【映画レビュー】シリーズ全く追わずに行った『劇場版転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』の感想
久しぶり……でもない、シリーズ未見での鑑賞しました回です。
『劇場版転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』のざっくりとした感想
『劇場版転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』を観てきました。
「小説家になろう」発の人気ライトノベル「転生したらスライムだった件」を原作に2018年にTVアニメがスタートし、昨年2期(2部制)が放送されてからの流れで今年ついに初の劇場版を制作。原作者・伏瀬先生が自ら原案を務めたオリジナルストーリーが展開されます。
監督はTVアニメシリーズ1期の監督である菊地康仁氏、脚本もTVアニメシリーズから筆安一幸さんが続投しています。
私は、コミカライズ版のお試し1話を読んだことがある程度で、アニメシリーズは一切観たことがない、『転スラ』弱者なのですが、そんな私が本作を観にいった感想をざっくり一言で言うと……
けっこー辛い……
と言う悩ましい映画でした。
どういうところがイマイチだったのか、を詳しく書いていきます。
■ものすごく一見さんお断り映画!
事前に「初めてでも楽しめる」って感想も見ていたので、「やったぜ」と思って足を運んだものの、なんと全然一見さんお断り映画!
これは映画ゲストキャラなの?
既存キャラなの?
この人確か主人公だよね?
スライムじゃないの?
あ、スライムだわ。
この人すごい人なの?
強いの?
またなんか出てきた。
この人は味方なの?この人は敵なの?
みたいな疑問がどんどんどんどん出てくるんだけど、結構説明なし。
知らない人はなんとなく雰囲気で察してね、ぐらいのテンションなので、お世辞にも親切だとは思いませんでした。
一応物語の軸は、ヒイロとトワの話なので、全くストーリーがわからなくなるようなことはないんですが、主人公のリムルがその他の作品に比べると圧倒的に万能すぎる存在として活躍するので、ヒイロとトワの良い話のドラマが霞むように見えてしまいました。
これ、苦労してる周囲をリムルが無双していって気持ち良くなる感じのお話なんだろうな、と初見さんにも早々に気づいてもらえたら、もっと優しい映画になれた気がします。
■全然心を動かされない茶番展開!?
主人公の無敵すぎる表面だけ見せられて、その背景がないから、ただ単に山のない物語に見えてしまうのは結構問題あるな、と悪い例として学びにもなりました。
作中では、女王のトワが何者かによって陥れられようとするのですが、ただでさえ主人公が簡単に解決に導いちゃう上に、中盤でかなりあっさり犯人を明かしちゃうもんだから、さらにびっくり。
観てるこちら側からしたら、ハラハラもドキドキもしない流れで進んでいくのですよね、この映画。
しかも、犯人がわかった状態で、さらにヒイロさんが騙されるという展開にはがっかり。ヒイロさんはかっこいいのに、あまりにも怪しいワナにまんまとハマっちゃうせいで、そのかっこよさも台無し。後の良い話の全てがチャラになるぐらい、鈍臭く見えてしまいました。
犯人の狡猾さをもっと出すとか、話の展開的にも黒幕とわからないように見せるとか、もっと騙されるような説得力を加えて欲しかったです。
これじゃあ茶番過ぎるよ!
■ヴィオレとの対決シーンは盛り上がれました、が?
唯一「面白くなってきた」と思えたのは、ディアブロとヴィオレが対峙するシーン。
あまりにも強すぎる能力と布陣のリムルに対して、ついにそれに対抗してくるような高圧的なキャラクターが出てきた……映画のクライマックスはこいつとの対決か!?
と思いきや、そんなヴィオレもディアブロが圧倒。
まだまだヴィオレもこれで終わる感じではなさそうでしたが、結局リムルとの直接対決はなく、なんとなく今後のテレビシリーズに続くんだろうなぁ、という感じ。
映画でこそ大ネタをやってほしい派の私としては、その出し惜しみ感もちょっと残念でした。
まとめ
……ということで、ファンではないからこその感想として、ファンの皆様には許して欲しいのですが、結構イマイチな感想が漏れる映画でした。
主人公含む、たくさんのキャラの背景を知っていたらもっと楽しめたのかもしれないけど、それでも内容的にはTVスペシャルぐらいのサイズ感な気もしますが、どうなんでしょうね。
ちなみに、映画ゲストキャラのトワちゃんはTOHOシネマズの幕間のお姉さんでおなじみの福本莉子さん!違和感なく楽しめたけど、大阪だと中心街の梅田やなんばのTOHOでは上映しないのは、なんか変な感じです。
そういうこともあるんですね。
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