【映画レビュー】サッカーで戦う原始人を描いた優良作!『アーリーマンダグと仲間のキックオフ!』の感想
まさかの日本公開されて嬉しかった作品の感想です。
『アーリーマン ダグと仲間のキックオフ!』のざっくりとした感想
『アーリーマン ダグと仲間のキックオフ!』を観てきました。
「ウォレスとグルミット」や「ひつじのショーン」などを生んできたアードマンスタジオ最新作。原始人の時代を舞台にしたサッカー物という異色の物語となった作品です。監督はアードマンの長編作品でお馴染みのニック・パーク監督です。
本作を観てきた感想をざっくり一言でいうと
まあまあ
という身もふたもない小学生並みの感想を漏らす感じでした。
すんません。
しっかりもうちょっと詳しい感想を書いていきます。
『アーリーマン ダグと仲間のキックオフ!』のもっと踏み込んだ感想
■ルーツを越えろ!異色の原始人サッカー物語
原始人×サッカーということで、どういう意図の組み合わせなのかなー……と思ったのですが、もしかしたらワールドカップシーズンを意識しただけなのかもというぐらい、そこに特に意味は感じなかった作品でした。まあ意味なんて必要ないっちゃないんですけどね。
そこを狙ってくれたおかげか日本でも2018年のワールドカップシーズンに公開をぶつけられたのかもしれませんし、ある意味正解でしたね。
サッカーが題材じゃなかったら日本公開されていなかったかも。
ただ、ストップモーションアニメで見るサッカーっていうのは新鮮。
スピード感のある演出は苦手な手法かと想像していたのですが、その想像を凌駕する見事な出来でした。
また、アードマンらしい楽しい作品というところも手堅い。
登場キャラクターがちょいちょいアホだったりするとことか、あっさり地割れに落ちるモブキャラが居たりとたまにブラックなネタを挟んだりと、コメディ作品としての出来も上質。
そんな感じでありながら、時に不安を与えるルーツも今を生きる人間はそれを乗り越えることができる……なんて教えをサクッと挟むところもまたニクいです。なぜ、ルーツには負の歴史があったのかとかといった理由は明らかにされませんが、その部分とかはもっと練りがいのあるストーリーだとは思うのですがね。
■女性も共にピッチに立とう!差別とアーリーマン
さり気ない部分といえば、もう一つピックアップしておきたいのが差別問題。
神聖なスポーツとして、試合に出場することができない女の子・グーナというキャラクターが登場しており、そんな彼女がピッチに立てないという背景が描かれるのですが、これは女性の社会進出不利のメタファーであることは明らかでしょう。
現実にも宗教的な理由で女人禁制なんて世界もありますけど、もしかしたら次時代にはそれも撤廃されているかもしれません。
差別と言えば、
前情報で、発達した文明を持つ青銅時代の人類と、いまだ石器時代の人類で対立したような物語を想像していたけど、意外とその文化の違う人間達の間に気持ち的な距離感がなかったのが意外。極端な差別的思想は悪役・ヌース卿に集約されており、大ボスだと思われたフィファ女王ですら反差別的な心の持ち主だったので、結構ピースフルな世界観でした。
声のでかい一人が差別を広げることもあれば、ドラマさえあれば大衆はそんな異種族の差なんて気にしない事を描いてる…というのは好意的に見過ぎですかね。
まとめ
といった感じでさすがのアードマン作品でしたね。
せっかくのワールドカップフィーバーシーズンだというのに、スクリーンがガラガラだったのにはびっくり。
まだまだ日本ではアードマンの知名度もそんなに高くないのかもしれないなぁと残念でした。
大傑作なんてまで褒めないけど。すっごく優良作品です。
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