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【映画レビュー】『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』の感想!『1』の呪いと夢と言う呪い

昨日、公開初日。早速行ってきましたよ。

『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』のざっくりとした感想

『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』を大阪・なんばパークスシネマさんの昼の回に観に行ってきました。平日ですし、人の入りはそこそこでしたね。

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映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ
制作年:2021年 / 制作国:日本
ファンワークス制作 / 65分
監督:大森貴弘

2019年にスマッシュヒットとなった『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』に続いて、すみっコぐらしが再び映画館に帰還!

監督には『夏目友人帳』シリーズの大森貴弘氏、そして脚本には『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』他、近年引っ張りだこの吉田玲子氏......と、前作とは布陣が違うながらかなり攻めてる一本です。ナレーションの井ノ原快彦さんと本上まなみさんコンビも続投です。

それなりに私も楽しみな気持ちで観に行ったわけですが、観てきた感想をざっくり一言で言うと......

手堅く優しく愛らしい優良作。

といった一本でした。

ただ、すみっコぐらしの映画は、前作『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』がそれなりに歯ごたえのある作品だっただけに、“あれ”を期待するとちょっと肩透かしを食らうことになるかも......と言う注釈は付け加えたい。

もうちょっと本編に踏み込んだ感想を書いていきます。

※ ややネタバレ気味なので、以下ご注意を。

すみっコぐらしの『1』の呪い

私が観に行った回の上映終了後、スクリーンを出る際に近くのカップルが「普通だったね......」とちょっと残念そうに話をしていたのが、すごくこの映画らしいと思ったので、皆様にご報告しておきます。

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すみっコぐらしの映画は前作『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』が“大人も泣ける”的な口コミが広がりスマッシュヒット。2019年のダークホースとして、話題になりました。

正直、このインパクトが大きかっただけに、おそらく多くの人が「まさかの」とか「意外な」みたいな感想が漏れる映画を期待して『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』を観に行くのではないかと思うのですが、正直今年はもっと直球。『1』よりももっとシンプルな物語となっています。

今回の『2』が素直で優しい物語で良い映画だったのは間違いないだけに、変に『1』があれだけの成功を残してしまったことで、相対的にハードルが上がってしまってるのは少しかわいそうでした。まぁ、成功作の続編を作るってのは、そういった世間の認識との戦いでもありますからね。やむなし。

『1』と比べられちゃうと、地味です。

『夢』と呼ぶのか『呪い』と呼ぶのか

じゃあ今年の『すみっコぐらし』は攻めた内容ではないのかといえば、『1』の様な仕掛けこそないものの、しっかりと大人も考えさせられるテーマを内在している作品です。

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今回のゲストキャラである魔法使いは、魔法でなんでもできてしまうと言うキャラクターたち。そのせいで、彼らには「夢」という概念がありません。

そのため、見習い魔法使いこと“ふぁいぶ”くんが、すみっコたちにお世話をしてもらったお礼に夢を消して、満足させようとする......というのが今作の大きな事件となるわけですが、これが珍しい視点です。

子供向けの作品といえばとりわけ「夢」はとりわけポジティブなものと捉えられることがほとんどですが、ふぁいぶくんみたいな存在からすると、「夢」は取り除いた方が良いものというネガティブな認識になる、というのはなかなか攻めた捉え方。

「夢」別名「呪い」で胸が痛くて
目ぇ覚ませって正論 耳が痛くて
いい歳こいて先行きは未確定

引用:RHYMESTER 「ONCE AGAIN」

RHYMESTERの「ONCE AGAIN」の宇多さんのバースにもあるフレーズですけど、現実問題「夢」って絶望もはらんでいます。叶わない夢を追いかけるのって苦しいこと。それって悲しいものじゃない?っていう素朴なクエスチョンをこのふぁいぶくんの行動がはらんでいるのが面白いです。

そして、この映画がさらに見事なのは実際にその呪い(夢)を解いたらどうなるのか?という事態を実際に、観せてくれているところ。

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実際に夢を失ったすみっコたちがどんな姿になるのかはぜひ、本編を見て欲しいのですが、このストーリーで伝えようとしている、「夢は実は叶わなくても良い。なぜならそれ事態が君のアイデンティティなんだから......」と言う優しいメッセージは、まさにすみっコらしくて、愛おしいものでした。

『1』ほどのサプライズは仕込まれてはいないですが、『2』も十分、攻めた内容であり、すみっコぐらしらしいメッセージになっています。

『夢』についてしっかり踏み込んだ内容になっているのは、評価したい。

まさかの新キャラクターも登場だ!

サプライズといえば、忘れちゃいけないのが、今作ではなんと新たなすみっコキャラクターが銀幕デビューを果たしている点。

その名もカワウソ!!

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画像引用:https://www.san-x.co.jp/sumikko/campaign/sumikko_camp/

2020年5月に発売されたキャンプテーマのシリーズにて初登場となった新キャラクターが早くも今回の映画に登場。話の本筋に絡んでくるという感じではないですが、しっかりキャンプ場面に登場しており、コアなすみっコファンにはニヤリとさせられる場面だったのではないでしょうか。

あと、チラリと『1』に登場していた鳥の子もカメオ出演しているので探してみてください。エンドロールあたりに注目ですかね。

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カワウソが推し。

以上。ざっとまとめるとこんな感じ。

●『1』と比べられちゃうと、相対的に地味。
●『夢』についてしっかり踏み込んだ内容になっている。
● 新キャラのカワウソが可愛くて好き。

決して悪い映画ではないのですが、どうしても見劣りを感じられてしまう映画ではあるのかもしれません。

あと、朗報かはわかりませんが上映時間が60分ちょいで短いです
「長時間観るのが辛い」ってキッズにはちょうど良い一本ですよー。

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