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【映画レビュー】『フラ・フラダンス』の感想。すンごく良くできているのに注目を浴びきれてなくかわいそうな映画!
TOHOシネマズがauスマートパス会員向けに割引キャンペーンをやってくれていたので、週末中に滑り込んできましたよ。
『フラ・フラダンス』のざっくりとした感想
12月3日(金)より公開スタート、『フラ・フラダンス』を観てきましたよ。
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フラ・フラダンス
製作年:2021年 / 製作国:日本
BN Pictures製作 / 108分
総監督:水島精二 監督:綿田慎也
脚本:吉田玲子
福島県いわき市の実在のリゾート施設「スパリゾートハワイアンズ」のダンシングチーム「フラガール」を目指す新人ダンサーたちの奮闘を描くアニメ。「ずっとおうえん。プロジェクト 2011+10…」の一環として『バクテン!!』や『岬のマヨイガ』に続くアニメ作品3作目となります。
総監督は『鋼の錬金術師』シリーズなどの水島精二氏。そして監督を『アイカツスターズ!』シリーズなどの綿田慎也氏。そして脚本には『岬のマヨイガ』に続いて吉田玲子さんが担当しています。またか!
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……
とってもよい。
といった感じの佳作。
いやはや、フラダンスの世界、面白い!
チームアップ映画としても、
お仕事映画としても、
アイドル映画としても魅力に溢れてます。
ここぞのダンスシーンでルックが切り替わる感じとか結構気になるタイプなので、アニメーション的な魅力は弱く感じたけど、夏凪さんの踊り、元気で良いね。
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もう少し詳しい感想を書いていきます。
あと、アニギャラREWさんでも紹介記事を書いているのでこちらもご参考まで。観光映画そしてアイドル映画としての魅力に触れています。
『フラ・フラダンス』はとてもよくできたお仕事映画だ!!
『フラ・フラダンス』はかなり直球なお仕事映画。
主人公の日羽が就職先を見据えるところから始まり、自身の思い入れもあるフラダンスの世界に踏み出し、実力が周りに比べて追いつかないながら、練習を重ねたり、先輩や同僚との関わりによって成長を遂げていく姿が、とても丁寧に描かれています。
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面白いのが、舞台となっているスパリゾートハワイアンズは実際に、作中で描かれているように寮性になっていたり、就職と共に一丸となってフラを学んでいったりといった風習があること。就職はまだこれからというティーンズにとっても、学校や部活動の経験にも重なって観えて、舞台装置としてしっかり見事なぐらい面白い題材になっていました。
変に東北応援的な視点で強引に取り上げたような先入観を持っていた自身を反省です。
一応、作中に出てくる嘘としては、オハナちゃんというハワイ出身のフラガールが、施設に就職する例はなかったことが、Newtype2022年1月号の水島精二総監督のインタビューでも語られていますが、むしろそれ以外は、現実に忠実だというのが驚き。
この映画をきっかけにスパリゾートハワイアンズに就職したい、という人も増えるんじゃないですかね。
チーム物としても成立させている神技
そして見事なのが日羽のお仕事映画でありながら、日羽と同僚たちのチームアップ映画としても成立させているのが見事。
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経験豊富なリーダータイプで少し冷たい環奈。
愛嬌は抜群だけど体型を揶揄されがちな蘭子。
ハワイ育ちのセンスはあれどそれ故の悩みを持つオハナ。
夢も技術もあるけど極度の人見知りのしおん。
それぞれがしっかり個性的で、それぞれの悩みを抱えていて、そしてそれを同僚もしくは周囲との関わりを物語の中で解決していく。主人公のドラマをこなすだけでも大変なのに、それを4人分やるというのだから恐ろしいんですが、ものの見事に自然な形でそれを見せることができています。
際立った巧さともちょっと違うのですが、整理の上手さはさすが吉田玲子脚本といったところ。映画一本でここまで多くの物事を盛り込んで、それを自然に配することができるのは、ただ事じゃないですよ。神技的脚本が成せる技。TVシリーズで観たいと思わせる仕上がりなのは、そんな調整の巧みさが生きているおかげだと思います。
致命的なのはその“地味さ”“素朴さ”
じゃあ、それだけ良くできているのになんで、そこまでのヒットにもつながっていないし、『アイの歌声を聴かせて』のような口コミ的広がりも見せないのかは、正直本作が持つ「地味」な点や「素朴」な点じゃないでしょうか。
『鬼滅の刃』や『呪術廻戦』のような派手なアクションもなければ、『天気の子』とか『竜とそばかすの姫』のような観たくなるようなフックとなるような設定もない。いくらアイドル的見せ方をしていても、フラダンスを頑張る女の子たち……というフックだけでは足を運ぶ人も少ない気はします。
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肝心のフラダンスシーンもちゃんと良くはできているんですが、プリキュアとかバンドリとか踊り物や舞台物が、上質グラフィックで華美にやっている隣で、本作レベルのものを見せ場に持ってこられても、推したくなるほどの魅力にまではつながらないのが否めない!結局ストーリーの整理の美しさみたいなマニアックな褒め方になってしまうのが、パンチとして弱い気はします。
半分は作品というより興行の問題だし、映画の良い悪いとも外れてくる話なので、これで良いという意見も理解はできます。ただ、もっとフックになる魅力や見せ場があれば、大ヒット映画に化けることもあり得た映画だと思うだけに、もったいない課題であり、実は結構な致命的な問題ではないかとも思うわけですよ。
もっとヒットして欲しいなと思いつつ、この地味で素朴な物語は時勢的にも「足を運びたい!」ってなるほど、時間的に豊かな時代じゃない気もするんですよね。仕事で忙殺されてるような人こそ、仕事を見つめなおすには良い映画だとは思うのですが。
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みんなもっと軽率に日羽ちゃんたちの踊りを見に行きましょう。
良い映画です。ほんと。
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