【映画レビュー】中身はカスッカスだけど楽しくてしょうがないド傑作?『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の感想
任天堂ゲームでばかり遊んできた人間が観てきましたよ。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のざっくりとした感想
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を観てきました。
任天堂とイルミネーションがタッグを組んで、あのスーパーマリオを映画化だ!監督は『ティーン・タイタンズGO!トゥ・ザ・ムービー』のアーロン・ホーバスさんとマイケル・ジェレニックさん。脚本は『ミニオンズ フィーバー』のマシュー・フォーゲルさん。海外からは2週間遅れでの上映となりましたが、しっかり日本でも大ヒット。世界興行収入がどこまで伸びるのかにも期待がかかっています。
ちなみに私はそもそも任天堂ゲーム大好き人間。
「スプラトゥーン」とか「どうぶつの森」などマリオ以外の作品ばかりを最近は遊んでますが、いくつかのマリオシリーズはファミコン時代から遊んでますし、最新ハード毎にどんなマリオが出てるのかは知識として知っているぐらいにはゲーム漬けの人間です。
ちなみに一番遊んだマリオは多分Wiiの「スーパーマリオギャラクシー2」です。
そんな私が本作を観てきた感想をざっくり一言で言うと……
ちょー…………最高!
いやはやスゴかった!
難しい話は一切なしのカスッカスの物語の中にBGMやSE、画面隅の隠しキャラまでゲーム愛を詰め込んでパンパンに膨らませた映画。そんなの任天堂ゲー育ちなので大好きに決まってるじゃん!
ざっくりではなくもっと踏み込んだ感想を書いていきます。
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のもっと踏み込んだ感想
■明快ストーリー!ある意味カスッカス?
ディズニーやドリームワークスアニメーションがかなり捻ったテーマなどを織り交ぜてきている昨今。さすがそれに反して、シンプルで単純なストーリーを繰り広げるイルミネーション!『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』もかなり明快な内容になっていました。
現実世界でイマイチ成功できていなかったマリオとルイージが、異世界に迷い込んで、ピーチ姫やキノピオ、ドンキーと仲間になって協力してクッパを倒す。
まじでストーリーとしてはそれだけ!
もちろん、細かい見立てをしていけばマリオが移民系であることや、クッパに侵略されるキノコ王国は戦争のメタファーだとか、強いピーチ姫はフェミニスト路線を狙っているとか、全然あげられるのでしょうけど、本作に限ってはその落とし込みはディテールに収まる程度。
基本的には、小さな子供が1から10までを追える内容が良い意味で単純な内容でまとまっていました。
なので正直、ストーリーについてはカスッカス(スカスカではない)という表現が個人的にはしっくり来る擬態語で、深い“テーマ”を突き詰めるような映画ではなかったのですよ。
■全ての隙間を埋める“遊び心”from任天堂
あえてこの映画に“テーマ”があるとしたら“マリオを楽しい映画にするにはどうするべきか”だったんじゃないでしょうか。
ストーリーについてはカスッカスとは言いましたが、じゃあこの映画にボリュームがなかったかといえば、違うのです。
この映画、隙あらばマリオネタもとい任天堂ネタがこれでもかと詰め込まれたゲーム愛映画だったのですよ。
本作は任天堂ファンが作った映画ではなく、本家本元任天堂が全面協力して映画を作っているだけあって「ここにこの音楽入れたら面白いですよね」「このネタも挟んだらサイコーですよね」「実はここにはこんなサプライズも仕込んじゃいました」という純正のおもてなしをたっぷりと堪能させられる体験になっていたのです。
ここでこれが流れてほしいな〜ってとこにはそのBGMが流れるし、ここはあのSEだろって時にはあのSEが流れる。とてつもなく痒いところに手が届きすぎてました。
前述の通り、私はゲーム大好き人間でもあるので、画面の隅々まで観てどうにかしてその目配せを一つでも拾い切ろうと、映画の本編中ずーっと忙しいし、ずーっと楽しい。
カスッカスなんて言ってますがその分ミチミチに遊び心が詰め込まれている最高映画ですよ。こりゃ。
■ドンキーコング愛にも熱が入る!
実をいうと個人的にはマリオよりもドンキーコングシリーズが好きなので、熱が入ったのは実はドンキーコングパートだったりします。
もうね、ドンキーコングのパートに入った瞬間とか最高でしたよ。
しっかりスーパードンキーコングでおなじみの「JUNGLE LEVEL」のフレーズを使ったBGMが使われているのです。
細かいところでは、車のエンブレムには、最新シリーズのドンキーコングのゲームで見ることができるサイのランビの“マーク”が添えられていたり、ディテールに至るまで最高!
出番のないディディーやディクシーもそれとなく存在に目配せをくれたり、マリオだけでなくドンキーに対してもしっかり手厚い出番をくれました。
ちなみに『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』のサントラには映画本編になかった良ドンキーコングBGMアレンジ曲「Drivin’ Me Bananas」ってのがあるんですが、ホントは「Take on Me」のとこで流そうとしてた曲なのだとか。作品全体を狙ってポップ寄りにしてるのが分かります。ドンキー好きとしてはこっちを流して欲しかった!
唯一、惜しいと思ったのはロケットバレルですよ。ロケットバレル。
おなじみのBGMが存在するアイテムの登場に「そこはロケットバレルのBGMを流すとこだろ!」とあまりにも他が痒いところに手が届きすぎて、本当にこのBGMが用意されてなかったことだけは悔しいです。同じことを思った同志の方、いないかな?
まぁこれはマリオ映画。
いつの日か、ドンキーコングのスピンオフ映画が作られると確信して、その日を待っています。
まとめ
というわけで、本当に楽しくてしょうがない映画でした。
この時ほど、ゲームばっかりやってる人間でよかったと思う映画はありませんでした。
正直ゲームをやっていない人が楽しめるのかは、逆に私がゲームをやりすぎていてあまり想像できないのですが、少なくともどの世代でもいいので、少しでもマリオに対する思い入れがある人は、きっと楽しい映画になっているのでオススメです。
あ、あとピーチ姫が歴代シリーズでも一番っていうぐらいに可愛いです!イルミネーションのポップなテイストがうまい具合に乗って「こんなに可愛いキャラクターだったのか!」とここにきて思い知らされる体験に。
やっぱりね、ピーチ姫は“スーパープリンセス”ですよ。
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