【映画レビュー】なんだか『黒鉄の魚影』が不安になってくる『名探偵コナン灰原哀物語〜黒鉄のミステリートレイン〜』の感想
色々、感想を書いていない作品もありますが、せっかく観てきたばかりのこの映画の感想を書きますよ。
『名探偵コナン灰原哀物語〜黒鉄のミステリートレイン〜』のざっくりとした感想
『名探偵コナン灰原哀物語〜黒鉄のミステリートレイン〜』を観てきました。2023年1本目の劇場鑑賞です。
名探偵コナンのテレビシリーズ特別総集編上映が帰ってきた!
今春上映予定の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』の予習も含めて、今回ピックアップされる灰原哀と黒の組織との因縁のエピソードである「漆黒の特急(ミステリートレイン)」編を抜粋して90分にまとめた総集編。本編ラストには、映画に続く新規映像が上映されます。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……
珍作。
灰原登場場面とか流しつつも、結構ガッツリミステリートレイン編を丸々映画館で流しました企画。このエピソード、その実はバーボン答え合わせ編なので、単体で見る場合は各所に注釈がめちゃ必要。
一見さんお断りすぎて、正直映画の予習作にもならないファン向けの映像だったように思いますが、一方でファンはこの回自体は知ってる人多いでしょうから、需要に適うのかは謎です。
ざっくりではなくもっと踏み込んだ感想を書いていきます。
『名探偵コナン灰原哀物語〜黒鉄のミステリートレイン〜』のもっと踏み込んだ感想
■序盤はしっかり灰原哀フィーチャー!そこは灰原哀物語
本作、タイトルが「灰原哀物語」となっている通り、『名探偵コナン』の登場キャラクターの一人、灰原哀にフィーチャーした作品となっています。
その証拠に作品冒頭は、劇場版名探偵コナンシリーズでおなじみのコナンの口上を、灰原哀バージョンで制作するというファンには嬉しいサービス。
これは『緋色の不在証明』の時の赤井さんバージョンと同じ戦略なので、『黒鉄の魚影』の公開時には、灰原哀バージョンの口上もYouTuberに上がる感じですかね。
ミラクルキュートなサイエンティストぶりはちゃんと新規描きおろしなので、哀ちゃんファンにはオススメです。
そして前半は、懐かしい灰原哀の登場シーンが上映されます。
1999年放送の第129話の「黒の組織から来た女 大学教授殺人事件」のシーンを割と長尺で収録しており、今との顔つきの違いにびっくりできます。
というか、画面の縦横比も異なるようなかつての映像を、そのまま映画館で流したせいか、かつてないぐらいガビガビな線になっていて、スクリーンで流す限界を見た気がします。
あのガビガビぶりはぜひ前めの席で体験して欲しいよ。
細かいですが「競技場無差別脅迫事件」 「謎めいた乗客」「青の古城探索事件」といった哀ちゃんオススメ回を入れてくれてるところは親指がグッとたちますね。
■「漆黒の特急」という難しいエピソード
一方で、問題は後編……というか、割と早々に突入する「漆黒の特急(ミステリートレイン)」のエピソード。
今回の灰原哀物語はTVアニメ701話〜704話で描かれた黒の組織が灰原哀の命を狙いに来るという回が抜粋されています。
ただ、これには前述の通り問題があって、この「漆黒の特急」という回はただ単に黒の組織が灰原哀の命を狙うだけのエピソードではないんですよね。
当時は世良真純、安室透、沖矢昴の3人の誰かが、黒の組織の一人“バーボン”という謎が展開されていた時期で、この「漆黒の特急」でついにその正体が明らかになる、というバーボン発覚回でした。
なので、灰原哀物語と言いながら、このエピソードで一番重要だったのは、実は世良真純、安室透、沖矢昴の立ち回り。
そんなワケで灰原哀物語と言いながら、殺人事件は全然灰原哀じゃないところで起こっているし、クライマックスに関しては実は灰原哀が全然関わっていないという、チグハグさを感じる状態になっていました。
じゃあ、他にどのエピソードを流すか?といえば、あんまり思い浮かばないのですが、そもそもなんでこの企画やってるんだろうって疑問が湧いてきますよね。普通に前述の灰原活躍回をリメイクすれば……とも思ったけど、普通にリマスター放送すればいいし、実際に「競技場無差別脅迫事件」はちょうど昨年末にリマスター放送したみたいですしね。
まじで徴収のために上映したのか、この映画……!?
■ おまけ映像……なに?
そして気になるのは『黒鉄の魚影』に続くという新規映像。
『緋色の不在証明』でも大した映像はなかったので、それほど期待していなかったけど、今回もまぁ強烈。
なんて事のない日常生活を送っている灰原の映像にノイズが走り、ジンの姿が浮かび上がる……という結構メタ的な映像。
どういう気持ちで作ったんだ、っていう謎映像すぎる仕上がりですよ、これ。結局は映画の予告編の方が目を引くし、“新規映像”を謳いながら、コレを出してくるのは、厳しい言い方をすると「お客さん舐めてない?」とか思うんだけど、コナンファンは優しいから許してくれるのかな。
なんというか……
こういう心境でした。
まとめ
という感じで、割と問題作寄りだと思ったのですが、ある程度コナンを知っている身としては「懐かしいエピソードだなぁ」とか「この哀ちゃん好き」とかそこそこ楽しめてしまうのも事実で、複雑な気持ちになる一本でした。
このまま初心者に優しくないコンテンツとして走っていくのが、今後の名探偵コナンなのかな?
こういうのが出てくると『黒鉄の魚影』も心配になってきます。
公式サイト
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