ぜひお近くの皆様はこの機会に足を運んでみてくださいませ。
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似た路線ですごかった中国アニメ映画の感想(↓)
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