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【映画レビュー】初音ミクを知ってるだけじゃダメ?『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』の感想
元ニコ厨としては感慨深い映画でしたよ。
『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』のざっくりとした感想
『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』を観てきました。
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劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク
制作年:2025年/ 制作国:日本
105分 / P.A.WORKS制作
監督:畑博之
2007年に誕生した、入力した歌詞やメロディーを歌ってくれる音楽ソフトウェアのキャラクター・初音ミク。そんな初音ミクを題材にしたゲームアプリ『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』のタイアップ絵映画。
監督は『ゆるゆり なちゅやちゅみ』の畑博之さん。脚本はアニメ『パリピ孔明』のシリーズ構成や実写映画『思い、思われ、ふり、ふられ』の米内山陽子さん。アニメーション制作を『SHIROBAKO』などお仕事シリーズでも知られるP.A.WORKSが務めます。
本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……
ちょっと……ついていけなかった
といった感じでした。
ボーカロイドがなんなのか、とか、初音ミクの仲間たちのことも知っていたつもりでしたが、それだけだと限界を感じました。
もっと内容に踏み込んだ感想を書いていきます。
『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』のもっと踏み込んだ感想
■元のゲームを知らないと結構厳しい?
今回の映画はあくまでも初音ミクの映画化と言うより、やはりゲームの「プロジェクトセカイ」の映画だということを思い知りました。
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この映画は、が現役クリエイターたちが孤独な初音ミクに遭遇して、そのミクをみんなで救おうってなる話。その軸自体は明快なんですが、そのストーリーを構成する世界観が難解。
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作中には複数の音楽ユニットが登場するのですが、
彼女たちは本職がパフォーマーなのか、仮想的な話なのか?
これはVRの世界に入っていってるのか、ゲームプレイのメタファーなのか?
プロセカのある世界なのか、中の世界なのか?
世界観がよく分からないまま話が進んでいってしまい、最後まで困惑を抱えさせられながら走り切られたような映画でした。
そういう意味では結構一見さんお断り映画。
初音ミクって存在に理解があるってだけではちょっとついていけない映画だと思いましたよ。
ゲームの「プロジェクトセカイ」を知らないせいか世界観がわかりにくい。
■クリエイター映画としての狙いは理解できる!
一方でこの映画が良くないかといえばそうでもないのは、この映画がどういうメッセージを伝えようとしているのかは理解できたから。
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初音ミクといえば、クリエイターが居てこそ歌が生まれて波及していく存在。だからこそ、クリエイターが不在となってしまった初音ミクがどうなってしまうのか……という想像からできた物語なんだろうな、ということはわかります。
それこそ、ニコニコ動画全盛期から“音楽ソフトとして使われなくなったミク”をテーマにした曲はありましたが、そんな初音ミクを救おうという映画でした。
そして、そんな救われた初音ミクを通して
挫折してしまった人たちの背中を押そう!
一度道を諦めてしまった人も再起させよう!
というメッセージは受け取りました。
映画の最後、孤独なミクが振り返った瞬間に“あなたのための映画だったのか!”と気づかされるあの感じ、とても良かったです。
世界観は分からずとも熱いメッセージは伝わったぞ!
■映画以外の要素にこそ驚かされた!
そして忘れちゃいけないのが、『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』は本編以外のサービスが密だったところに感動しましたよ。
初週だけは上映前に初音ミクの舞台挨拶が付いてくるんです。
しっかりインタビューもしてくれるし、スクリーンを舞台に見立てた映像になっているのも親指がグッと立つポイントです。
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そしてそんな舞台挨拶の流れからのフォトセッションもあったのが良かった!本当は撮っちゃダメなはずの映画館のスクリーンを撮りまくれる背徳感もあるから、フォトセッション企画は好きです。
加えて、映画の最後にもライブシーンが用意されているのも最高。
こちらもカメラをぐるぐる動かすタイプの映像ではなく、あくまでもスクリーンを舞台に見立てたタイプの映像で、逆に臨場感があって良かったですよ。
公開初週から応援上映を実施しているのもすごい!
私も偶然応援上映の回に参加したのですが、熱のあるファンが多くて作中でも声が出ている瞬間も多く、ライブシーンではペンライトがたくさん振られていて圧巻の美しさでした。
後から調べたらライブのプログラムに加えてアナウンス部分まで週がわりにしているようでガッツリとリピーター施策をしているんですよね。
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ゲスいと受け取られる商法かもしれませんが、ここまで頑張っていると“努力”として評価したくなりますよ。
これらの体験が良かったので、私はまた観にいきたいもん。
映画本編以外の要素の充実ぶりとファンの熱意にもっとも感動!
まとめ
●世界観のせいで一見さんお断り映画。
●クリエイター映画としての胸熱部分は感じられら。
●本編以外のサービスがすっごく充実している。
というわけで、高い人気も納得の映画でした。
地味に驚いたのが、私がニコニコ動画をあまり観なくなった頃に新しく出てきた巡音ルカ……以降に新しいボーカロイドって出てきてなかったのかという点。
ボーカロイドは全員のことを知っていたので、それだけでもまるで同窓会のようにすごく懐かしさを感じましたよ。
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鏡音リンちゃんの声が好きだったなぁ、と古の引き出しが開きました。
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