
【映画レビュー】血生臭い人魚姫映画!『ウィッチャー深海のセイレーン』の感想
2025年2月11日から配信スタートしたばかりの作品。
『ウィッチャー深海のセイレーン』のざっくりとした感想
『ウィッチャー 深海のセイレーン』をNetflixで観ました。

ウィッチャー深海のセイレーン
(原題:The Witcher: Sirens of the Deep)
製作年:2025年 / 製作国:アメリカ
91分
監督:カン・ヘイチョル
2021年に配信された『ウィッチャー 狼の悪夢』に続くウィッチャー長編アニメーションシリーズ第2弾。
スピンオフ感が強かった前作に対して、今作ではお馴染みの主人公ゲラルトの活躍をメインに描き、キャストにもゲームで起用されていたダグ・コックルさん……なんなら吹替も日本版の山路和弘さんが担当してくれてます。
ネトフリらしいバイオレンス作品だった前作に続いて、今作も同様の攻め方の作品なのか注目です。
ちなみに“ウィッチャー”ってなんなの?
って話は昔に記事にしております。(↓)
小説もゲームもやったことのない私ですが
本作を見た感想をざっくり一言で言うと……
物騒な快作“人魚姫”。
って感じでした。
グロもありつつ、しっかり矜持のある作品でした。
ネタバレも含むもっと踏み込んだ感想を書いていきます。
『ウィッチャー深海のセイレーン』のもっと踏み込んだ感想
■『人魚姫』?『美女と野獣』?手堅いストーリー
今回のウィッチャーは観やすい!
怪物狩りの魔法剣士ウィッチャーさんが港町で起こっている、海の異種族と人間のいざこざに巻き込まれて、なんだかんだで解決しちゃうぞ!って話。

『ウィッチャー』の世界観とかあまり知らなくても、登場人物がどんな性格をしているのかをざっくりとでも冒頭で見せてくれるので、ウィッチャー初心者の私でも自然に物語に入り込めました。
一見さんでも楽しめるという意味ではスピンオフという前提の前作『狼の悪夢』より優しいです。
そしてそのストーリーもまた明快ながら手堅い。
『人魚姫』をベースに、深海に住むセイレーンの王妃と人間界の王子が恋仲というベースから、双方の世界にそれをよく思っていない人たちも居て、その関係性を悪用しようとする人も居たりと、現実世界とも照らし合わせやすいです。

当の人間界の王子も、セイレーンの王妃に負担ばかりを押し付けようとしていたりと「それはフェアなのか」といった問題提起もしていて、異種族の問題の他にも個人と個人の関係性にも踏み込んでいたりとよくできてます。
そして何より、その結末ですよ。
セイレーンの王妃が手に入れた異種族に変化できる薬を、人魚が飲むかと思いきや……それを飲むのは改心した人間の王子!
いわゆる『美女と野獣』ならぬ『シュレック』エンドでした。

結局『シュレック』のリフレインじゃねーかといえばそれまでかもしれないけど、まだまだこの時代に必要な問題提起だと思うし、女性に変化を促していた『シュレック』よりも男性に変化の負担を引き受けさせた『深海のセイレーン』の方がもう一歩踏み込んでいたとも言えるかもしれません。
男性だからとか女性だからとか、そういう理由じゃなくて双方で話し合って負担を分け合うのがもちろんベストなんですけどね。
とにもかくにも『シュレック』好きには、同系統作品として嬉しい映画でしたよ。
明快ながら見応えあり!『シュレック』のプラスアルファなメッセージも良き。
■グロ過ぎないアクション!魅せきれてるかは……?
アニメシリーズ『ウィッチャー』といえば、前作がかなり攻めたバイオレンスアクションシーンが入っていたところが見どころの一つでしたが、今回の『深海のセイレーン』も頑張ってます。
人も人じゃないやつもたくさん死んじゃう作品でしっかり出血量は多め。

ただ、正直前作に比べるとけっこうあっさりとした殺し方が多めで、前作こそ悪趣味な感じもしましたが、今作はどちらかというと必要最低限のバイオレンスに収めている感じで、そういう意味でも前作に比べて“見やすい”し“勧めやすい”映画になっていました。
ただ、
前作のその過剰な残虐性が魅力だと思っていただけに、個人的には残念。
せっかくネットフリックスの配信オンリーなんだから、尖らせられるところは尖らせたままでも良かったのに、なんてことも思います。
正直、いい加減「ネトフリだからグロ」みたいな作品も食傷気味かもしれないけど、そこは『ウィッチャー』なんだし、そのまま頑張っても良かったんじゃないかな。
アクションシーン自体も派手さこそあれど、新鮮味が薄かったのが残念。
主人公のゲラルトさん“らしさ”が感じられるようなものじゃなかったので、ただ“動ける剣士”に落ち着いてしまった気がするのは残念です。
バイオレンスアクションが前作よりも弱火?
■バタ臭いのはしょうがない?アートスタイルの問題?
もう一点、細かいことを言うと、好みの点でキャラクターデザインのバタ臭さは気になるところ。

どうしても日本でTVアニメを観まくっていて、海外作品でもカートゥーンものばかり観ている身には、本作のようなキャラクターデザインは馴染みが薄いというか、アートスタイルの問題なのか、ちょっと距離感を感じます。
それこそ『ローハンの戦い』ぐらいまで洗練されてたら違ったのかもしれないけど、そのあたりは予算の問題なのかな?
まぁ、好みの問題。
キャラクターデザインはそんなに好みじゃないです。
まとめ
●『人魚姫』や『美女と野獣』のパロディとしてよくできている。
●もっと残虐性の高いアニメーションが良かったなぁ。
●そもそもキャラクターデザインは好みではなかったり。
というわけで、決して酷い作品とは思わないのですが、好みとか相性的に合わなかったという感じの作品でした。
一応、ほしいものリストにゲームの『ウィッチャー』を入れてはいるんだけど、結局まだ買っていないし、遊ぶ余裕がまだ全然なさげ。
思わずポチッとさせてくれるような作品が次回また出てきてくれるといいな……ということで、『ウィッチャー』のアニメ映画シリーズ第3弾を作ってくれることを期待してます。
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