【映画レビュー】変則バランスで推理物回帰!『名探偵コナンから紅の恋歌』の感想
去年並みの客入りで大ヒット中映画。
『名探偵コナンから紅の恋歌』のざっくりとした感想
人が少ないであろう平日の昼間に足を運んだのですが、さすがコナン。半数以上の席が埋まっていて驚きました。コナンの人気、すごいです。
観てきた感想をざっくり言わせてもらえば
割と好き。
という、ガツガツに推さない程度のお気に入り作品でした。
もう少し詳しい感想を書いていきます。
『名探偵コナンから紅の恋歌』のもっと踏み込んだ感想
■推理&ラブロマンスのある意味王道コナン
昨年の『純黒の悪夢』ではついに推理を捨てて、アクション映画に絞って成功しましたが、今年はしっかり探偵らしく事件の推理要素が本格復帰。それに加えて、人気サブキャラクターの平次くんと和葉ちゃんを主役に添えたある意味挑戦作。
……結果として、手堅く面白い一作として仕上がっておりました。
事件は百人一首の特性がしっかり意味のあるものとなっていて、やっぱりモチーフがなにかあると事件に色が付いて面白くなるんだなぁ、と改めて痛感しましたし、平次くん……というか和葉ちゃんがリードしていく物語という軸があることにも新鮮味があって、21作目にして“まだ”こんな手が残っていたんだという発見を見せつけてくれました。
中でも平次×和葉物としてしっかりクライマックスで『いいなぁ・・・』と思える胸キュン演出があったのも、素敵。基本恋愛アニメ映画には甘い私ですので、もうその親指が立った山場だけで、高得点が評価に加算された感じです。いろいろ言いたいこともあったけど、なんか全部吹き飛んじゃいました。良いですよ、『から紅の恋歌』!
コナンみたいな事情がないんだから早く正式にくっつけばいいのに!
■なんだかんだ言って文句はあるのです。
とはいえ、全部吹き飛んだものも、冷静にかき集めて反芻するのもこのブログの使命とも思ってまして、あえて言いたいことを言っていこうとも思う次第。
まず根本的にダレる!
密室物でもないし、今回命を狙われているのはレギュラーキャラでもない新キャラだったりするので、コナンくんや平次くんにはじっくり推理タイムが用意されています。そんなところが緊張感につながらず、中盤ダレを感じました。しかも今年は序盤で結構大きめなピンチや、アクションシーンを用意してある分、尚更、それを終えたコナン&平次が安全地帯から観察している感じがもったいないかもなぁと思いました。(ただ、こうでもしないと、和葉ちゃんが百人一首を頑張りますみたいな平和な内容の軸も用意できにくいのでやむを得ないっちゃ、やむを得ない)。
頭と尻に大きめなアクションがある分、中だるみを防ぐもう1つの山場が真ん中にあった方が良かったんじゃないかなぁと思ってます。
まさか予告のこのシーンが序盤に来るとは思いもしなかったですよ。
また、話のスケールの小ささも否めないのが残念。
昨年がオスプレイから観覧車を撃ちまくったりとやりたい放題だった分見劣りしちゃいます。クライマックスの舞台となる“あの”建造物まで画的な魅力がほぼゼロなのが残念です。序盤のコナンくんがアンテナでぐるぐる回転するのは面白いんですが、序盤すぎて危機感が半減してるので、結局全体を思い返すと、こじんまりした感じになっています。
例えば和葉ちゃんのスポコンパートにもうちょっと画的なオモシロさがあれば良かったです。札が、場面カットになってる・・・っていうひと工夫があった分尚更、もう一越えした工夫が用意してあればなぁ、と贅沢な欲がでちゃいました。
肝心の試合はダイジェストの工夫こそあれど、試合を魅せる工夫はなかったり。なんなら無効試合だったのかと思ったら一応勝敗も決まってたし、演出不足な気も。
まとめ
というわけで今年は結局、主役がコナンでもなければ平次くんですらない
和葉ちゃん映画。
そんな、長期シリーズだからこそできる変則バランスの映画でしたが、そのポテンシャルを間違いなく最大限に活かした映画となっていました。諸手を挙げて大傑作とは言わないですけど、今年もコナン映画の挑戦意欲を感じる一作でした。
今年こそ、年間首位アニメになれるかどうか、興行の行方にも注目です。
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