『羅小黒戦記ぼくが選ぶ未来』の感想。気が利いてるさすがのアニプレックスローカライズ!
こんにちは。
アニメ映画ライターのネジムラ89です。
『羅小黒戦記ぼくが選ぶ未来』を観ました
話題の中国発のアニメーション映画『羅小黒戦記ぼくが選ぶ未来』を観ました。
羅小黒戦記ぼくが選ぶ未来
制作年:2019年 / 制作国:中国
監督:MTJJ
昨年、限定的に上映を果たし、上映毎に満員御礼となった『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』。
その際は字幕版のみの公開となったのですが、今年2020年に入り、アニプレックスさんが配給に加わり、人気声優が吹き替えを務める形で『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)僕が選ぶ未来』という日本ナイズされた日本語吹き替え版が上映されるに至りました。
昨年の状況については、アニギャラREWさんで以前詳しく書いているので、そちらを読んでいただけると、わかりやすいかも。
本作を観た感想をざっくり一言でいうと
ド傑作。
吹き替え版としては、声優陣のハマり具合から細かなローカライズまで、初見の人にも馴染みやすく、昨年鑑賞組はその采配に「うまい」と唸らせられる仕上がり!やるじゃんアニプレ!と思わず声が出てしまうような作品でした。
もう少し詳しい感想を描いていきます。
そもそも「羅小黒戦記」ってなんなのか?
この『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』という作品、作中にはやけに専門用語が登場するし、タイトルがそもそも日本語じゃねーじゃん!という事で、背景を知らない人にはいったいこの映画はなんなんだ?と疑問に思うかもしれないので、改めて本作がどういう作品なのかをざっくり説明すると。
元は中国の短編WEBアニメーション。
小白(シャオバイ)という女の子が、黒猫の小黒(シャオヘイ)を拾ってくるのですが、実はその小黒は普通の猫ではなかった......というお話。
28話までが制作されているのですが、映画『羅小黒戦記僕が選ぶ未来』では、このアニメで描かれる小黒と小白の出会う前の物語......つまり前日譚が描かれるので、このアニメシリーズを観ていなくても問題なく楽しめるようになっています。
(一応、エンドロールでちょっとだけ小白たちも登場)
やや太めの輪郭線が、スクリーンショットではチープさを感じさせてたのだけど、実はこのWEB短編シリーズに寄せていたのか.....ってのも分かるし動画で観るとこのタッチが意外と味になってくるから不思議です。
冴えわたるアクションは新鮮であり懐かしい!
本作の魅力は何と言っても驚かされるアクションシーン。
なかなか海外の手描きアニメでここまで動くアニメーションは観たことがないので非常に新鮮であり、ストレートなアクションアニメも少なくなってきたので、日本のアニメに慣れている身からしても懐かしくあり、「こういうの大好き!」と自分の中の男の子が叫び出します。
『ドラゴンボール』だとか『NARUTO』だとか、海外人気へ波及したアクションアニメは多数ありますが、ついに然るべきレスポンスが返ってきた!と嬉しくもあり、ライバルの登場に危機感も感じます。
あと妖精たちのビジュアルや能力も独特で可愛かったり、カッコ良かったり、どれもすごく魅力的。『紅き大魚の伝説』でも思ったけど、中国の“妖怪”的なキャラクターデザイン良いですよね。
ローカライズも見事!気が利いてるナ!
そして今回、改めて吹き替え版が制作されたわけですが、翻訳・配役いずれもさすがという仕上がり。
中でも小黒役の花澤香菜さん。花澤さんは可愛い女の子を演じることが多いので、少年役をやると聞いた時は衝撃を受けましたが、「なるほど!こうなるのか!」という納得の仕上がり。
無限役の宮野さんや風息役の櫻井さんも、アニメ雑誌などでも「逆では?」と取り上げられることの多い配役ではありながら、逆にそこにまた一つ深みが増して、これはこれで悪くない......と思えるキャスティングになっていました。
また、エンドロールのちょっとした中国語などもしっかり日本語にしてくれているところとか、気が利いているところも素敵。日本オリジナル主題歌の差し込み方とか、絶妙な采配だと思います。
何より、視線が下の方に行ってしまう字幕映画よりも、スクリーンいっぱいのアニメーションを存分に楽しめる吹替映画が好きな私としては、今回の吹替版の公開は、待望の企画でもありました。
アニプレックスさんに本当に感謝、感謝です。
初週末こそ、勢い不足に感じられた客足ですが、口コミがどんどん広がり、徐々に多くの人に広がっていく感じがさすが『羅小黒戦記』。『鬼滅』と一緒に年末までロングラン上映をぜひとも、駆け抜けて行ってほしいです。
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